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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
4章 ニバン国国王

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04-07 米

「食欲はどう? 何か食べたいものある?」


「ケン、お米食べたい」


「私も米食べたい」


「…。もう今残っているのは種もみだから直ぐには無理だぞ。俺も食いたいけど暑すぎて収穫量は低いし、種もみを確保したら僅かな量しか残らん。米を育成するには温度が高いからなぁ」

 ケンはアリスとリルに何を食べたいか聞いたら、お米が食べたいとせがまれた。こちらの大陸に来てから何度か小さな水田を作って試してはみたものの、出来があまり良くなかった。今残っているのは次回の種もみと食用として三十kg程度の米しか収穫出来ていない。


 色々検討した結果、ケンは王都よりは若干気温が低い標高千mくらいにある街ハコーネに来た。王都の南に位置し、王都からも近く温泉もあり、避暑地として王族用の宮殿もある。英雄が街に来たことで住民は狂喜乱舞し全面的に協力を行った。


「あっという間に水路が出来たぞ!?」


「奇跡だ! 本当だったんだ」


「おい! お前罰が当たるぞ! 麓までの道も綺麗に整備されたんだぞ!」


「まじか! 流石ケン様だ」

 ケンの活躍を住民は目の当たりにして噂が真実だと実感した。


「ああ畑が水浸しに! 大変だ! 失敗だ!」


「馬鹿! ケン様が失敗する訳無いだろ」


「…。田んぼと言って水を張った状態で作物を育てるんだ。俺も失敗するからね?」

 田んぼという農法を知らなかった農民は慌てたが、ケンを妄信している人に(たしな)められていた。それが聞こえたケンは補足説明を行ったが、評価が高くなりすぎる事に少し不安を感じなくもなかった。

 湖の側に五ヘクタールほどの田んぼを作りソララと農民など一緒に田植えを行い、ケンは手伝いをした住民に自ら氷入りの冷たい水を振舞った。


「なんだこの水は! 信じられないくらい冷たい! うまいぞ!」


「それよりこの氷って何だ! 冷たすぎる!」

 暑い地域に住んでいるため氷を見たことが無い者が圧倒的に多かった。王様なのに庶民と一緒に作業をして、同じものを食べて、しかも冷たい美味しい水まで自ら振舞ってくれる。そんな王様は今までいなかった。


「お引き取り下さい」

 王様に見初められようと宮殿に送り込まれた村娘を衛兵が門前払いしている。その様子を宮殿の窓からソララは眺めていた。

 米作りの間、数カ月間王都から離れて生活する事になる。その間はソララにとってまたとない好機であった。ソララはケンに畏敬(いけい)の念もあったし、それ以上に大好きであり愛していた。

 事前にアリスやリルには相談して許可を得ている。アリスやリルは妊娠している間に変な相手に捕まるよりも、信頼がおける相手の方が何倍もマシであり、ソララであれば文句を付けようもない良い相手だと考えていた。


「ソララ、風呂空いたよ」


「師匠、入浴した後だとは思いますが、一緒にどうですか?」


「え?」


「以前からお慕い申しておりました。このハコーネにいる間は一緒に過ごしたいのです。アリスとリルにはお許しをいただいてます」

 ソララはケンに正面からアタックし、ムニュっと胸をあてつけながらケンを抱きしめる。


 ケンは一瞬躊躇(ちゅうちょ)したものの、ソララの気持ちに応えることにした。可愛い弟子であるが、ソララの事は女性として好きであったし、アリスとリルにも許可を得ているし、相手の気持ちに応えたいと思った。


「ソララ、その…、大切にするよ」

 ソララは妻ではなく、妾、愛人という立場になった。ちなみに本妻がアリスで、リル、カステラは側室である。ソララはそれよりも立場が低く政治的な活動は出来ない。



 四か月程ハコーネに留まり主要な作業を教えながら米の収穫を行った。ケンの故郷に比べれば収穫量は少ないが、こちらの大陸では小麦の作付面積と比較して一.五倍以上の収穫量があった。この大陸に来て初めての大豊作と言って良い成果であった。ケンは熱い地域で実った米を繰り返し育てたので、暑さに強い性質を持つようになったと推測していた。

 ただ今回収穫したものの大半は次回の作付けに利用する。田んぼの面積を百五十ヘクタールまで増やし、ハコーネは稲作の名産地となった。

前にも書いたけど、こっちの世界は作物の育つ速度が速いよ。

地球と同じじゃないから。


ご都合主義なんだから。


ケンが王様になって1年以上経過し、いま22になってる。はやいなあ。

一気に数か月話が進んでるからな。


1ヘクタールは1辺が100mで、縦横100m*100mが1ヘクタールってこと。

大体野球場のフィールドと同じくらい。

百五十ヘクタールは、長崎のハウ〇テンボ〇よりも少し小さいくらい。

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