184話
続ける内容が無いので、短いです。
近藤さんの説明によると、探索者勧誘の言葉を配信中に入れて欲しいとの事だった。
微々たる物だが、依頼料と出来によっては別で報酬も出してくれるとのことだ。日本にしてはアグレッシブな事をするなあと思ったけど、たいした手間もかからずに、お金が貰えるという事で、もちろん僕たちもこの依頼を受けた。
配信をしてる人たちって、もともとこういうの得意だよね?
だって、だいたい自分の使ってるアイテムの使い心地を紹介したり、食べてる商品の感想を言ったりしながらやってるもんね。
ダンジョン系だと、装備や武技の自慢をし過ぎて炎上しちゃったりするけどね!
近藤さんからの通達は以上だったようだ、ものの2、30分で終わってしまった。
各パーティーで別れて作戦会議に入った。代表者だけのパーティーは、急いで帰って行った。おそらく、仲間と情報を共有しに行ったのだろう。
「・・・これは、なかなか難しいな・・・。」
「そうだね。幸太が時々やってるみたいな、観衆に呼びかけるスタイルの映像を望まれてるよね。」
「ああ。うちのパーティーは、どちらかといえば見せる為の演出寄りだからな、苦手分野になるな。だがこの仕事、どう考えても、うちのパーティーを意識した仕事内容だろ?」
「うん。」
「手が抜けないな・・・。」
近藤さんの説明があった後、ミラと遥君が深刻そうに話し込んでいる。
どうやら2人は、この仕事を僕ほど楽観的に見てはいないようだ。
『任せるのです!!』
おお!!
ミューズが、自信満々に名乗りを上げた!
パーティーの皆んなが見守る中、ミューズは堂々とぶちまけた。
『こういうのは、ご主人様に丸投げするのがいいのです!!』
・・・は?
おおーいぃー!!
何言ってるのミューズ!?
無理に決まってるよーぉ!?ちょっと君、何考えてるの!!?
「ふむ・・・、それもありだな。」
「うん、確かに。」
ミラと遥君が、ミューズの提案に納得の表情を見せている。
何納得しちゃってるの!?
納得するとこないよね!?暴挙だよ!?完全に人選ミスだって!
「そうだな。幸太は人を驚かすのが好きだし、こういうのは向いてるかもしれないな。」
エミリアぁ!!?
マジで言ってますかぁ!?
それとも、僕なんか怒らせたぁ!?
「そうですね。でも、何もしないのは申し訳ないですし、何かそれぞれキャッチコピーでも考えて、コータさんをサポートしましょう。」
ソ、ソフィアまで・・・。
キャッチコピーって、やっぱり僕が言うの?マジで?
「幸太ごめんなさいね、頼りにしてますわ。」
アデレードせんぱーい・・・、その信頼が重いですよぉぉぉ!?
「よし!各自良いキャッチコピーを思いついたら、幸太に送っておけ。ミューズ、考察に付き合ってやってくれ。では!今日も探索を開始するか!」
丸投げはんたぁーーーいぃ!!
間違ってもイジメじゃないです。
幸太君のパーティーは、意外と本気で幸太君に任せる方が面白い事になると思っています。
会社で、こんな無茶振りされたらキレるよね〜。