表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/455

96話

 その日は朝から、ギルド周辺に変な雰囲気が漂っていた。

 それでも、言葉にならない違和感を感じるくらいで、せっかくの土曜日、みんな揃ってダンジョンに入れるこの日を、逃す訳にはいかない。


 3階層での活動も安定してきたので、『ゴブリンの集落』はセオリーに従ってスルーして、4階層の入り口まで確認してきた。


 この日の討伐数は、僕たちには過去最高の数を狩る事が出来た。にもかかわらず、ドロップの方も過去最高の渋さだった。

 ゴブリンにアイテムを持ち逃げされた訳でもないのに、信じられないドロップの少なさだ。


「なんなのだ・・・、これは?」


「ミラ落ち着いて、編集のしかた次第では、前回の物を超えられるかもしれないよ!」


「このドロップでか?」


「このドロップ運だからこそだよ!」


 うん、僕も遥君に同意だ。

 これほどひどいドロップ運は、ある意味すごい。

 だから、上手くやれば、見てもらえるかもしれない。


 僕としては、正直辛いけどね・・・。

 でも、人の不幸って結構笑えるんだよね。


 僕は、遥君のプロ根性に脱帽だよ。


 こんな日もあるよ!とかみんなを励ますかと思いきや。

 これは、笑いが取れるって、すごすぎるでしょう?


「もう、今日は帰ろう・・・。」


「そうですねぇ。」


 エミリアやソフィアですら、このテンションだ。

 ミラさえ納得してくれれば、僕は帰る一択なんだけどね。

 せっかく撮影してくれているから、僕も丸投げしてる立場としては、協力せざるを得ない。


 なんと、遥君はミラに、2人の撃沈してる様子を撮らせた。2人は気がついていない、仕方ないので僕も、体育座りで遥君の期待に応えた。


 ミラの、地面に突っ伏す姿には敵わないけど、絶望感がしっかりと伝わると思う。

 まあ、半分は演技じゃないしね・・・。


 遥君の仰向けに寝転ぶ姿も見事だった、もう、目が死んでたね。

 ミラと遥君の姿がインパクトがあり過ぎて、僕らは皆さんの記憶には残らないかもしれない。


 君たちも、演技じゃないんだね・・・。




 この日、僕らにしては、早めにダンジョンを出る事になった。

 続けられなかったんだよ、・・・精神的に。


「今度こそはと思ったのにぃ・・・。」


「仕方ないよミラ、7階層遠征部隊の入場映像には勝てないって。」


「そんなのが上位に幾つもランクインしてるんだぞ!?あれがなかったら、もう10位は上にいたはずだ!!」


 うん、僕らの投稿は結構頑張ったと思う。沢山の人に見てもらえて、週間、日間、ダンジョンの部門で100位入りを果たしたし、応援メッセージなんかも頂いた。


 だけど、先週は一大イベントがあったんだ。それが、7階層遠征部隊のダンジョン入場だ。

 日本の『インペリアル・ブシドー』は世界的にも有名だし、それが、公然と姿を現す数少ないチャンスなんだ。当然各国はこれに注目する。

 だから、先週上位を狙いたければ、これを撮影して投稿するのが正解。


「せめて、学校のある時間でなければ!私もコネをフルに使って撮影したのに!!」


「ミラ、さすがにそれはちょっと・・・。」


 ミラの負けず嫌いが炸裂している。

 時間さえ合えば、自分もその手を使ったと、なりふり構わないほどの負けず嫌いだ。

 短い付き合いだけど、まさかこれほどとは思わなかった。



 そこから、ダンジョンから出た僕は、違和感を確固たるものだと感じ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ