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 <アンジェリーナ・カストレータ>


「家出とされていた令嬢・令息は保護し療養施設に隔離。主犯と思われる第二王子とドレスト伯爵を逮捕し取り調べ中。ドレスト伯爵夫人と弟のテネイサムは逃亡を図るも、森の中で首を吊った遺体として発見。夫人の姿は確認したが、テネイサムの方は枝が折れ野犬に食い散らかされていたので判別は出来なかったが、衣類ややせ細った体形からしてテネイサムと判断。エーバンキール国に留学中のウィリアルも既に寮はもぬけの殻、捜索を開始している。ドレスト伯爵の養女となったマデリーンは伯爵と共に逮捕され、伯爵達の計画をどの程度知っていたのか確認中」


 アンドリューがアビゲイルから事件の報告書を読み上げる。


「ドレスト伯爵と第二王子が……」


 お父様は関係ないと信じていたが、悪役令嬢のアンジェリーナとしては不安だった。犯人が逮捕されるまではいつか私のところに騎士が大勢現れるのではないかと夢に見る程。

 アンドリューやアビゲイルと事件について話すも、私の立場は何なのか分からずにいた。伯爵と第二王子二人が怪しいと思いながら、この世界を知るマデリーンの存在が怖かった。

 また私が犯人にされるんじゃないかと……


「これから二人の関係性や目的も明らかになるだろう」


「そう……ですね。このことはお二人にも伝えた方がいいですよね? 」


「あぁ、問題ないだろう」


 それから私はアンドリュー抜きでエメラインとアイリーンの三人で、アヘンの事や令嬢や令息が行方不明となっていた事件を伝えた。茶葉にアヘンが混入しサーチベール国にアヘンが色んな形で蔓延していたのは話していたが、二人には回復に専念してもらうために貴族の失踪については話していなかった。


「そんなことが起きていたのですか? 」


 信じられないと言ったアイリーンの様子。


「……もしかして、私達も……」


 エメラインは自身が置かれていた状況を推測し今後起こりうる事を予測していた。


「実際のところ分かりませんが、アヘンと失踪は関係しています」


 二人は自身がどのような事件に巻き込まれていたのかを知り震えていた。

 私はまだ、令嬢達が発見された場所が娼館である事を告げていない……二人の様子で告げる必要はないと判断し伝えなかった。

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