04-15 ライト王国03
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~更に約三か月後~
ライト王国の会議室で国政会議が行われていた。ニバン国から農業技術が五か国にも流出し、ジャガイモの栽培も始まっている。その結果五か国でも収穫量が増えている。
「この指導書は要点がまとまっていて分かりやすいな。これはオクライトや他国には流出しないように気を付けろよ。余剰食糧を売りつけるつもりだからな。街道の整備も今のうちから着手しないと。
しかし、こんな資料を国中にばらまいたら他国に盗まれるだろうし、意外とニバンも抜けているな。つけ入る隙はありそうだ」
国王はニバンも完ぺきではなく、対抗できると思っていた。もしかすると自分にそう言い聞かせていたのかも知れない。
「新たに手に入った魔道具がこれか。うーん微妙だな」
ライト王国も魔道具を収集し、模倣を試みてはいるが成功していない。回路図を見ても理解出来ないし、その後の調査で専用の筆で書かないと効果が発ししないと聞いて、それも意味が分からなかった。会議室に持ち込まれたのはコンロと扇風機であり、それを見た王の感想は微妙であった。
「火を使えばいいじゃないか。風を送るのは、まあ涼しいがどうしても必要かと言われたら別にいらんけどな。例の筆の入手や魔道具を作れるものを引き抜きまたは拉致出来ないのか?」
「難しいです。今のところ生産拠点はニバン王城内にあり、そこで主要な部品が作られたあと、組み立ても王都内で実施しています。筆についても厳重な管理がされており、王城内から持ち出せません」
「孤児院でも筆を使っているとの報告だが、そこから奪取できないのか?」
「はい。作業中以外は金庫に保管されているようです。また防犯設備も整っており、金庫に近付くと大きな音や明かりがついて、常駐している警備兵がやってきます。
現在筆があると思われる孤児院は王都及び王都周辺の町や村に限定されているため、警備が薄い地域の孤児院にも配備されるようになれば、どうにかなると思いますが、うち以外の国も狙っているようで捕まったり、侵入に気づかれたりで、警備が緩くなる兆しはありません」
「はぁ難儀だな。で、ミスリル生産についてはどうだ?」
「そちらも入手は困難です。専用の窯は工房に備え付けられており、それを盗みだそうと思っても、気づかれずには無理です。また戦争でもして街を占領下にでも置かない限り厳しいかと」
「いずれミスリルは必要になるぞ、何せ鉄より強度が増すからな。今後はミスリル原石は保管し金やその他の物で支払うぞ。奪った砂糖の利益で大分儲けたからな。命の石も積極的に収集するが半分は保管しろ。今後に備えておくべきだろう。
しかしケン早く死なないかな、暗殺失敗ばかりだし。他国も温いよなどこの国も成功してない。まあ身の危険を感じるだけ相手の精神を追い詰めているかも知れんし、嫌がらせのためにも継続しろよ」
「あのー少しよろしいでしょうか?」
軍務省の文官が発言を求めた。
「噂話ではあるのですが、ケンが国王になる前に宿屋を営んでいたそうです。で、その宿屋でもカートリッジと呼ばれる命の石を加工しているとの事で、そこなら筆もあるのではないかと」
「場所はどこにあるんだ?」
「カマータの先、イーチバン国境近くの森の中だそうです」
「何だと! どうしてそれを早く言わないんだ! 直ぐに向かわせろ、宿屋の従業員や客は皆殺しにしても構わん! そんな辺鄙なところにある宿屋などたかが知れておる。
しかしイーチバンの手前じゃないか。大分遠いから奪取出来たとしても、怪しまれずに帰ってくる必要がある。注意しろよ」
~更に約一か月後~
ライト国の工作員はカマータの酒場で情報収集をしていた。
「なんだケン様の宿に行ったことが無いのかい? しかもこれから向かう? いやー良いね。ぜひ何も聞かずに行った方が良いぞ。たまげるから。
なあおい、みんな! こいつらが明日ケン様の宿に初めて行くんだってよ!」
酔った行商人が酒場内の注目を集めて、ケンの宿屋に行く旨を大大的に広めてしまった。工作員は苦々しく思いながらも、情報を集めようとするが皆行ってからのお楽しみだと言って、ニヤニヤしながら教えることは無かった。唯一分かったことは”涼しい宿”という名称のみであった。
「涼しい宿か、まあ暑いから、本当に涼しかったらありがたいけどな」
「森の中の宿なら多少涼しいかもな」
翌朝、工作員達はイーチバンに向かう商人のふりをしてカマータを出立した。しばらく街道を進むと、かなり先に森の一角が大分開けているように見えた。一、二キロ位先に何やら立派な砦が見える。近づくにつれて、それが堀や石壁に囲まれた堅牢な砦であることが分かった。こんなところに新しい砦が出来ていることに驚きながら歩みを続ける。
そして、砦の前にあった看板には”涼しい宿”と書かれていた。
「どうみても宿じゃないだろ!」
「いや無理、無理だから」
工作員達は衝撃で思わず本音を漏らしていた。とにかく中に入って確認することになり、開かれている門に向かって進む。石壁の上には歩哨が何人も経っており明らかに宿屋ではなかった。
「待て。用件を確認する。宿泊か?」
門の前に立っている衛兵に問われ、宿泊と答えると、荷車の置き場と宿屋の受付場所を案内された。立派な荷車置き場に荷車を置いた後、やはり立派な石造りの建物に向かうが、色々と気になる物が見えた。
どうみてもニバンの兵士が敷地内に多数常駐しており、孤児院の警備以上であった。しかも正面の建物に以外にも同様な建屋が複数あり、いったい何人がこの敷地内にいるのか、少なく見積もっても百人は居ると考えられ、とても強硬策で奪えるようには見えなかった。
受付に向かうと宿泊料金やサービスメニューが価格込みで明示してあり、値引き不可とも書いてあった。食堂に向かう途中に大きな木の杭が飾られており、そこには強者ベガを倒した時のものと書いてあった。
「強者ベガか、誰かは知らんが強者を倒したのは凄いな」
「あの杭で体を刺したのか、意外と力持ちなのかも知れん」
工作員は食堂で食事を注文すると子供たちが料理を運んできた。従業員は子供が多く、確かに建物の裏を見た時も子供の姿を複数見かけた。
「小さいのに偉いね。お手伝いかい?」
「ここで働いているの。孤児だったんだけどケン様のおかげで仕事と食事と寝る場所を貰ったの」
「そうか、ケン様は凄いね」
ケンというワードが聞こえたため、サラが厨房から飛び出してきた。
「そうなの! ケン様は素晴らしいの! 身寄りのない子供たちを支援してくれて仕事や寝る場所も用意して、勉強も教えてくれて! あとなんでも作れるの! 魔道具だったり、この宿だったり! 怪我をしても治したり! 木の伐採だって凄いんだよ、あっという間なの!」
ガイは暴走しているサラを後ろから抱きかかえて厨房に下げる。抱きかかえながらもサラはケンの偉大さを話し続けていた。
工作員は情報収集のみを行い、筆の奪取は諦めた。
全然伸びないよー。他の人の目に触れる機会が少ないみたい。
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待っている間、過去作も読んでみて
大分攻めている作品です。ゾンビ物なのにゾンビが出ません。
何を言っているかと思うかもだけど、気になったら読んで。
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