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〈第一話〉 みんなでおかしな寮へ!

第二章がようやく幕を開けます!

ぜひ、楽しんでください!!





「ううう。。。。。。つ、疲れたあああ。。。。。」





向こうまで透き通ってしまいそうなほど綺麗な青空の下、わたし、ライナは大きく溜息をついた。今はサヨナラの魔女こと、ならさんの家にいる。そして、目の前には大きめの馬車が止まっている。素材自体はぱっと良いものに見えるけど年季が入っていて、ところどころ木材が割れているように見える。なんか、怖い。

ぼーっとしながら外を見つめていると、ピタっと急に首に冷たい何かがわたしの首に触れた。


「わっ!」

「ほら、もー出発するよー。」


慌てて振り返ると、そこにはならさんが呆れたように見下ろしていた。

び、びっくりしたあ。。もう、びっくりさせないでくださいよお。。。

そう涙目になっているわたしを気にせずにならさんはさっさと馬車に乗ってしまった。ならさんはわたしの魔女の先輩みたいな人で、すっごい何考えてるかわかんない。

よく見ると、レイさんもこちらに手を振りながら乗っている。


「って、これじゃ置いてかれちゃう!?」


バッと立ち上がり、わたしは馬車のほうへと走っていった。

パシャ。

足元には幾つもの水たまりが落ちていた。真っ青な空と地べたの水たまりが、雨明けの外の景色を満たす。おかしなほど綺麗な空は足元の水たまりへと吸い込まれていった。



今日で孤児院の事件からはもう一か月が過ぎようとしていた。


結局、あの事件の糸を引いていたのはまた魔女改革だったらしい。

元々孤児院は魔女改革の子供の実験施設の代わりみたいなとこだった。首についていた黒いナニカも実験関係の何かだったみたい。でも、それに近くの村の人たちが気づいてしまったらしく、誘拐みたいな形で子供を助けようとしてたのが事件の発端。

捕まえた三人は実行犯で、そのうち一人だけが魔女だったらしい。どうやら、改革側は村と孤児院を内側から壊すために彼女を送ったらしい。

そして、一番の謎だったルーチェさん。

ルーチェさんは村の動きに最初に気づいたらしく、みんなを救うために手助けをしてしまったんだって。魔法店への依頼もルーチェさんがしたらしい。

でも、なんで気づいたのか、なんで一人ずつだったのか、なんで魔法店にいらしたのかには全部教えてくれなかった。


どこか腑に落ちない事件だった。


「それじゃ、レッツゴーだよー。」


ポケッとした声でならさんが前から言った。

今からは、王様の命令によって「寮」に向かい始めるところ。

寮とは国が作ったたくさんの魔女が住む場所。今日から他の魔女もみんな移動するみたい。

なんとなくだけどあの事件が関係ありそうだなあって思ったけど、なんで一か月後のいまさらにこんなことを始めたのはわからない。

そういえば、ならさんが運転するみたいだけど大丈夫かな。。


「レイ、楽しみだな~!」

「え?あ、そ、そうだね。。!」


ふと、横に座っていたレイさんこといーちゃんが話しかけてきた。レイさんは初めてできた友達で、いろいろあって今は記憶喪失で右目も見えない状態なんだ。


「寮にいったらライナも試験に進展でるかもね~。」

「うっ。」


す、すっかり忘れてたあ。。

わたしは顔を両手で隠して俯いた。そうだったああ。。

実はわたしは今試験を受けていて、残り11か月でならさんをわらわせなければいけないのだ。そして、現在の進展はゼロ。

知ってる。笑わせるなんて簡単だよって。でも、本当に進展が一個もなかったの。ならさん本当に笑わないの。本当に。。!

そのせいで、この一か月間むだになっちゃったんですよお。。


「本当にそれについては考えたくないよ。。」

「でもでも、もしかしたら何かヒント見つかるかもじゃん。」


横でレイさんが励ますように笑顔で背中をたたいてきた。

なんで、レイさんはこんなにポジティブになれるんだろう。。


レイさんから視線をそらすように窓を見つめると、景色は町らしくない所だった。外は草でいっぱいで、さっきの家の周辺みたいな町の要素は一個も見つからない。なんというか草原のほうがあってる気がする。


「道、大丈夫かなあ。。」


独り言のようにボソッと呟やいた。

試験のことも出けど、無事に着けるかな。。それに、新しい魔女って怖いかなあ。。いじめられないかな。。というか、生きていけるかなあ。。



うう。。考えただけで、胃が痛いよお。。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「す、すごい。。」

「お化け屋敷みたいだね~。」



悍ましい建物の間でわたしとレイさんはあっけにとられていた。

建物はボロボロでところどころ穴が開いている。それを布で被せているのも余計に悍ましく見えちゃう。周りの木もすべて切られた、もしくは枯れている。どうすればこんなに植物が醜くなるのか聞きたくなっちゃう。もうすぐ春なのにどれも花を咲かせる様子はなかった。


「こ、こんなとこでこれからレイ達住むの。。?」

「うん。そうだよー。まあ、犬小屋じゃなくてよかったねー。」


あっけにとられているわたしたちとは違い、ならさんは手慣れた様子で建物の中に入っていってしまった。ならさん、やっぱおかしい。

キィィ。

ならさんが手にかけたドアが不快な音とともに開いた。もう、怖すぎる。

隣のレイさんもどこか涙目で屋敷を見つめていた。空は町のとは違い、雲で濁り切っていた。本当に怖い。人住めるのかなあ。。?


もうやだよおお。。引きこもりたいよお。。胃も痛いよお。。


でも、どんなに思ってもそんなことはもう叶わない。

寮に行くしか手がない。だって、王様の命令だから。行かなければ縄や炎、ギロチンでこの世界からおさらばしなきゃいけなくなっちゃうし。。


レイさんも覚悟を決めたのか、ならさんと一緒に屋敷に入っていってしまった。



すーはー。


わたしは大きく深呼吸をした。まだ冷たい空気がわたしの全身を通って、体を冷やす。


大丈夫。きっと、どうにかなる。はず。大丈夫。わたしはダメだから。大丈夫。気を付けて過ごせば大丈夫。もう、戻らないように。気を付けて過ごせれば。きっと。






もう道を踏み間違えないように。

もう呆れられないように。




よし。


まだどこか重い足を引きずりながら、わたしはならさんたちの後を追いかけるように扉へと向かった。




読んでくれてありがとうございます!


今回はちょっと短めになってしまったり、遅くなってしまったりしましたが新章突入です!

次回は寮での新しい魔女が登場する予定です!!楽しみにしててください!

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