04-08 ライト王国
~約十カ月ほど前 三章の終わり頃 ~
ライト国の王城にオクライト国の使者が来ていた。オクライト国はミーギオーク国と戦争中であり、劣勢となったためライトに援軍を要請してきた。しかしながら、ライトも戦争中でありオクライトに出す余裕は無かった。
「現在我が国も戦争中であり余剰兵力は無い。結んでいるのは不可侵条約である。申し訳ないが他を当たって欲しい」
「ウエウエ国にも援軍の要請をしておりますが、サンガーク国と戦争中であり、援軍は難しく…、他に頼れる国が無いのです」
オクライトが頼れるのはライトまたはウエウエしかなかった。オクライトとウエライトの間、オクライトとサンガークの間には高い山脈が有るためウエライトやサンガークに援軍を求めることは出来ない。
オクライトは援軍の条件を引き出そうとするが、余剰兵力が無いの一点張りで取り付く島もなかった。こうして三度目の援軍要請も失敗し使者は帰国していった。
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「負けただと! 順調だったじゃないか! あとはイーチバンを滅ぼすだけ! それだけだったのに…、一体どうなっているんだ! 説明しろ!」
ライトの王城に敗戦の知らせが届き、それを知った国王は驚き、怒り、激しく伝令を問い詰めた。しかし伝令も詳細は分からず答えようがなかった。
その後、続報が入るにつれて被害状況や戦闘の状況が分かってきた。分かってきたが、とても信じられる内容ではなかった。
「一人に負けた? 地面に突然溝が出来て騎兵がそこに落ちた? 全身を包み込むような炎が横に何十mも伸びて浴びせられた? 近づいたら首や頭が突然切断された? 暑い場所に氷の壁が何百mも続いていた? 怪我を一瞬で治した? 水を大量に産み出した? 凸凹やぬかるんだ道を一瞬で整備しながら行軍した?
お前らは阿呆か! こんな出鱈目な話が信じられると? ちゃんとした報告を持ってこい!」
国王は話を信じることが出来ず猛烈に怒っていた。五か国連合の本国では程度の差はあれど、だいたいどこも同じような反応であった。実際にその目で見ないと信じられないような報告が続くため本国側では信じられずにいた。
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「よくもまあ、こんなひどい条件を約束して帰ってきたものだ。報告も出鱈目ばかり、最後、死ぬ前には嘘をつかず正しい報告をしてから死ね!」
ライト王国国王は遠征軍の責任者であるノイアー及び遠征軍指揮官達に対して、厳しい言葉を浴びせる。
「嘘ではありません! 全て本当の事なのです! あの戦に参加していない者は確かに信じられないと思いますが、間違いない事実なのです!!」
その場に同席している全ての遠征軍の指揮官達は、全員嘘ではないと声を上げて反論した。
「陛下。全て本当だ!」
「豪腕、豪腕も本当だと申すのか…、本当に本当の事なんだな」
獅子系獣人の豪腕ことシュバルツも短く反論した。国内で一番強い豪腕に対し、国王や国の首脳部は信頼、評価をしており、とてもそんな嘘をつくとは思えなかった。
「ああ、本当だ。あの力を見た兵士達は絶対にニバンとは戦争をしないだろう。そしてその話は帰った兵士達から国中に伝わり、ケンがニバンに居る限り絶対に参戦しない。仮に現地まで行ったとしても、ケンが出てきた時点で軍は崩壊する、間違いない」
「そこまでの事が…、豪腕、ケンを倒せるか?」
「近づければ。近づくのが至難の業だが。ニバン王国の王都への移動中はケン達から離れるように言われ最後尾に他の強者と一緒に居たんで、両断(ウエライトの二つ名持ち)や千人(オオキナウエーノの二つ名持ち)等とケンへの対策をずっと話していた。
結論は近づければ殺せる。治癒能力が高かろうが首を刎ねれば死ぬだろう。それと俺は炎と首や顔を切断すると思われる攻撃を受けたが、たいした怪我は負わなかった。多分俺のような強者にはケンの不思議な力は通用しないだろう。ただ地面にいきなりを穴を開けられて上から重い石などを乗せられたら手の施しようが無かったし、あれを防ぐ手段が思いつかない。
多分だが俺に止めを刺そうと思えばさせた筈だ。まだ奥の手を隠している可能性もある」
「倒すための具体的な手はないのか?」
「暗殺だろうな。油断しているところを殺す。ただバレると即戦争になって攻め込まれる可能性もある。他の国の仕業に見せかけるようにするべきだろう」
「ニバンに対応するため引き続き四国と同盟を継続するべきだな。直ぐに同盟を継続するための会談を準備せよ。
また暗殺を他の国に見せかけるならウエウエ国かデカーオ帝国か? そこなら進軍方向に我が国を経由することも無いからそこを装うべきかな。そっちも並行で行え」
国王の指示により、慌ただしく行動を開始する。
数日後、オクライトの使者は、再び国王と謁見を行った。
「戦争が終わり、多くの兵が帰ってきたとの事。ぜひ援軍をお願い致します」
「私たちは負けたのだ。負けて心が折れた兵士では戦場に行っても役に立たない犠牲が増えるだけだ」
「では戦に行っていない兵士の派遣をお願いしたい」
そういわれて国王は不機嫌になり顔が若干ゆがむ。使者は国の存亡がかかっているため、多少失礼であっても是非とも援軍を派遣して欲しかった。
「仮に派兵したとして、我らにどのようなメリットがあるのか?」
「金銭及び貴金属品、美術品など」
「具体的ではないな。派兵した兵の数と礼の金額が折り合うかも分からん」
「仮に一万の兵を派遣していただき、敵を国外に追い払っていただけた場合は、金十kgと」
「話にならん」
使者の言葉を最後まで聞かずに遮るよう国王は直ぐに話を打ち切ろうとした。
「金三十Kg及び…」
「そんなのは最低限支払うべき金額だ! センダーイ、センダーイから南の領地を貰おう」
「それは無理だ!流石にそこは譲れません」
センダーイは国境から少し入った場所にある大きな城塞都市であり、オクライトにおけるライト側の守備の要でもある。ここがライト国に渡ったら、容易にオクライトに進軍できてしまう。しかし、状況はひっ迫しており、ライトからの援軍が無ければ国が滅んでしまう。
最終的に敵を当初の国境より先に押し返したらセンダーイを譲渡するという条件でライト国は派兵を決断した。豪腕を筆頭に、守備に残っていた兵及びニバン国の奴隷を優先的に徴用して派兵を行った。生きていれば解放せざるを得ない奴隷なら、戦争で使ってしまって生き残っていたら返却するという判断だった。
なんか聞き覚えのある地名があるけど、地球や日本とは一切関係ないから。
ただ地名考えるの面倒だから、適当に書いているだけだから。
今更だけど、全部ちゃんと名前つけなおそうかな。例えばドイツ語に統一するとか。
みんなどうやって名前考えているんだろうなあ。




