54話
短いです。
僕は、自分の発想を遥君に説明して、同意、了承を得るとともに、必要事項を確認した。
まず必要なのは、機材だ。
だけど、これは最悪スマホでも代用可能だ。バッテリーと、録画容量だけは、こまめにチェックしなければならない。
何しろ、ダンジョン内は通信不能だ、スマホの内蔵メモリーだけが頼りだ。
最悪、毎回バックアップをとって、メモリーを消去しなければならない。正直手間だ。
編集は声だけ入れて、素人投稿ですって言っておけば、適当に流してもらえるはずだ。
見てもらえないのは、少し寂しいけど、目的を忘れてはいけない。
目的は、彼の安全と、スキルの使用にある。
安全を優先するなら、スキルを使用しないって手も、ある事にはある。
だけど、それなら彼は、わざわざ僕の所に相談しには来なかったはずだ。だって、ただ黙っていればいい。それで解決だ。
でも、彼は来た。
自分の意思で。スキルを使用して、なお、危険をかい潜る、そんな道を求めているはずだ。
それと、スキルの正確な情報だ。
せっかくスキルを使用するのに、意味のないものにする訳にはいかない、活用してこそ意味がある。
ならば、どんな仕様のスキルなのか、情報を集めるとともに、ギルドの鑑定室を活用しながら、確認していかなければならない。
そして最後に、使用状況だ。
ぶっちゃけ、これが一番問題だ。
どんなタイミングで踊ったら、不自然に見えないか・・・。
踊ってるだけでヤヴァいのにね。
また、どこで踊れば、配信系ですって強弁出来そうか。
それを考えなければいけない。
こんなバカな事、真剣に考える日が来るとは・・・、人生って分からないなぁ・・・。
でも、世の中に、色々な物を発信して来た人たちは、こんな事を考えていたんだろうね。
すぐに出来る事は、やっておきたい。
まずは、スキルの仕様確認だろうか?
動画を撮るだけなら、これも難しくはない。
後は、踊るタイミング?
あれ?やるだけなら、直ぐにでも出来る!?
僕は遥君と、ギルドに向かう事にした。




