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〈第十二話〉 作戦決行!







「ぐす。ぐす。ここどこお?」






真っ暗な森の中、まだ小さな女の子が泣いていた。女の子は茶色の髪をおさげにしていて、ちょっと古びた服を着ている。


カーカーカー


カラスの鳴き声が暗闇の中に響いた。周りの木たちがお化けのように見える。空は雲のせいでお月様が顔を隠してしまっていた。

今は真夜中。元々森には人が近寄らなかったからかもしれないが、森には人影が一つも見当たらない。


「みんなあ。。。どこにいるのお?」


茶色のおさげをぴょこぴょことはねながら、女の子が一歩づつ木の間を通り抜けていた。

しかし、いくら歩いても周りの景色は何一つ変わらなかった。ただただ同じ景色をずっと周っているみたいだ。


ガサッ


ふと女の子の後ろから、物音がした。

慌てて女の子が振り返ると、そこには見知らぬ二人のおじさんがいた。女の子が急いで逃げようとすると、違うおじさんが彼女を捕まえてしまった。


「嬢ちゃんが今日の子かな?」


背の高いおじさんが屈んで、女の子に優しく聞いてきた。手には小さめの蝋燭を持っていた。蝋燭が下から顔を照らしてしまったせいで、威圧感がとてもすごかい。まるで、地獄からの化け物みたいだった。


「お、おじさんだあれ?」

「あれ?君は知らされてないのかい?」


女の子が恐る恐る問いかけると、彼女を捕まえていたお腹の出てるおじさんが不思議そうに言ってきた。後ろにいたもう一人のひげのあるおじさんも、どことなく焦っているようにみえた。


「どうする?このまま、あそこに戻すか?」

「いやあ。でもあの子は今日も来るって言ってたし、言いそびれただけじゃないかい?」


女の子を挟みながら、おじさんたちは焦りながら話していた。女の子はお腹の出てるおじさんに抱えられながらも、静かに待っていた。少し話した後、女の子はゆっくりと不思議がるように問いかけた。


「もしかして、おじさんたちがゆーかいはん?」

「誘拐犯?そんなわけないじゃないか!」

「おい、大声出すんじゃないよ。」


背の高いおじさんが声を荒げながら言った。それを後ろにいたひげのおじさんがすぐになだめた。それをみたお腹が出てるおじさんは二人の間に入るように呼びかけた。


「ほら、さっさと帰るぞ。嬢ちゃんもしっかり掴まっとけよ。」

「。。。。そうするか。」


背の高いおじさんはどこか不満げな顔をしながら、先に歩き始めた。そのあとをひげのおじさんが小走りでついていく。女の子を抱えていたおじさんは、女の子をなだめるように優しそうに笑いかけた。


「ごめんな。お嬢ちゃん。あいつ、他の子にも誘拐犯って呼ばれたらしくて。落ち込んでるんだよ。」

「うん。だいじょーぶだよ。」


女の子はおじさんをまっすぐに見つめながら満面の笑みを浮かべた。


「だって、きょーみないもん。」

「は?」


ドンッ


おじさんの困惑した声をかき消すように、鈍い音が暗い森の中に響いた。


「おい、お前大丈夫か!?」


慌ててひげのおじさんが近づくと、地面にはさっきのおじさんが失神していた。頬には何かにぶつかったのか、赤紫色のあざが浮かび上がっている。抱きかかえられていたはずの女の子はおじさんの横で彼を見下していた。暗闇のせいで表情がよくみえない。


「嬢ちゃん、一体なにをしたんだ!!」


ひげのおじさんが女の子を責めるように叫ぶと、彼女はゆっくりと顔を上げた。背の高いおじさんはナニカを見てしまったのか、恐怖で真っ青になっていた。力が抜けてしまった手から蝋燭が落ちてしまい、炎が跡形もなく消えてしまった。雲がどこかへと動いてしまったのか、月光が蝋燭の代わりに彼女の顔を優しく照らしていた。


「残念。ぼくはおじょーちゃんじゃないよ。」


ドスッ


「や、やめろ!!」


ダンッ


女の子の声の後、もう二つ大きな肉を木で叩き潰すような鈍い音が森のなかを一瞬だけ埋め尽くした。


「ふー。これで、仕事かんりょー。」


女の子が汗を手で拭い取ると、そこにはもう女の子は消えていた。代わりにサヨナラの魔女、ならさんが立っていた。


「あ、あなたは。。まさか。。。魔女?」


言葉が途切れ途切れになりながらも、一人のおじさんが地べたから魔女に言った。

恐らく、当たりどころがそこまで悪くなかったみたい。


「そーだよ。ぼくの魔法を舐めないでほしいなー。」


そういいながら、魔女はじっとおじさんを見下した。彼を見つめる冷たい瞳はまるでガラス玉のようだった。

彼女の魔法は変身魔法。どんなものにでも変身できる魔法。弱点としては、実在しないものには変身できないところ。



「さてと、あとはキミたちを縛り上げるだけか。」









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











ドサッ



「ひ、ひゃあああああ!」



大きな物音とともにわたしは地面に叩きつけられていた。

痛いよお。。尻もちついたよお。。

わたしたちは、くりさんこと贈りの魔女の魔法によってならさんの元に瞬間移動したのだ。ちなみに瞬間移動できるのは、くりさんが知っている場所または人物のところ。その人がもし狭いところもしくは死んでいたらつかえないらしい。



「わあああ!」

「瞬間移動 成功だあ!」

「みんな気をつけてね〜!」


次々にみんなが地面に降り立つ。なんか、みんなちゃんと着地できてる。。

今は重要な作戦の途中。

女の子として変身したならさんが誘拐犯と会ったところに、わたしたちが瞬間移動でここまで来るという単純な作戦なんだけどね。わたしたちは恐らく誘拐犯がもっているであろう小さな光をみた瞬間に移動して、一緒に誘拐犯を捕まえる予定だったんだけど。。


「もー、おそいよー。ぼくひとりでたおしたよー。」

「ば、化物じゃないですかあ。。。」


なんと、ならさんは先に全員倒していたのだ。瞬間移動の魔法の欠点は時間がかかること。一分はかかってしまうらしい。

地面には恐らくならさんによって木か何かで殴られた男性が3人揃って紐で縛り上げられていた。


「さすが、さよさんね〜。」

「えっへん。こーみえて、こーゆーの得意だからね。」


ならさんが少し誇らしそうに自分の胸をぽんっと叩いた。

まあ、ならさんああみえて、殺しの依頼を受けてたみたいだし納得。。かな。。?


「それで、この人たちはどうするの?あれするの?えっと、あれあれ、チュウモン?」

「あ、もしかして質問ってこと?」


レイさんが悩んでいたら、横からくりさんが微笑みながら教えていた。

たぶん尋問のほうが正解だと思うけど、心のなかにしまっとこう。。


「とりあえず、白色の悪魔に預けたほうがいいかもしれませんね。」

「白色の悪魔?」

「純白さまのことだよー。」


まあ、確かに性格が悪そうな人だけど。。なんか、かわいそうだなあ。。


「ぼくも賛成かな。」

「あ、えっと、ボクもいい、と思うよ。」


ならさんが表情を一つも変えずにさらっと口にした。それに合わせてか、ルーチェさんも後ろから賛成していた。だけど、なんとなく何かを隠しているようにみえた。


「おい!私たちを見捨てるのか!?」


誘拐犯がギラギラした目でルーチェさんに問いかけた。

どういうこと?誘拐犯はルーチェさんを知ってるの?

ルーチェさんの顔を見ると、冷や汗をかきながら、口をモゴモゴ動かしていた。どこか落ち着きもない気がする。


「えーっと、その、あー、そんなことは。。。。」

「ちょ、どういうこと!?あんたも誘拐犯なの!?」


すかさず、いーちゃんがルーチェさんの胸ぐらを掴んだ。ならさんもくりさんも、ルーチェさんに疑いの目を向けていた。


「違う!!!そうだけど、そうじゃないから!!」


ルーチェさんはいーちゃんの言葉に対して頭を激しく左右に振った。

それでも、いーちゃんは手の力を弱めなかった。なんなら、今にでも殴り始めそうになっていた。


「この裏切り者!」

「だから、違うって!!これには、深い理由があるんだよ!」

「はいはい、ふたりとも一旦ストップだよー。」


ならさんが二人を半分に分けるように間に割って入っていった。

レイさんはそれでもルーチェさんの胸ぐらをつかむ手を緩めなかった。


「でも。。!」

「いーちゃん、まずは話聞こうよ。ね。」


わたしが慌ててレイさんを説得しようと声をかけたら、レイさんは不満げに手を離してくれた。自由にされたルーチェさんはヘナヘナになりながらへたり込んだ。


「し、死ぬかと思った。。力強すぎだろ。。」


か、かわいそう。。

わたしとくりさんが同情の目を向けている中、レイさんはまだ鋭く睨みつけていた。


「それよりも、早く説明してよ。」


レイさんの言葉を聞いて、ルーチェさんは顔をゆっくりと上げた。

きらきらだあ。

レイさんを見つめていた瞳は今まで見た中で一番輝いていた。まるで真っ暗な夜空に輝く一番星みたいに。




「絶対に俺いがいの奴らを責めるなよ?」









本当にごめんなさいm(_ _)m 更新が遅れてしまいました。。


これで残り一話です!今年中には投稿してみます!!

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