56話
鑑定室が空くのを、遥君と2人で待っていた。
「幸太君、鑑定室空いたわよ〜、どうぞ〜。」
「はーい。」
お姉さんが、入室許可を出してくれる。
それにしても、藤川で予約して幸太で呼ばれてるのは、どうかと思うんですけど。
一応、サービス業ですよね?
下手すると、お役所ってやつなのではないでしょうか?
お姉さんがクビにならないか、僕は心配です。
「行こう遥君。」
「う、うん!」
間が空いて、緊張感が戻ってしまったみたいだ。
「リラックス、リラックス。」
「そ、そうだね。」
リラックスなんて言われて、リラックス出来るとは僕も思っていない。少なくとも、僕の経験上ではそうだ。だけど、他人が見ている、見てくれていると感じられれば、虚勢であっても何とかなるものだ。
僕らは、2人で鑑定室に入った。
「大丈夫だと思うけど、一応ね、ここもギルド内だから、スキルやステータスの話はしない事、いいね。個室だからとか、勘違いすると、情報を抜かれちゃうからね。」
「りょ、了解。」
「じゃあ、始めよう。」
外ですでに踊ってから来た。
今の遥君は、ステータスのどこかの値が上がっているはずだ。
緊張した面持ちで遥君が鑑定している。
「うん、確認出来た。」
「ダメだね、確認出来ない。」
この時点で、遥君にはバフがかかっていて、僕にはかかっていなかった。
もう一度踊ると、どうなるのか、これを今から検証する。
遥君が、1人では恥ずかしいと言うので、僕も付き合う事にする。
覚えやすい踊りを選曲してある。どうせたったの10秒だ。
スマホで音楽を流して、曲に合わせて踊る。
「「UFO!」」
・・・マジか。
「確認出来たよ!」
遥君は、2つのステータス値が上がっているのが、確認出来たらしい。
細かく喋るとバレるかもしれないから、話すのは最低限度にしている。
「そっか、次に行こう。」
「オッケー!」
遥君がテンションを上げている。
踊ってテンションが上がるとか、彼は生っ粋のエンターテイナーなのではないだろうか?
再び音楽を流して、2人で踊る。
「久々過ぎて、間違えた。でも、結構覚えてるもんだね。」
「パプリカが流行ったのは、かなり前だからね!仕方ないよ!」
むしろ、なぜ、別の曲を選んだのか、僕は聞きたい。
同じ曲で良くない?それとも、踊りで効果が変わると思ってるの?
「あっ!変わった!」
「了解。僕もせっかくだから、鑑定してから出よう。」
何が変わったのか、気になる所ではあるけど。
出来るだけ不自然に見えないように、自分のステータスも確認する。
やっぱりか・・・、これは、すごい事になるぞ。
確認したい事は終わった。
さあ、家に帰って遥君と情報を共有しよう。




