貴族はやせ我慢
パーティ当日。
「辛すぎる……」
こんなの耐えられない。
朝イチで湯浴みをし全身オイルマッサージを受け、髪の手入れをしてまた湯浴み。
軽食という名のサラダのみを食べ、手足の爪の手入れをしてまた湯浴み。
そして、先日夫人の選んだドレスは少しの手直しで私サイズになっている。
そのドレスを身につけ髪をセットし化粧を施し宝石を身につけ漸く完成。
朝から支度が始まり気付けば日が傾き始めている。
もうすぐ公爵邸へ向かう時間になっていた。
社交パーティーって優雅なものってイメージだけど、そこに行き着くまでにかなりの労力が必要たということを体験してみて気が付く。
誰かが言っていた気がする。
『お洒落は我慢』
確かにそうだった。
お腹空いたかもとは思ったが、コルセットに締め付けられ空腹も何処かへ行ってしまった。
もし、確り食べていたら大変なことになっていただろう。
パーティーに参加する人達全員がこのように苦労していると思うと貴族のやせ我慢恐るべしや。
貴族のパーティーなんて優雅なイメージでしかないが、完全に侮っていた。
「私パーティ乗り切れるかな? 」
この状態で馬車とか試練でしかない。




