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71話

 久々に見たソフィアは、全身甲冑だった。


 うん、装備だしね。着用してから合流するよね、でも、何度見ても目立ちまくってるよ。

 レザーブレストくらいなら、着けてる人もいるけど、全身甲冑だからね。


 でも、ソフィアはまったく気にしないんだ。注目される事に慣れてるんだろうね。


「どうです?似合いますか?」


 ヘルムまで被ってるのに、似合うって言った方がいいのだろうか?

 本当に困る質問なんだけど・・・。


「まあ、完璧?」


 どっから見ても、重装歩兵だという意味でね。


 ソフィアは、拳を握って満足そうだ。

 ちょっと天然なところがある。


「見ろ幸太!」


 今度はエミリアだ。

 満面の笑みで、手にした槍を見せてくる。


「新調したの?」


「ああ!大阪のダンジョンで出たやつだって言ってた。」


「あそこは、コボルトが弓や槍を出すって話だったね。」


「エミリアはギルドのショップでこれを見つけて、即購入したんだ。止める暇もなかった・・・。」


 ミラ、頑張って・・・。

 でも、戦の基本は弓と槍って言うし、良い買い物をしたのかもしれない。


「特に攻撃力がすごいんだ!12だぞ、12!」


 ゴブリン・ナイフが7な事を思うと、破格の威力だ。

 だけど、素人が槍に慣れるまでに、どれほどの時間がかかる事やら。


 ちなみに、昨日、僕や遥君がショップで見た『小鬼丸こきまる』は、16〜20もの攻撃力を有していた。

 ダンジョン産の謎な武器を除けば、世界最高峰の威力だ。

 まあ、お値段も、ね?


「ミラ、ソフィアもなんか新調したの?変わってないように見えるんだけど。」


「いや、変わっていない。」


 じゃあなんで、似合うかどうか聞いて来たんだよ・・・。

 意味不明だ・・・。


「ソフィアは、インナーやアクセサリーで強化する事を狙ってるらしい。出物のアクセサリーがないか、ショップを良く見てるよ。」


 そうなのか。


「遥の事はソフィアには話したの?」


「ああ、お前から話すより、私から話しておいた方が良いと思ってな。よけいな事だったか?」


「いや、ありがとう、助かるよ。」




 久々に4人での探索だ、2階層を動きや連携などを確認しながら流す。

 お互いの立ち位置、攻撃のタイミング、処理の仕方など、細く、気になる部分の意見を交換し合い、調整していく。

 負担が誰かに集中すると、その分危険だし、Lvもその人だけ上がりやすい。

 Lvに差が出来始めると、なかなか修正がしずらいのだそうだ。


 すでにLv差があるうちのパーティーでは、それは致命的な事になりかねない。

 なので、細心の注意を払って組み立てていく。


 それでも、エミリアが槍を振り回し、ソフィアに当たるというアクシデントを起こした。


 パーティーの連携は本当に大事な事なんだ。

 まあ、エミリアはそれ以前に、槍の使い方を学んだ方が良いとも思うけどね。



 1列目が右から僕、ソフィアで、エミリアは1.5列目に配置して。2列目にミラを置いた形でいく事にした。

 ソフィアとエミリアは、盾と矛の関係で連携出来れば、隙のない攻撃が出来ると思うし。冷静なミラが後ろから遠距離攻撃と索敵、指示など出してくれれば、パーティーとしても安定する。


 3階層に行く準備が、整ったと思ってもいいだろうか?

 エミリアの槍さばきと、ミラのMP不足に僅かな不安が残るところだ。

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― 新着の感想 ―
よくあるRPG物だと魔法使いは防御力が低いので、バックアタック警戒で真ん中に配置する傾向がありますね
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