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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
4章 ニバン国国王

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04-14 ライト王国02

~停戦後しばらく経った頃~


 ライト王国の会議室では、王を含めた関係者がニバン国に支払う賠償金の内容について詰めていた。


「全て(きん)で支払う場合、それ以外の物を含めた場合、それ以外の物だけで支払った場合、どれが一番いいんだ?」


「可能であれば全て金で支払うのが良いです」

 王の質問に財務大臣が答える。


「なぜ金だと効率が良いんだ?」


「金であれば嵩張らないため一回の支払いで済み、護衛の兵士を含めて輸送時のコストを考えるとそれが一番安くつきます」


「はあ、で金を一括で支払えるのか?」


「厳しいです。自国の貨幣が発行出来なくなります。ヒダリオークへの支払いも必要であり、金は他国との交渉のためにも残しておく必要があるため、最大でも金五kgが限界かと」


「じゃあ、物納としての候補は何だ?」


「我が国の場合、食糧、宝石、毛皮、鉱物や鉄や銅のインゴットなどです。交換レートが高いのは食料で、低いのは宝石、毛皮です」


「食糧は却下だ。食料不足により相当なダメージを負っているはずだ。治安も悪化しているし、内部で略奪や紛争があれば多くの人が死ぬ。力をつけさせるわけにはいかない。

 宝石や毛皮は出して構わんが、低すぎると割に合わないな。鉱物は何を求めているんだ。鉄はダメだぞ、武器や防具が足らんからな装備を整える必要がある。それと大量に奪った砂糖の収益はどうなっている?」


「砂糖の販売は芳しくありません。オクライトとミギオークは戦後の立て直し中でゆとりがなく、ミギオークは先の戦争では敵対しましたので、そもそも交易は難しいです。

 オクライトの先のウエウエも戦争中で難しいです。なので船でミギオークから遠く離れた航路を使ってウーミにも向わせましたが、そこも帝国との戦争中で厳しく、結果的に更に北上してイタアで販売することになりそうです。コストは掛かりますが販売価格も高くなると思いますので、最初の船が返ってきたら再度販売に向かわせます」


「砂糖の販売益が出るまではニバンへの支払いを止めておけ。金が稼げてから改めて比率を考えるぞ。奪った品物の中で他国に販売出来る物、あるいは自国に販売出来る者は無いか?」


「ニバンでは魔道具と呼ばれるものが出回っており、ニバンから奪ったものの中にもそれがありました」


「なんでそれを早く言わないんだ! 良いからそれを持ってこい!」

 文官が慌てて退出し、現物を取りに行った。


「他に知っている者は?」


「はい。魔道具は火を使わない照明のようです」


「照明? 明かりを照らすだけか?」


「はい。照らすだけのようです」


「歯切れが悪いな。断言出来ないのか」


「すみません。今わかっている情報はそれだけです」

 しばらくして先ほどの文官が入室し、照明の魔道具を王に差し出した。


「ここを押すと光り、もう一度押すと消えます」

 王は言われた通りスイッチを押すと灯りが付き、もう一度押すと灯りが消えた。王は何度かスイッチを入り切りする。


「うーん。どういう仕組みなんだこれは?」


「分かりません」


「はぁー。なんでニバンにはこれが作れて、うちは仕組みさえ分からんのか?  あ? 誰か何とか言って見ろ」


「あの、それは例のケンが作ったとの事です。作れるのもケンだけだとの噂でした」

 文官の一人が恐れずに発言をした。王は少しだけその文官を評価した。萎縮することなく発言した男の顔を覚えておく。


「これは何個あるんだ?」


「はい。五つです」


「分解したのか? してない? はぁー、ふー。壊して良いから分析しろ。しかし、いったいこれの何が良いんだ? メリットが分からん」


「あの、照明なのに火を使わないそうです」


「…。お前、それ本気で言っているのか?」


「はい。火を使ってないので倒しても火事にならないそうです。横や逆さまにしても明るいままです」


「…。ほんとだ火が消えない。明かりもつきっぱなしだ。いったいどうなってるんだこれは? うーん、これを大量に作られてもうちの国に実害はなさそうな気がするな。これはしばらく静観だな。ポーションの情報や現物はどうなっている?」


「現物は手に入りません。各街や村の責任者に渡されており、必要に応じて使用しているようです。製法も不明です」


「はぁ。引き続き情報収集は怠るなよ」



~約九か月後~

 再びライト王城内の会議室


「今回新たに賠償の物納品目が追加されました。注目すべき内容として、命の石と厄介物になります」


「…。もう一度良いか? 厄介物といったか?」


「厄介物です。加工出来ない鉱石です」


「なんでそんな物を求めるんだ? あんなのゴミだろ」


「もしかすると、加工できる技術が確立したのかも知れません」


「誰か知っている者はおるか?」

 王が尋ねるが、誰も回答しない。


「まったく。うちでは加工出来ないし、他の国は…これで支払いそうな気がする。それにニバンにだって大量にあるだろ、うちが出し渋っても他で手に入るならうちだけが支払わないのは意味が無いな。ゴミなんだし出して良いんじゃないか?

 あとは命の石かあれも見た目が綺麗なものがあったりするが、それだけだよな。何の価値もない、誰か知っている者は?」

 数人の文官が手を挙げた、王に一番近い文官に発言を促した。


「加工することで照明の魔道具の燃料になるようです」


「…。あれに転用されても脅威ではないな。ゴミが金になるのか。他国も出すだろうな、これもうちだけが渋っても仕方が無いからしばらくは物納にしてよし。ただし、他の使い道や懸念する事項が出たら別の物に切り替えるからな。引き続き情報収集は怠るなよ」

待っている間、良ければ過去作も読んでみて。

チュートリアル無双

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