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覚醒

成美が目を開けると、目の前に白い天井が見えた。

いや、正確に言うと正方形のタイル状に区切られた中に無数の虫食いのような模様であった。それの正式名称はトラバーチン模様というらしいが、そんなことはどうでもよろしい。


そして、ゆっくり周りを見渡すと、どうやら自分はベッドに横たわっており、病院の個室で寝かされているらしい。傍らには心電図を測るための機械ー専門用語的にはサチュレーションモニターというらしいーが自分の心拍と呼吸の状態を規則正しい電子音を奏でている。


また、どこからともなく香ってくるアルコールのような化学製剤のにおいもした。間違いない、ここは病院だ。


そう思い、少し身体を起こして見ようとするが、力が入らず、動かない。どうやら自分は随分長く寝かされているようだった。仕方がないので仰臥位で見える範囲で首をひねって周りを観察してみた。左を見ると、部屋全体がわかった。自分のいる部屋は6畳ほどで、小さなタンスやちょっとした椅子があり、花瓶には花が行けてある。ベッドは窓際に位置しており、右を向くと晴れた空が見えた。時間はわからないが、外が明るいところを見ると、今は少なくとも朝か昼のようであった。


自分の置かれている状況を把握すると、ええっと、こういう時って、ナースコール?だっけ?それを押すのが良いのかしら。


そう思って傍らにスイッチを探すとスイッチがあった。よし、これかな。


その時だった。


自分の胸の辺りから男性の声がしたのは。


「ここはどこだ?」


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