やっと
放課後、リナはサキと少し話があるから先に帰っててと言うので、オレは先に帰宅して部屋を整えていた。
…
やっぱり、あのことをサキさんと相談してるんだろうなぁ…。
オレは男だから、リナは話しにくいよね…
オレがずけずけと聞いても大丈夫そうかな…?
リナからは、一向に話さなそうなんだよね。
やんわりそれとなくせめてみようか…
…
少しすると、オレの部屋のドアをコンコンと、軽快なリズムを刻んでいるかのような音がなった。
なんでそんなに楽しそうに…
ほんとは、悩んでいるだろうに。
「はいよー、どうぞーー。」
と、一応明るくオレも対応したけどさぁ。
で、最初から話を切り込むのは…ちとどうかと思うから、とりあえずゲームを楽しんだ。
そして、それぞれ目の前にあるジュースをごくりと飲んだんだけど…
リナは、先に飲み物を置いてオレに
「シュンって、わたしのこと好き?」
っていきなり聞いてきたんよ。
思わずゴフッて、吹き出したよね…。
そりゃ…好きだけどさ…
この前、みんながいる前で大切とかもいっちゃったけどさぁ…
いきなりのど直球すぎん?
でも、そっちの方がいいかもな。
「あぁ、好きだよ」
その言葉に、顔を赤らめるリナ。
そして…
「わたしも…実は、ずっと好きでした。でも、わたしを守るためにエレンと付き合ってくれてたんでしょ?それ聞いて、もっと好きになったよ。守ってくれてて、ありがとう。」
って、恥ずかしそうにリナが言うからオレは、覚悟を決めた。
「リナ、オレがお腹の子の父親になるよ」
そういうと、リナは…
「なに?」
と、いい固まった。
そりゃそうだよな。
いってもないのに、なんであんたがわたしの妊娠知ってるの?ってなるよね。
「ごめん…。あの話、オレうっかり聞こえちゃってたんだ。」
⁇なに⁇
な、顔のままリナは
「どのとき?そして何をどう聞いてどうなったの?」
と、不思議がっていた。
「だから…学校で、できちゃったって…サキさんの彼氏の子どもが。」
「……えっ⁉︎そうなの⁉︎サキ赤ちゃんできたの⁉︎」
…
「いや、サキさんじゃなくてリナができたんだよね?」
…
「え?わたしが…⁇サキの子どもを?」
「いや、リナがサキさんの彼氏のこを…みごもったんだよね?」
…
「いやいや、そんなわけ…」
…
話したくない…ってことかな?
そうだよね。
だってね…。
「まぁ…オレには言いにくいよね。でも、オレはいつでもリナの味方だし、二人を守る覚悟は、ある‼︎だから、いつでも相談してよ」
その言葉にリナは、後ろを向いた。
「えっ…?なに?二人って?」
と、キョロキョロした。
?
あれ?
「だって…あの…サキさんの彼氏がすごすぎて、できちゃったって…」
「えっ⁉︎あははは‼︎ヤバい…お腹…お腹痛いっ」
リナは、笑ったかと思えば…涙を流しながら、お腹が痛いとお腹を抱えた。
⁉︎
えっ⁉︎
「リナ、大丈夫かよ‼︎待ってろ。今、救急車を」
…
オレの手をガシッとつかむリナ。
「ちょっ…はやとちりもすぎるって。サキの彼氏がすごすぎたのは、サキ彼がバイト先でわたし達に、チョコソースモリモリがけしてくれて、それでニキビができちゃったってことだよ?ニキビと赤ちゃんって…くくく」
ええー⁉︎
なんだー、そっかぁ。
よかったぁ。
「ごめん。オレめっちゃ勘違いしてたわ」
「うん。でも、父親になる覚悟してくれるほどなんだってわかったよ。好き、大好き」
「うん。オレも大好きだよ」
「ねぇ、この前の肝試しリベンジする?」
「する‼︎しよう‼︎」
オレはリナを優しく抱きしめて、キスをした。
何度も何度も。
今までの時間を取り戻すかのように。
少し遠回りしたけど、そのおかげでもっと愛が深まった気がする。
おしまい♡