32話
一緒にダンジョンに潜ったクラスメイトたちが、初戦を終えて地面に座り込んでいるのを、僕はただ見下ろしている。
これだけ時間があったら、自分はどれだけのゴブリンが倒せただろうかと、利己的な事を考える自分を、何とか落ち着けて、冷静さを保とうと密かに深呼吸する。
クラスで孤立しない為の必要経費だと、己に言い聞かせて気分を変えようと辺りを見回し、警戒してるふりをしておく。
学校という集団、近所というコミュニティー、人が集まる所には必ず不和が生まれる。
面倒な事は他人に押し付けようとか、汚い物には触れたくないから誰か他の人にやらせようとか、人の醜い部分が嫌でも見えてくる。
こいつらに、付き合ってる意味ってなんだ?
1人の方が楽だと思う自分、他人と接点がないと不安になる自分、他人を信用しきれない・・・自分。
どこまでいっても、僕は自分ばかりだ、他人と関わるのが苦手なんだ・・・。
意味のない思考だ、所詮僕は他人に関わらずには生きていけない。
表情を作って、声のトーンが落ちないように気をつけないと・・・。
「そろそろ、行こうか。今頑張らないと、時間がなくなっちゃうからね。幸太君いけるかい?」
遥君の言葉に、僕は一瞬ドキッとした。
僕の思考を、僕の焦りを、見抜かれてる気がしたんだ。
単純に、ダンジョンでの活動時間を気にしただけだと思うけどね。
「ああ、問題ないよ。後30分狩って戻るくらいのスケジュールでいいかな?」
「うん、さすがに冷静だね、そんな感じで頼むよ。」
「よーし!あたしたちも動くぞー!」
「「「えー!」」」
男子はノロノロと動きだしたけど、女子はエミリアの言葉にブーイングする。
みんな体力がない訳じゃない、極度の緊張のせいで疲れが想像以上で正直つらいんだ。
僕も、すでに経験した事だから分かるよ。
ちなみに、男子が先に立ったのは矜持だと、僕は思う。
それ、すっごい分かるよ!!
他の人のペースに合わせるのって、結構ストレスですよね〜。
でも、共通の理解を重ねて、深めていく事が出来れば、情も湧いてくる。人間ってどこまでも不完全な存在だと、私は感じています。
特に10代の時は、寛容さが持てなくて、大変でした!
今後も時々、こんな風にティーネイジャーの苦悩を入れていけたらいいなあと思っています。
若干、恥ずかしいですけどね♪




