38話
下生えというのだろうか?草に埋もれてるとはいえ、ナチュラルに『宝箱』をイス代わりにする人はそうはいないと思う。
ソフィアは気づいていないから、座ったんだろうし、エミリアも気づいている様子はない。
ミラはお疲れでそれどころではなさそうだ。
僕がツッコムしかないようだ。
僕がソフィアさんにツッコム・・・、ははは。
バカな事言ってないで、やるか。
「それにしても、魔法使いビルドか。魔法がすぐに使えるようになるのか?」
「いや、魔法を、覚えないと、使えないはずだ。ふぅ、ふぅ、ふぅ。」
ミラだ!ミラが回復してきている、彼女に任せよう!
だって、何となく言い出し辛いんだって!
君『宝箱』に座ってますよ?ってぇ!!
「そうなのですね、では、しばらくは大変ですね。」
「ああ、しばらくは迷惑をかけると思うが、よろしく頼む。」
「気にするなよ、あたしたちの仲だろう。魔法を覚えたら扱き使ってやるからな、覚悟しとけよ。」
「ふぅ〜、お手柔らかに頼むよ。」
そうだ、そこが魔法使いビルドの難しさだ。
魔法のない、魔法使いビルドなんてLv0と大差ない、足手纏いだって言われかねない。でも、魔法さえ覚えれば、パーティーでも大きな力になるはずだ。
でも、僕はそれどころじゃない。
さっきから、ソフィアのお尻に釘付けだ。
「こら!コウタ、あまり女性の臀部を物欲しそうに眺めるのは感心しないぞ。」
「幸ぅ太ぁ?」
「コ、コータさん・・・?」
うぇ!?エミリアァァ!!
お前なんて事を!?
「ち、違うって!!」
ミラのジト目が突き刺さる!
僕のレベルではこれには耐えられないって!これが、ご褒美に感じられるほどのレベルには達してないからね!
言い難いからって、後回しにしたツケにしては、酷すぎませんか!?
「『宝箱』に座ってるなって、思って!開けたいなぁ、ダメかなぁ・・・って、思ってただけだから!」
僕はソフィアのお尻、ではなくて、下を指差して無罪を主張する。
「え?」
「「ああ!?」」
みんな、気づいてくれたようだ。




