91話
僕は、久しぶりにスキル特集のサイトをチェックしていた。
それというのも、先日みんなで見に行った『ゴブリンの集落』が、思った以上にすごくて、何とかあれに潜り込む事は出来ないかと、考えたからだ。
普通に考えれば無謀だろう、Lvが足りない、だけど僕には【支援魔法】がある。過信は危険だけど、これにはLv4つ分の価値がある、そこはきちんと把握しておくべき所だ。
そんな都合良く、新たスキルが生えない事は分かっている。
だけど、期待をするなというのも無理な話だ。
だったら、調べるだけ調べてみるよ。
「・・・潜伏、・・・潜入、後ありそうなのは・・・。気配遮断とかかな?」
おおっ!
スキル外スキル・・・。
うん、そんな言葉、ゲーマーの間でも使われてたよね。
いわゆる、プレイヤースキルってやつだ。
どうやら、問い合わせが多いものは、こうして親切に載せてくれてるみたいだ・・・。
サイトの管理人さん、感謝します。
「完全に技能の話だね・・・、他のは・・・、スキル『魔眼』・・・、また、厨二くさいのが出て来たな〜・・・。」
強いのか?
ん?パッシブとアクティブのスキルを確認!?
何だ、1つ2役じゃないのか、別のスキルで同じ名前って訳ね、アホくさ。
「ノルウェーの歌姫無事帰還・・・、おお、やったな・・・。」
歌の支援スキルを持った、ノルウェー人女性だったはずだ。
誘拐されて、47時間の拘束の後、無事生還を果たした。
心身ともに休息を必要とし、しばらくの休業を宣言した・・・と。
やっぱり、未だに支援スキル持ちは狙われるな。
僕らも注意しないとな。
「・・・と、スキル情報、スキル情報・・・。」
デバフ系、幻覚魔法、暗闇魔法、毒魔法、麻痺魔法・・・。
・・・『ゴブリンの集落』に入るのに、役にたつのか?無駄ではない、だけど、潜入に向いてるスキルかっていうと、どうなんだろう?
デバフ系の魔法は神経系に、魔法が直接作用しているのではないか?
研究結果は、今は要らないな。
どうせ、回避出来る訳じゃないし。
あの族長みたいなゴブリンと、その取り巻き連中に、今の僕の剣が届くのかどうかが知りたい。
あの取り巻き、おそらく、『ホブゴブリン』とか言われる奴らだ。
ゲームでは、雑魚として登場するモンスターなのに、今の世界では強敵扱いされているモンスターだ。
それともう一つ、『ゴブリン・メイジ』だ。あれがミラと同等の魔法使いだとしたら、これ以上のダンジョン探索は危険だ。正直、命がいくつあっても足りない。
何しろ、あいつらはこの先の階層で、普通に出て来る事が情報で分かっている。
出現する階層が断定されていないのは、モンスターが階層を跨いで来る可能性を考慮しての事だ。
何しろ、放っておくとダンジョンから出て来るのだ。ならば、他の階層に居ても何ら不思議はない、その為、階層の断定は避けているんだ。
これも、良し悪し何だけどね。
信じ切れば、イレギュラーが起きた時に対処出来ない。そのまま受け取れば、怖くて次の階層には進めない。まさにジレンマって感じだ。
明日なら遥君は、別行動だ。
エミリアたちも語学の勉強で、ダンジョンには入れない。
僕は久々のフリーだ。
カナダの配信系パーティーが、散々煽っておいて、5階層の『ゴブリンの集落』に挑んで音信不通になった。
数パーティー集めたはずなのに、その後の経過が一切投稿されて来ない。
生配信じゃないから、断定は出来ないけど・・・、全滅したのだろうと言われている。
パーティーを巻き込むのは本意じゃない、それに、僕1人ならば逃げ切る自信もある。
次の機会が、いつ来るか分からない。
これまでの僕は、そういった機会を、気づいていながら見逃してきた・・・。
臆病だからだ。
僕は、明日、1人で『ゴブリンの集落』に、ちょっかいをかける事に決めた。
狙うは『ゴブリン・メイジ』、とりあえず此奴からだ。




