表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

教室

 オレは本日、日直だ。

 

 高校生の日直は、なかなかテキトーだ。

 

 中学のころは、もっときちんと書いている人が多かったのだが、今は…

 

 もう、交換日記的なノリで書いている人が多い。

 

 ちなみに昨日の日誌担当は、オレの前の席の幼馴染リナだ。

 

 メモの欄に、モーニングるんティーンと書かれてあった。

 

 まず朝呼吸

 目を開花

 また空気吸引

 そっとまぶたをとじる

 とあった。

 

 短いポエムにも見えるが…これは、ただの二度寝情報だ。

 

 オレは、次の日のメモ欄に何を書こうかなって思って、ふと思い出したのが隣の家のおじいさんと犬だった。

 

 

 なので、おじいさんと犬の絵を描いて提出した。

 

 さてと、帰るか。

 

 

 昇降口まで歩くと、幼馴染のリナが誰かを待っているようだった。

 

「だれか待ってんの?」

 

 オレの質問にリナは、

「うん、彼氏」

 と、サラッと言った。

 

 か、か、かっ…

 

 彼氏⁉︎

 

 えっ⁉︎彼氏だと⁉︎

 

「リナ…彼氏いたのかよ⁉︎」

「…うん。」

 

 

 …

 

 知らんかった…。

 

 リナに彼氏がいたなんて…

 

 

「おっ、お待たせ〜」

 

 …現れたのは、担任だった。

 

 えっ⁇

 

 先生って…結婚してるよね⁇

 

 

「はい、これプリントね」

 

 渡されていたのは、ただの明日提出の面談希望日の用紙だった…。

 

 

 …

 

 そうか。

 

 担任の名前…枯芝かれしばっていうから、略して彼氏か…

 

 いや、カレシ?かれし?

 

 まぁ、どっちでもいいか。

 

 先生とリナのやりとりを、そっと隣で静かに見守っていると、先生が

「三人とも、気をつけて帰れよー」

 と、笑顔でオレたちを見送った。

 

 

 ⁉︎

 

 さ、三人だと⁉︎

 

 慌てて振り向くと…

 

 いた…

 

 オレたちの後ろにもう一人…そこにいたのは…

 

 学年一のイケメンチャラ男くん…

 

 

 えっ⁉︎

 

 もしかして…リナの彼氏って…

 

 

「さて、リナ姫♡帰ろっか」

「うん」

 

 …

 

 なんなんだ⁇

 

 これは…夢⁇

 

 じゃないっぽいな。

 

 

 リナは、チャラ男くんと仲良く靴を履いていた。

 

 

「じゃあね、シュン」

 と、手を振るリナとチャラ男くん…

 

「あー、また明日ー」

 

 と、夕日とともに二人を見送った。

 

 

「ねぇ、リナたん♡チューしよ?」

「それは、ない」

 

 …

 

 

 二人の会話が濃厚ミルクチョコみたいだったので、オレは二人と別ルートで下校した。

 

 リナに彼氏ができたなんて、オレは聞いていない。

 

 いや、そもそも…

 

 彼氏できたら報告する義務もリナには、ないけど…

 

 でも…

 

 でもさぁ…

 

 リナ昨日までオレの部屋で、一緒にゲームしてたやん?

 

 いつから付き合ってんだよ⁉︎

 

 オレ、リナのこと……

 

 部屋でいつも、いい感じだったやん⁉︎

 

 ボディタッチだってしてたやん⁉︎

 

 あれは夢だったんかな…?

 

 てかさ、リナたんって…チャラ男くんいってましたね…?

 

 チューしよ?って言ってましたね⁇

 

 いつもしてるん?

 

 リナは、冷めた感じだったけど…あれは校内だから、クールにしていただけ⁇

 

 

 今…は、どうなんだ⁇

 

 学校でたら…やっぱり…リナとチャラ男くんは、濃厚なミルクチョコなみの…

 

 

 …

 

 いやいや…

 

 ブラックチョコみたいなキスしとけよ。

 

 そうだよ。

 

 チャラ男くんのキスは、ブラックチョコでいいんよ。

 

 意味わからんが、それくらいのレベルであれ‼︎

 

 と、意味のわからない呪いをおくった。

 

 …

 

 ただの日直から、幼馴染にいきなりフラれた人に早変わりなオレ。

 

 

 あーあ、オレってかわいそ。

 

 かわうそ?

 

 カワウソ?

 

 …

 

 あいにくカワウソみたいにオレは、かわいくねーんだわ。

 

 あのくらい可愛かったら、リナはオレを好いてくれたかな…?

 

 でも、好いてくれたところでオレは…

 

 …

 

 そもそも、カワウソと人間が恋に落ちんのかよ⁉︎

 

 

 くだらねーぜ。

 

 と、思いつつカワウソの動画にハマるオレ。

 

 かわよ♡

 

 カワウソめっちゃかわよ♡

 

 おめめがキュルルンなんよね♡

 

 って、オレがカワウソに恋しそうになってたわ。

 

 

 はぁ…

 

 

 人は、突然フラれると動物に恋焦がれてしまうんか。

 

 落ち込んだり、カワウソに恋したりハードデイな一日でした。

 

 そもそも…リナが彼氏なんて…

 

 

 いや、そこはもう忘れよう。

 

 リナ自体を忘れよう。

 

 ということで、その日はカワウソ動物をみて寝落ちしました。

 

 

 

 次の日、起きたらカワウソになってた。

 

 ってのは、ウソ。

 

 くくくって、笑ってみたものの…

 

 つまらん。

 

 

 

 つまらんまま、学校へと向かった。

 

 

 今日は、つまらんからカワウソヘアーにしてみた。

 

 

 どんなんよ?って思いますよね。

 

 まぁ、ただ前髪アレンジしただけなんですけどね。

 

 

 カワウソヘアーって…そもそもがわからんから、テキトーにほざいてしまった始末でございます。

 

 すみません。と、心でカワウソ先輩に平謝り。

 

 で、教室についたから着陸した。

 

 いや、着席したんですよ。

 

 そしたら…だれかがこっちみてる⁉︎

 

 んっ⁉︎って、みると…

 

 前の席の幼馴染リナが、前を向いているのに後ろの席のオレをガン見しているじゃないかっ‼︎

 あ、頭に目は、ないよ。

 

 じゃあ、どうやってって…

 リナは、鏡を使ってこっちをガン見していた。

 

 なにやってんだか…

 

 オレは思わず笑ったよね。

 

 そしたら、リナも笑った。

 

 で、鏡をそっと胸ポケに入れて

 

「おはよ!」

 って言ったんよ。

 

 

 笑顔で…

 

 

 いや、なにしてんだよ⁉︎

 

 そんな笑顔すんなって‼︎

 

 オレにそんなキラキラ笑顔すんなって思いましたよね。

 

 かわいすぎて、抱きしめたろか?ってなるやつ…。

 

 

 ほんと、やめていただきたい。

 

 と、心でこんがんしておりましたら…

 

「あ、シュン…廊下に彼女きてるよ」

 って、リナに言われました。

 

 

 …

 

 

 ほんとだ…

 

 エレンが仏頂面で立ってますね。

 

 

 …

 

 

 エレンとは、オレの彼女なんです。

 

 仕方ない…

 

 いきますか。

 

 

 

 

 続く。

 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ