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288話

 フィッシャー親子には、話をしておいた。

 とはいえ、難しい事を頼んだ訳じゃあない、交渉を担当する人の意思には乗らず、彼女に自由な発言を出来るように、誘導してほしいというだけだ。


 焦る事はない、必要なら交渉を長引かせればいい。大使なら、余裕だろう。

 僕には無理だけどね!


 2人とも驚いていた。




 ミューズにも話ておいた、ミューズは呆れていた。


『いつからそんな博愛主義者みたいになったのです?ミューズはそんな風に、幸太を育てた覚えははいのですよ!』


「うん、僕もミューズに育てられた覚えは・・・、あるね。いつも勉強をみてもらい、ありがとうございます。」


『みゅう〜。せっかくのボケがぁ〜・・・、まだまだ道のりは長いのです!!』


 あっ、そっちだったんだ。

 ごめんね、ミューズ。


 お風呂の水面を漂っていたミューズを、引き寄せて撫でる。


 いったい、何人で入る事を想定して作ったんだと、思わずにはいられないお風呂が、我が家の1階にはあるんだ。

 そう思っても、ついつい入ってしまう。

 足を伸ばして入れるお風呂、最・高!!


「引っ越して良かった〜!」


『ミューズも、毎日これだけ飲めば満足なのです!』


「いや、お風呂のお湯は雑菌が・・・。この問答を、毎日やっても仕方ないね。」


『そうなのです!いい加減諦めるのですよ!これだけのお水を、1回入っただけで捨てるなんて!二斤350円の食パンで満足してるご主人様には、あり得ない暴挙なのですよ!?』


 いや、ちょっと行けば、二斤1000円を超える生食パンも売ってるけど。僕には、あれで十分なんだよ。


「脱衣所に、いつものお水も置いてあるよ?」


『あれは、風呂上がりの一杯というやつなのです!!ご主人様ともあろう者が、そんな事でどうするのです!』


「いや、どうするって言われても・・・。」


 どうもしない。

 お風呂上がりの水分補給に、飲むだけだ。


『このネタはオチがつかないのです!次に行くのですよ!!』


「ネタだったんだね。」


 お風呂でのネタの構想は、危険だから止めてほしい。

 考え過ぎて、のぼせないか心配だ。


 まあ、ミューズは大丈夫か。


『それで、博愛主義ではないのなら、何がねらいなのです?違うのです、幸太は狙いなんかないのです!それがご主人様クオリティってやつなのです!!質問を変えるのですよ、どうしたいのです?』


「いや、大した事じゃないんだけどさ・・・。」


 あれ?今、一瞬ミューズがビクッと震えた気がした。


「遥に言われて、改めて僕はダンジョンが好きなんだなぁと思ったんだ。そうしたら、他の人にも好きであってほしいって、思っちゃうじゃない。それも、せっかく変わったスキルを持ってるんだしさ。」


 自分の好きな趣味なんかを薦めたくなる、あの心情だ。


「遥もさ、ダンスもダンジョンも、どっちもやってるじゃない?まあ、もっと先に進もうとしてる感じだけどね。彼女にもさ、歌だけじゃなくて、ダンジョンも捨てて欲しくないなぁ〜って思ってね。」


『あの歌姫の休止は、誘拐事件の所為だけではなくて、ダンジョン探索を敬遠しての事だと、ご主人様は言うのですね?』


「多分ね。情報が足らないから、絶対とは言い切れないよ。だけど、好きなら休止まではしないかな、と思ってるよ。」


『大怪我したにも拘わらず、次の日にはダンジョンに入りたがったご主人様が言うと、説得力があるのですよ!』


 ええ、その、えっと、その件に関しましては、今後は怪我などしないように気をつけます。



 お風呂上がりに、ミューズとお水で一杯やってると、うちのお掃除部隊に追い出された。

 掃除を一生懸命やってくれるのは、嬉しいのですが・・・。



『湿気はカビの元!!』


『『『『はい!!』』』』



 せめて、服を着るまで待ってよ!!

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