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三人の処遇

 翌日から荷物を纏めていると王宮騎士が訪れ、攻略対象三人とヒロインについての報告があった。


「この度、令嬢とパトリック・ブルーム・シュタイン王子の婚約は白紙となりました」


 あのようなことがあったのだ、婚約を継続する方が難しい。


「そうですか」


「王子は謹慎後王都追放、イーリアス・ゴートンは婚約解消し公爵家の跡継ぎから除外、トラウデン・シャガールも婚約解消後貴族籍を抜き平民と決定。そして、マーベル・マヤウェは国外追放となりました」


 彼らもまたゲームとは全く違う結果を辿っている。

 本来彼ら四人に処罰などは無い。

 彼ら四人が主役のゲームなので恋愛においてバッドエンドは存在するが、罰が下る設定は無かった。

 騎士は彼らの処遇を伝え終えると、私が王都を去るのを確認せずに王宮に戻って行った。

 王子との婚約が白紙になり王都追放となった私に貴族としての価値がなくなり、監視する価値もなくなったのだろう。


「お嬢様、手紙が届いております」


 釈然としないでいる私に手紙が届く。


「手紙? 」


 悪役令嬢アンジェリーナに手紙を寄越すような人は誰だろうか? 

 ゲームに登場した人物なのか、ゲームにはほぼ登場しない裏側の人物なのか……

 悪役令嬢のアンジェリーナに『取り巻き』は存在せず、常に自分の常識によって行動している。

 他人に考えを押し付けるようなことはなく命令もしない。

 言葉は厳しいがヒロインに対して間違った事は言っていない。

 悪役にしては、清々しいと感じていた。

 だったからか、結構好きなキャラだった。

 渡された手紙の封を開けるとふんわりと花の香りがし、気分が良くなる。手紙の内容はというと……


「卒業パーティーで相手の不貞が公になった為、この度婚約を解消する運びとなりました。令嬢にだけは報告を致したく手紙を送らせていただきました」


 手紙の最後には相手の名前が記されていたが、私には相手の顔もアンジェリーナとの関係性も分からなかった。


「……誰? 」


 私の言葉に優秀な使用人が令嬢の婚約解消した相手がイーリアス・ゴードンという情報を教えてくれた。


「イーリアス・ゴートンの婚約者……」


 そうなってくると、この手紙の意味を深読みしてしまう。

 私の『道連れ劇場』は、私の想像していなかった人まで道連れにしてしまったのを今さらながら理解した。


「私……復讐される? 」

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