80話
「以上3点で、192万円になります。」
は?192万円!?
こんな怪しげな物が!?
「ふむ、結構いったな。内訳を聞かせてくれ。」
「はい!かしこまりました。まず『呪いの指先』が160万円です、こちらはゴブリンシャーマンなどが落とすと言われていますが、レア度が高い上に利用価値も高いのでこのお値段になってます、デバフの使える方がもう少し多ければ、もっとお値段がつくかもしれませんね!次に『骨の指輪』です、こちらは31万円になります。性能の割に、見た目で損をしてる商品になりますね。最後に『骨のヘルム』ですね、1万円です。DEF:1ならヘルメットで事足ります、なので、どうしても、MDEF:1が欲しい人のための装備になりますね。正直、これが値上がる可能性はありません、廃品扱いになる前に処分する事をオススメします。」
この人ぶっちゃけるな〜。
いつものお姉さんじゃないけど、ギルドのお姉さん方はなかなかのツワモノ揃いだね。
ミラたちは気にしてないようだけど、僕なんか気圧されっぱなしだよ。
「如何なさいますか?もちろん、1品だけでも構いませんよ?」
「妥当なところだな、理由まで教えてくれて助かった、ありがとう。幸太どうする?私は、売ってしまってもいいと思うのだが?」
「え、うん、そうだね。じゃあ、買い取りをお願いします。」
「かしこまりました!」
ミラが堂々と話してたから、お姉さんはきっとミラがリーダーだと思っただろうに。
僕が答えても、表情1つ変えずに対応してくれた。
すごい、プロ意識だ。
僕じゃあ、絶対に無理!!
僕たちはカードを出して、入金してもらう。
うちのパーティー用分割で、勝手に割られる。うちは僕だけLvが上だから、2:1:1:1だ、遥君が来ても1の予定だ。
僕は等分で良いって言ったんだけどね、Lvが追いつくまではって聞かないんだ。
カードが返却されて、作業が終わったところで、ソフィアがお姉さんに声をかける。
「あの、ちなみになんですけど、この鎧って幾らか分かりますか?」
「そちらは、『青の甲冑』でよろしかったでしょうか?」
「はい。」
「完品ですか?」
「はい、全部揃っています。あの脱いだ方が良いですか?」
「いえ!お値段をお知りになりたいだけなのですよね?販売の意思がある訳ではないのでしょう?」
「はい。」
「それならば、結構です。直ぐに調べますね!」
お姉さんは、タカタカッとパソコンを操作している。
それにしても、ソフィアはどうしたのだろうか?甲冑の値段なんて聞いて。
「はい、お待たせしました。『青の甲冑』バラですと全部で580万円、完品ですと680万円になります!甲冑シリーズ人気の青ですからね、ダンジョン出現の当初よりも値下がりましたけど、今でも根強い人気ぶりですね〜。」
「・・・680万円・・・。」
「ソフィア気にするな、見ろ、エミリアだって幸太だって、全く気にしてないぞ。」
「ん?」
「え?何?」
ミラに話をふられて、僕とエミリアは何事かと訝しんでいる。
ああ、ソフィアは、自分の装備を買い取ろうとしてたのか。だけど、安い物じゃないしね、仕方ないよ。
軍の装備みたいな物だ。確か個人に与えられる物じゃない。
「ソフィア気にしなくていい、パーティーの装備だから。」
「そうだぞソフィア、気にするな。そんな顔をしてても、誰も喜ばないぞ。」
エミリア、そんな顔ってどんな顔?
ヘルム装着してますよ?僕には一切、ソフィアの表情なんてわかりませんけど!?
うん、100歩譲って、俯いてたのは僕にも分かるんだ。ヘルムのスリットめっちゃ小さいですよ?エミリア見えるの!?心の目と書いて心眼!?エミリア、スキル習得したの!?
もちろん、違った。
友達らしい慰めの言葉だった。
ごめん、僕には本気で分からなかった。
「そうですね!じゃあ、指輪を見に行きましょう!」
ソフィアが元気になっても、不安になる僕。
ショップに移動するなか、僕はこっそりとミラとやり取りをする。
(「どうするのミラ!」)
(「大丈夫だ!すでに売れているのは確認済みだ!」)
さすがにミラだ、頼りになるな!
(「どういう指輪だったの?」)
(「大阪ダンジョンでそれなりに取れる、今、恋人同士に人気の『銀の指輪』だ。」)
(「DEF:1、MDEF:1のあれ?確か50万円くらいじゃなかった?」)
(「『骨の指輪』と比べるなよ?見た目も大事なんだよ!!」)
性能は劣るのに、金額が1.5倍もする事に、僕は何か納得のいかない気分になった。
だけど、恋人に『骨の指輪』を贈ったら・・・、即破局だよね。
「よう、幸太!久しぶりだな!」
ショップの入り口で、遥君を含め、武藤君たちに出会った。
武藤君たちは、別にイベントを起こしません!
状況説明に人が欲しかったんだよ!!
都築さんを便利使いし過ぎかなっと思って、たまには別の人を出してみました。
忘れている人もいると思うので、クラスメイトですよー!!猪木風味




