1/9
Prologue〜いつかの未来〜
「ねえ、今幸せ?」
彼女が振り返り尋ねてくる。
「幸せだよ」
お前のおかげでな。
声には出さない。
きっと伝わっているから。
「そっちは幸せか?」
「もちろん! 君と一緒ならいつでも!」
恥ずかしげもなく可愛らしい笑顔を見せる。
その笑顔に自分の顔が熱くなるのを感じる。
「そうかよ」
「うん! そうだよ。ふふっ」
照れ隠しにぶっきらぼうに答える。
そんなことお見通しの彼女は楽しそうにさらに笑った。
あの頃はこんなふうに笑い合えるなんて考えもしなかったよな。
2人で色々なことがあって
2人で色々なことを乗り越えて
きっと2人だからここまで来れた
始まりはそうあの最悪な出会いからだ