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アンドリュー・カストレータ

 <アンドリュー・カストレータ>


 予感はあったが、アンジェリーナはサーチベール国の第四王子と婚約した。

 私の愛しいリーナを他人の手に託すのは正直不愉快だが、王族と婚約したことで「王都追放」が撤回されリーナの名誉は回復された。

 それは、私がどう頑張ってもできなかったことだろう……

 ずっと、大切に思いこれからは一緒にいられると思っていた。


 リーナには申し訳ないが、「王都追放」となった令嬢にまともな婚約はない。

 私と父はリーナが不幸になるような婚約も婚姻も認めない。

 なので、ずっと一緒にいられると喜んでいた。

 隣国に一緒に訪れ、次第に昔のように接することが出来て嬉しかった。

 これから、離れていた時間を取り戻せると思っていた……思っていたのに……


「あの女に全てを奪われた」


 あれを処分しておけば、紅茶に触れることなくリーナとシュタイン国に戻るはずだった。

 正義感が強く聡明で優しいリーナは、「アヘン」という犯罪を見過ごせなかったのだろう。

 その後も令嬢をカストレータ家の領地で療養させ責任もって回復させた。 

 立派に成長したリーナを誇りに思うも、シュタイン国の王族に目を付けられてしまったのには不安を覚えていた。


「リーナは私のだ、誰にも渡さない」


 そんな風に宣言できれば……

 だが、私とリーナは血が繋がった兄妹。

 許されない関係だ。


「ごめんな、リーナ……心から婚約を祝えないこんな不純な兄で……」


 これからちゃんと二人の幸せを願えるようになるから……

 時間が掛かっても「おめでとう」と祝えるように頑張るから……

 こんな不純な兄を嫌いにならないでくれ……

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