笑いすぎじゃない?
仏頂面のエレンの元に向かった。
「おはよう、エレン。」
エレンは、仏頂面から笑顔になりオレの袖をクイクイしながら、
「シュン〜。今日放課後デートしよ?ね♡」
と、甘えた声を出した。
「あぁ、うん。いいよ」
「やった♡じゃ、放課後教室に迎えにきてね♡遅かったら、許さないからね♡」
といい、教室へ戻っていった。
朝から元気だなぁ…。
オレは高二の後半ごろから、エレンと付き合っている。
キーンコーンカーンコーン
と、チャイムがなると同時に先生が、どこからともなく現れた。
「ほらほら、席についてない人は遅刻にするぞー」
と、急かす先生。
あー…、眠い。
昨日カワウソを徹夜で頑張ってみすぎて、寝不足です。
なぜ、オレはあんなにもカワウソ動画にハマってしまったのか…。
そりゃ現実逃避ですやん。
だってリナが…
…
いけません。
リナは、忘れよう…と、心にフタをしようとすると、またリナが鏡越しからこっちをみていた。
…
リナのやつめ…高三にもなって、そんなふざけたことを…
だから、オレはめっちゃ変顔してやった。
その予想外の顔にリナは、笑いが止まらなくなったようで、必死に声を殺して肩をふるわせた。
「おい、リナどうした?」
先生がリナを心配していた。
ある意味、オレも心配してやった。
「あの、リナさんお腹が痛いそうです。保健室連れて行きます」
と、名乗り出るオレ。
だれかこの中に、保健委員さんはいらっしゃいますかぁ?と、言われてないのに自主的にしゃしゃりでるオレ。
「行くぞ、リナ」
「うっ、うんっ」
リナは、教室を出るなりオレを優しくバシッと叩いた。
「もう、シュンのバカっ」
って。
「いや、勝手にそっちがオレに見惚れてきたんじゃん。わざわざ鏡使ってまでさ。」
「だって…今日の髪型かっこよかったんだもん」
…
それは普通に嬉しい。
「そりゃどうも」
「いえ、こちらこそ」
…
お互いカレカノがいる立場なので、ここで壁ドンからのイチャラブへの展開は、ない。
でも、そんなこと言われたら…
なら、オレと付き合おうって提案してしまう勢いだ。
…
無理だけど
「で、保健室行く?」
「行かないよ、笑いすぎて助けてくださいって保健の先生にいうの?」
「たしかにな。じゃ、校内ツアーでもすっか?」
「だね」
オレたちは、静かな校内を並んで歩いた。
「リナ、手繋いじゃう?」
「バカ」
そりゃ、バカって言われるの承知です。
だって、オレたちは…カレカノいますんでね。
エレンがみたら、激おこりだ。
それに、彼女いるのにほんとうに繋いだら、ヤバいやつだし。
冗談です。
「あ、ジュースのも?いくらある?」
リナの提案にのっかるオレ。
「おー、いいねぇ。えっとオレは…十円五枚ある」
「わたしもちょうど五枚だ。じゃ半分こしよ?」
…
「いいよ」
「どれにする?」
「じゃあさ、セーノで飲みたいやつ指さそうぜ」
「いいね、じゃセーノ‼︎」
…
「「すごー」」
オレもリナも同じものを指差した。
「オレから飲んでいい?口つけないように飲むから」
「うん、いいけど口つけて飲んでいいよ?こぼしたらヤバいし」
「そしたら、間接キスになんだろ」
「あー、そっか」
グビグビと飲んでリナに渡した。
「リナは、もう口つけて飲んでいいよ」
「うん。てか、ワイルドな飲み方だね」
「まぁな、練習した。」
「なんで?」
「あー、なんとなく」
「ふーん」
…
「そろそろ戻るか」
「だね」
ニンマァ
また変顔をしてやった。
「プッ、くくくくっ、もう、バカ‼︎」
「あはは、てかリナ笑いすぎ。」
「だって、面白すぎるんだよ」
パシッと、オレを叩くリナの優しい叩き方が、なんとも心地よいのは、リナには黙っておくことにした。
そんなこんなで、放課後。
オレは、エレンのクラスに向かった。
「エレン」
「あ〜、シュン♡むかえにきてくれたんだね。ありがとう♡」
…
いや、エレンが教室に迎えに来いっていったんやん…。
「じゃ、帰るか」
「うん♡」
手を繋いで学校をあとにした。
「ねぇ、シュン。今度の日曜日うちに来ない?」
「あー、日曜日はダメだ。用事ある」
「えー、つまんなぁい。じゃあ他の友達と遊ぶからいいもん」
「うん、そうして。」
そして日曜日
朝早くからリナがオレの部屋にやってきた。
続く。