表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
448/455

408話

「それで、さっきのはどうやったの?」


「ああ、新しい私のスキルだ。【倍加】って書いてあったぞ?」


 倍加か・・・、今見た感じだと2発飛んだ様には見えなかった。威力が倍加したのか、魔力が倍加したのか・・・、範囲って事はないよね?明らかに、常軌を逸した範囲だったからね。物理攻撃なんかにも適応されるのだろうか?


「コピー出来なかったのか?」


「うん、今のところは出来てないね。武技に分類されるとは思えないけど・・・、錬金なんかと同じ特殊系なのかなぁ?ちょっと、分からない事だらけだね、今度検証しよう。」


 それにしたって、あまりにも酷い性能だ。

 魔力の流れが見える、僕だからこそ平然としていられるけど、そうじゃなかったら恐慌を起こしても仕方のないスキルだ。


 僕の眼には、ミラが纏った魔力が1度の魔法で消し飛んでいるのが見えている。

 持続可能なスキルではない様だ。


 まあ、それも練習次第だけどね・・・。




 それよりも、今は他のパーティーとの合流を急ごう。




 謝らないといけないので、正直気が重く、いつもより脚が重く感じる。

 砂に足を取られてるから、だけではないはずだ。


 移動中に、辺りを観察するのも忘れない。

 この辺りは完全な砂漠地帯のようだ、砂つぶは液状化も結晶化もしていないところを見ると、温度自体はそれほでもでもない様だ。

 それでも雑魚モンスターが1匹もいない、これこそが魔力の乗った攻撃のなせる技だ。


 大使は、アメリカにも魔力相殺レポートを渡してくれただろうか?

 これで、魔力の有無がモンスターに与えるダメージの決定的な違いだと、アメリカが理解してくれると良いのだけど。



 ダンジョン前には、『コスピアトーレ・ローザ』だけが残っていた。

 理由も、見れば納得だ。


 ローザさんやマッティオさんはピンピンしてるし、ジェームズさんとイライジャさんは元気そうだけど、愛人1号、2号さんが地面に転がってる。酸欠だろうか?早速手当てをしておく。


 因みに、3号さんは怪我が原因で、今回は不在だ。

 オランダの変態羊に轢かれて骨折したそうだ、あの人は、もっと鍛えた方がいい・・・。



「すみませんローザさん、ご迷惑をお掛けしました。」


「いや、こちらこそ手間を掛けさせて悪かったね。」


 とりあえず、先制して謝っておいたのだが、予想外の返事が返って来た。


「他のみなさんは(ダンジョン)ですか?」


 状況が分からないので、ちょっと探りを入れてみた。

 だけど、なんの事はない。


 彼らは、ダンジョンを目前に大量のモンスターに阻まれていたらしい。


 だから、ミラの放った一撃を不甲斐ない彼らへの叱咤であり、援護だと勘違いしたらしい。

 それでも僕らは正直に話して謝る。


 それが、今後の信頼に繋がると信じて・・・。



「あれが調子に乗った結果だって言うのかい!?とんだ八つ当たりもあったもんだね!スケールが違うよ!!はっはははっ!!」


「・・・さすがだな・・・、常軌を逸してるな。」


 マッティオさんの感想がひどい。

 普段物静かな人柄だけに、その発言がズシッと来ます・・・。


「信じられないよ・・・、うちのマルコ達が可愛く見えてくるよ。」


「あれで彼らと同格だと勘違いしていたんだ、さながら奴らは哀れな道化だな。」


 イライジャさんの感想もひどい。

 まあ、彼の場合ガッツリ切られてるからね、その辺容赦もなくなるかもね。



「あいつらは、ダンジョン内の探索にあたってるよ。ダンジョンの入り口はあたしらで守るよ、悪いけど、あんたらは契約通り、もう一つのモンスターの発生源を何とかしておくれ。でなきゃ、怖くてダンジョンに入れやしない!」


「了解です。」


 ローザさんの言う事が道理に適っている。

 ダンジョン内に入ったら、入り口と内側から挟み討ちにされたんじゃ堪らないよね。


「マッティオ!案内してやんな!!」


「・・・分かった。ジェームズ、後を頼む。」


「了解です!」


 2人は、すでにこのパーティーで信頼を得ている様だ。

 良かった。




 マッティオさんの案内に従ってダンジョンの入り口から、1kmと少し移動すると、砂地の中からアリが這い出して来るじゃないか。


「ここが、そのポイントですか?」


「ああ・・・、結構な範囲から這い出して来るので、正直なところ、BOSS本体がどこに埋まっているのか、サッパリ見当もつかない。」


 僕は魔眼に意識を集中させ、魔力の揺らぎを見て取る。


 ふわり、ふわりと漂う魔力の残滓を見て、だいたいの当たりをつけながら歩いていく。

 途中、這い出るアリンコを切り捨てる。



 ・・・ダメだ。



 マッティオさんの言った通り、結構な範囲から魔力の光が漂ってる。

 さながら、光る綿飴の中を歩いてる様だ。密度自体は大した事がないので、見る分には問題はない。

 しかし、嫌な表現になると、蜘蛛の巣だらけのお部屋を散策してる感じだ。


 僕は、奥の手を使う事にした。



(「ミューズ、ちょっと手伝ってくれない?」)


(『みゅ?もちろんなのです!ミューズに何でも言うのですよ!!』)


(「僕には、この辺りにふわふわと魔力が漂ってるようにしか見えないんだ。」)


(『ふむふむ!』)


(「ミューズなら、どの辺が魔力が濃いか分かるかと思って聞いてみたんだだけど、どうかな?」)


 辺りをキョロキョロと探るふりをしながら、ミューズとコソコソと内緒話だ。

 何だか、とっても滑稽で、少しだけ楽しい。


(『幸太の左足の30cm向こうなのです!!ジョバーって、出てるのですよ!ジョバーって!』)


(「さっすがミューズ、頼りになるぅ♪」)


 キャーキャーと嬉しそうなミューズの声を聞きながら、僕は行動を開始する。


 ミューズに言われた地点を右脚で踏み、そこを支点にコンパスの様に足で円を一周描く。


「ここだエミリア!!やれ!」


 さあ、第2ラウンド開始だ!!

咳だけがなかなか治らない・・・。

味覚は戻って来たのにね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ