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131話

 予定通り、土曜日の午前中をダンジョンの探索にあて、ギルドの更衣室で着替えを済ませた僕らは、近くの大型ショッピングセンターでお昼にした。


 フードコートであれば、みんなが自由に選べるという、ラーメンを回避するための苦肉の策だ。


 ただ、これは、ミューズが目立ち過ぎるという、失策でもあった。

 普段から見慣れてる人たちは、元気なミューズに手を振るくらいで済むけど。見慣れない人たちは、凝視したり、びびって離れたり、逆に好奇心に負けて近づいてきたりする。


 僕らは、ご飯を食べに来ただけなのに、なんか人集りが出来てしまった。


「なんか、落ち着かないね。」


「そうか?こんなもんだろ。」


「幸太が気にする事ないわ。」


 エミリアとアデレード先輩が、慰めてくれる。

 ソフィアは、そもそも気にしていない様に見える。彼女にとっては慣れたものの様だ。


「今度ダンジョン生配信やりま〜す!『ダンジョン・フィル・ハーモニー』をよろしく!」


「よかったら、検索してね〜!」


 ミラと遥君だ。ここぞとばかりに宣伝してる!

 こいつらは、根性があり過ぎる!!


 まあ、商業施設の内で勝手に宣伝なんかしたら怒られる訳で、ただ、不躾なお客さんを、お店側もコントロール出来なかった落ち度があるので、今回は、事なきを得た。



 まあ、当分は近づきたくないね。

 スーパーは近所にもあるし、無理して行く所でもない。


『自分の魅力が怖いのです!ミューズは罪な女なのです!』


 はいはい。

 アホな事を言ってるミューズを、みんなで可愛いがって、時間に遅れない様に移動を開始した。




 ダンジョンの配信において、上位の常連となった僕らは、ダンジョン前でもいろんな人につかまった。

 ダンジョンに興味がある中学生くらいの子たちや、配信を見てくれた関係者の人たち、同業者の方々まで、沢山の人に声をかけられた。


 今回、生配信のテスターは公に公募された物で、興味がある人は知っている。

 その為、応募した人も日本全国から集まってるし。選出された人やその家族、関係者などがここ豊田ダンジョンのギルドに集まっている。


 おかげで、いつもより人につかまる回数が多い。

 それでも、なんとか僕らはギルドに入る事が出来た。時間ギリギリになってしまった。




 時間になって、説明が開始された。


「えー、説明役を仰せつかりました、影武者の『近藤こんどう いさみ』です、残念な事に本名です。」


 出て来たのは、ストライキで一躍有名人になった、影武者リーダーの近藤さんだ。

『インペリアル・ブシドー』の一員で、顔でリーダーを押し付けられたと嘆いてみせる、イケメンの男性自衛隊員だ。

 なぜ、影武者を名乗っているかと言うと。頭脳においても、実力においても、トップには程遠いらしく、それなのに万人ウケを意識して顔で選出された、『インペリアル・ブシドー』のリーダーだからだ。


 なので、結構な苦労人って訳。


 説明内容はざっとこんな感じ。

 ・今回のテストは、名古屋(豊田)ダンジョンにおいてのみの実施で、階層、又配信予定は前日までに申告が必要な事。


 ・テスターなので、不具合があったら報告義務が発生する事。


 ・放送禁止用語の取り扱いや、風営法に引っかかりそうな映像の禁止。ギリギリを狙う事も、事前に禁止された。


 ・各階層の中継機を通して配信される為、申告のなかった階層の配信は出来ない事。(申告よりも上ならばOK)


 ・機材の変更については、中継機との相性を考慮して選んでね。


 ・時間に関しては、中継機の設置や撤去の時間を考慮して、ギルドの営業時間より1時間遅く始まり、1時間早く終わる。朝7時〜夜7時だ。


 ・他人への委託や貸し出し、途中からの人員変更は原則認められない。その場合、即時の契約解除となる。やむをえない事態が起きたと、国が判断した場合にのみ認める事とする。その場合も増員は認められない。


 ・その他、急遽の契約解除を必要とする場合は、ギルドの事務に連絡する事。



「間違っても、私に聞いて来ないで下さいね。私にはそんな権限はないですからね?」


 ここで、関係者に笑いが起こった。

 意外と、この人慣れてるのかもしれない。


「それと、勘違いしてる人はいないと思いますけど、我々は皆さんの活動に協力しません。ダンジョン内では自己責任で行動して下さい。」


 自分で自分を守れよって事と、『インペリアル・ブシドー』にインタビューなんかは出来ないよって、話なんだろうね。協力しないってそういう意味だろう。


 この人にインタビューして、再生数を稼ごうと思っていた人も、いるかもしれないからね。

 実際、稼げそうだし。正直、僕も興味津々だ。


 ダンジョンで得た物はあなたの物等、後は普通にダンジョンのルールを守れって話だった。


 最後に、各パーティーに一本、ポーションが支給されると聞いて、参加者は大盛り上がりだった。

 怪我の回復を、待ってる時間も惜しいって事だね。

 国の本気度が分かる配慮だった。

説明に穴があるかもしれませんが、全部書いていられませんし、思いつきません、生暖かくスルーでお願いします。

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