4話
短か・・・。
次に行きましょう、次に。
後は初期ステータスを確認して完了だ。
「ではこちらにどうぞ。」
お姉さんの先導で、仕切りの中に案内される。
事前調査はしてあるので、あの仕切りの向こうにあるのは、鑑定用のレアアイテムだと分かっている。それでも緊張するのは、これが僕の今後を左右するからなのか、それとも僕が男の子だからなのだろうか?
どちらともありそうで、断言は出来ない。
お姉さんはアイテムを渡して、使い方を教えてくれる。
手に持って、自分の体に向かってモノクルを覗くだけだ。
この片目だけのレンズのモノクルが、とてつもないお値段のする物だと知っているだけに、受け取った手の震えが抑えられない。
「緊張するのは分かりますけど、落ち着いて下さい。深呼吸すると良いですよ、私も初めての時やりましたからね。」
お姉さんが優しく声をかけてくれる。
おかげで落ち着いた。だけど、せっかくだから深呼吸もしておいた。
深呼吸よりも、お姉さんの声かけのおかげで落ち着けたと思うけど。
恥ずかしいので、黙っておく。
いざ!
藤川 幸太
Lv:0
HP:9
MP:9
力:9
素早さ:9
体力:9
器用さ:18
魔力:9
精神力:9
DEF:0
MDEF:0
武技:
魔法:
とこんな感じの内容だ。
モンスターを倒してないからLvは0、武技は必殺技みたい物だけど、Lvアップ時に習得する物だから無くて当たり前、魔法も同じだ。
ステータスが今の僕の能力の全てだ。
器用さの数値が突き出ていて2倍もあって、他が全て9と真っ平らだった。
この数値が高いって事はないだろう、これまで頑張って来た人の方が初期のステータスも高いって聞く。それでもLvアップした人には敵わないとも聞いている。
だから、これが今の僕だ。
いつか、そういう人たちをギャフンと言わせてやる。
切りよく、テンポ良く、練習中です。