表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/455

35話

 ミラが喋り過ぎて、遅れてラーメンを食べているのを横目に、僕たちはクリーム白玉を頬張り、店を出る。

 モチモチの白玉が、ソフィアの感性に刺さったのか、とても嬉しそうで、僕は眼福だった。


 イタリア人じゃなくても、ワンチャン狙ってみたくなるのも頷ける。

 まあ、僕はそこまで無謀じゃないけどね。




「くっくっく、これで、あのクラスのバカ女を見返してやれる。」


 ああ、うるさい仕切り屋は、男子だと思っていたけど、女の子だったのか。

 少数の方が効率が良い証明になるという意味で、ミラは見返すと言ったのだろうと、僕は当たりをつけた。

 何か、他にも言われたのかもしれないけどね。


「城咲ね、さすがにちょっと鬱陶うっとうしいのよね。今日もどうするんだとか聞いてきて、ダンジョンよりも買い物に行こうとか、余計なお世話なのにね。」


「連日、あんなにクラスの雰囲気を悪くしておいて、よく私たちを誘う気になるよな。あれは絶対ソフィアを餌に、男を釣り上げようとしてるな、間違いない!」


 城咲さんね・・・、それにしても、相当、面の皮の厚い人らしい。地雷キャラみたいだし、踏みたくないから覚えておこう。


 女の子でも、そういう形の下心があったりするんだね。




 ダンジョンに戻って来たけど、入学シーズン最初の土日だ。

 入り口に近い辺りは、この間と同じ混雑ぶりだ。

 僕を先頭に、人の群れを縫って奥に進んで行く。少し意外に思ったのは、僕がいる程度でも、ナンパ避けとしてきちんと機能している事だ。


 それでも、これ見よがしの陰口や舌打ちは数知れない。

 これらを全て無視して、2階層の入り口付近まで足早に移動して行く。



 こんな時、平岩君なら『愚民共の怨嗟えんさの声が心地良い!』とか、言ってくれるんだろうけれどね。

 僕には出来ないね。

 僕は、平岩君並みのレベルになれる日は来るのだろうか?なれても困るけどね。

 怨嗟えんさじゃなくて、嫉妬しっとだと思うとかツッコムのが、僕の出来る精々かな。


 彼と一緒に、ダンジョンを探索出来たら楽しかっただろうに。親に薦められた名門校を、渋々受けて、受かっちゃうんだもんね。

 本当に彼は非凡だよね、色々な意味で非凡な人だったよ。


 日曜日の朝にやってる、アニメの魔女っ子ショーを見に行こうとか、展示場までお供したのは黒歴史だけどね。



 そうこう余所事を考えているうちに、人の群れを大きく離れて、目標の場所に到着した。


「ここまで来れば良いでしょう。あっちに2階層への入り口があります、あれの周りを回る感じでゴブリンを探してみましょう。」


「あー、悪いコウタ。あたしは大丈夫なんだが、2人がお疲れだ。」


 しまった。

 結構な距離を早足で進んで来たんだった、Lv0の2人にはきつ過ぎた。

 失敗だ。


 普段から僕は、【支援魔法】を使っているから、数分で走りきれるので、忘れていた。


「ごめんね、2人とも。」


「いえ、大丈夫。それでも、少し、休ませて・・・。」


「・・・。」


 ソフィアは息も絶え絶えだった、ミラは声を出すのも辛そうだ。

 水分補給をして、少し休憩した。


【支援魔法】もなしに、ついて来れるエミリアは、初期ステータスが相当高かったのだろう。

 これまでの、本人の努力の賜物だから文句はないけど、正直、羨ましい。


「エミリアさんは、クラスメイトとダンジョンに来てるんですよね、調子はどうですか?」


 2人がお疲れなので、必然的にエミリアと時間を潰す。


「いい加減、エミリアで構わないぞ?菊池たちも一生懸命やっている、女の子の美に対する欲求を舐めちゃあいけない!」


「・・・少しずつ、努力します。」


「努力が必要な事なのか?まあ、いい。ラーメンはカロリーも高いし、肥らない身体は是が非でも欲しい!日本に来てからあたしは肥ったからな。」


 僕はおもわず、エミリアの細いお腹を凝視した。

 さっき食べたラーメンと白玉が、どこに入ってるんだと言いたいくらいに細い。


「コウタ、見るならこっちだろ?」


 エミリアはそう言って、両手で自分の小ぶりの胸を持ち上げてみせた。

 僕は、自分の顔が上気していくのを感じた。


「な、な、な、・・・なんでだよ?」


「ふふふふ、コウタも動揺するんだな!あたしたちに全く興味を示さないから、あたしに魅力がないのかと思ったよ。」


「え?えええ・・・。とっても、綺麗だって思ってるよ?」


「そうなのか?意外だな。先ほどまで、全くこちらに意識が向いてなかったように思えたんだが、あたしの気のせいだったか?すまない。」


「いえ。」


 はい、確かに向いてませんでした、すみません。

 でも、人が多くて、奇襲の恐れもなさそうだったし、許して下さい。


 そういう意味で、言ってる訳ではない気もしたけど、勘違いだと恥ずかしいので考えない事にする。


「ちなみに、肥ったのはこっち!」


 その話、まだ続けるんですね!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ