18話
鑑定を終えた僕は、急いでソフィアさんたちの元に戻った。
「ごめん!本当にごめん!!お待たせしました!」
「ううん、大丈夫ですよコータ。」
「うん、大丈夫。エミリアがラーメンラーメン五月蝿い以外はね。」
うん、本当にごめんなさい。
でもエミリアさん、そんなに睨まないで下さい、ラーメンは逃げません。
「コウタ!今日はここのラーメン屋に行くぞ!」
そう言って、僕にスマホを見せつけてくる。
ああ、ここか。
「コウタ、分かるようなら案内してくれ!」
これは逃れられそうにない。
いや、嫌な訳じゃない、嫌な訳がない。
美女との会食だ、ラーメンだけどね。
「僕が一緒に行っても良いの?」
一応ソフィアさんに聞いておく。
「コータさえよければ、一緒に行きましょう。」
「むしろ、さっさと行こう。エミリアじゃないけど、私もお腹が空いてきた。」
僕は、一生分の幸運を、今日使い果たしたんじゃないだろうか。
明日の朝日も拝めずに、コロッと逝っても不思議じゃない気分だ。
なので、僕も少しだけ努力してみる。
「『麺屋しず○』も悪くないけど、せっかくだから『○銀2号店〜姉妹店〜』にしない?あっちの方がよりガッツリ系で・・・、今の僕の気分に合うんだ。」
しまった!?二郎系ラーメンが食べたいって言ってたのは、ゴブリンと戦う前の話だ。
僕が、戦闘前の会話を聞いていた事がばれてしまう。
わざと聞き耳を立てていた訳ではないにしろ、それは、あまり気持ちの良いものではないだろう。
「そうなのか?なら今日は、コウタ推薦のお店に行ってみよう!」
「では、移動しましょうか。私もお腹が空いてきました。」
ソフィアさんたちが気づいた様子はなかった、僕はホッと息を吐き出した。
気分を入れ替えて、ウキウキ気分で3人をラーメン屋に案内した。




