第六話「アーク【神域機関】」
それから数日が経った。
レイはテロ犯を殺したが、正当防衛として認められて、罪に問われることにはならなかった。
トワは能力の代償として記憶を失い、それはツムグや僕の能力でも直せなかった。
レイは何もできなかった自分に罪悪感を抱えており、ここ最近、学校に来ていないと妹が言っていた。
今回の事件は不可解なところが多い。何故今回のような事が起きた?
主犯は?それに学校全体の監視カメラがハッキングされていたのも気になる。そんなこんなでみんな犯人探しに夢中になっている。
そして僕は、
「ポチポチ、あークソ後少しだったのに、味方何してるんだ!もっと前行けって、はあーー!」
家に引き篭もってゲームをしていた。
ゲームは僕の精神安定剤だ
僕はゲームを深く愛し
ゲームは本来の役目を果たす。
winーwinじゃないか、
「お兄ちゃん!」
と相変わらずバカデカい声が聞こえた。
「そろそろ学校行くよ!なんでまた引き篭もっているの!?」
とユイナは言った。
全く、ユイナはわかっていない、
ゲームの素晴らしさを楽しさを
何もわかっていないんだ。
だからそれを教えるのも兄の役目。
「我が妹よ少し勘違いしているんじゃないか?」
と僕が言ったら、ユイナはコイツは何を言っているんだ?
みたいな顔していた。
「僕はちゃんと学校系のゲームもやっているぞ。」
と自分でも意味がわからない事を言った瞬間、
妹の拳が目の前にきていた。
「全く、信じられない!みんな大変な目に遭っているのに呑気にゲームなんて!!」
妹の拳が僕の顔にめり込み、言葉の刃まで突き刺さった。少し深呼吸をするなり、
「行けないよ.....クラスの奴らには、能力バレたし、
結局僕はまた誰も救えなかった。」
とヒリヒリする顔を押さえながら言った。
「お兄ちゃん.....」と少し申し訳なさそうな顔をしているのを横目に、
ゲームの画面に戻った。
妹が部屋から出て行ったのか、
扉の閉まる音が聞こえた。
いつも通りの日常これでいいんだ。
これなら僕は辛い思いをせずに済むから。
そう思った時、
「ピロン」とパソコンからメールがきた。不意にトワの顔が思い浮かんだ。
「な訳ないか....」と少しだけ期待をしてしまうのは僕の悪い癖なのだろう、
「アーク?なんだコイツ神域機関だって?」
僕は鼻で笑った。まさか今時中二病が作った組織があるなんてと思いつつメールを開いてみると
【過去に戻りし者よ】
僕の能力がバレてる?誰に?
リグレット部か?いやこれをするメリットがない。
それじゃあこれがバレたのは。
「襲撃事件?」まだだそう決まった訳ではないひとまず読もう。
「過去に戻りし者よ、我々の仲間になり神を崇拝したまえ。
さすれば神がお主の仲間を神のご加護で直してやろう。」
このメールは誰が書いたんだ?少なくとも今回の襲撃事件に一枚噛んでいるのは分かる、
待てそう言えばあの時、トワが【僕の過去を話そう】と言っていた。
つまりあのタイミングで関係ある事レイの話ではないだろう、
恐らくトワはレイがこの学校にいる事を知らなかった。
そうじゃなくちゃあんなに驚いた顔はしなかったはず、
つまりトワはあの襲撃に関わっていた。可能性が高い?
メールの内容を見るにお前らの能力はもうわかっている。
仲間になれば友達を助けてやるって訳だ、つまり今回は僕達を殺すつもりじゃなく、
リグレット部の戦力調査をしにきたのでは?
だがそれじゃあトワは何なんだ?
あの薄っぺらい感じだったトワが
レイの時は別人に見えた。
「トワお前は何を隠していたんだ?」
と頭を抱えるしかなかった。とりあえず明日学校に行こう。
リグレット部なら何かわかることもあるかも知れない。と珍しく学校に行こうと思う僕なのであった。




