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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-19 五か国連合7

「ああ」

 指揮官の一人が同意して馬上のケンを見上げる。


「武器を捨てて投降しろ。そうすれば命は助ける」

 五か国連合の指揮官達は互いの顔を眺めそして頷いた。そこには各国の猛者もそろっていたが、訳の分からない事象とシュバルツの状況を見た後ではこれ以上戦う気は起きなかった、


「分かった。投降する」

 指揮官達は直ぐに投降するように指示を出す。ケンもアリスに以心伝心で攻撃を取りやめるように指示を出し、ニバンイーチバンの連合軍から勝鬨が上がった。勝鬨の声や投降命令を聞いた五か国連合の兵は命が助かったことに安堵しその場に崩れ落ちた。


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 日が昇り憔悴しきった五か国連合軍と徹夜明けだが意気揚々としているニバンイーチバン連合軍。今回の戦闘でケン達は被害無しだが奴隷として連れ去れた住民が数十人程亡くなっている。五か国連合は約九万ハ千人の内五千人が死亡、投降者八万四千人、九千人がどこかに逃亡した。


 武器は馬車や荷車に積み込まれ、食料が生き残った者に振舞われた。夜が明けるとぽつぽつと投降者が増え始める、戦争が終わったことを察知し合流することを選んだ者達だ。逃げ出した者の中には野盗になる者も多いだろうが、敵地で生き残るのは容易ではない。投降を選ぶ方が生き残る確率が高いからだ。


 本来であれば縄などで手足を縛ったりするのだが投降者が多すぎて縄が足りず縛ることは諦めた。ただ誰も逃げ出したり、反逆しようなどとは考えなかった。ケンの恐るべき力を見て誰もが畏怖しており、そんな気は微塵(みじん)も起きなかった。

 また大怪我をして死ぬしかないと思われていた五か国連合の兵士達にケンとアリスは治癒魔法で治療を行っていった。軽症者には低級治癒ポーションが振舞われ、目の前で起きる奇跡に驚きそして感謝した。普通なら止めを刺して楽にさせる様な怪我の者を大勢救ったのだ。


「ありがとうございます」


「助かりました」

 もう駄目だと思っていた怪我を治された兵士達はケンとアリスに感謝し、信仰心に近い感情を抱く者も多かった。


 武器は回収され、けが人の治療もあらかた済んだため、王都に向かって行軍していく。そんななか捕虜たちはケン達に対する話をし続けた。


「あのケン様はやばいな。あんなのが居ると分かってたら絶対戦争なんかしなかったのに」


「本当だよ、でもアリス様もやばいよな。離れている相手を剣で切り裂いていたぞ」


「どういうこと?」


「オークが襲ってきたときに剣を振るったら、十m先に居たオークの上半身と下半身が分かれたんだぜ」


「まじかよ」


「そんでその肉の切れ端を掴んで仲間に渡したと思ったら、その仲間が手から火を出してその肉をその場で調理したんだ。でそれをもぐもぐ食ってたんだぜ。筋肉サイコーって叫んでたんだ」


「確かにやばいな」


「虎族の獣人はその場で生のまま腕を食ってたけどな」


「やばいな。まあ俺も生で食うけど。普通行軍中には食わないぞ」

 敵だったのにケンに様の敬称が付くくらい評価が高く、移動中もケン達の話題ばかり話されていた。勝手に尾ひれがどんどん着いて話が膨れ上がっていく。


「ケーン!」

 ケンの頭に声が響く、ピイーナがケン達に合流した。ピイーナは騎兵によって運ばれてきた。ニバンイーチバン連合軍をあの場所に配置するにあたって、ピイーナ経由で別動隊に状況を知らせて準備をさせていた。また五か国連合軍が敗れた話もピイーナを経由で伝わり、既に色々な地域に伝えるよう伝令が出された。全土に伝わるには数か月掛かるかも知れないが重要な地域には優先して伝わるだろう。

 街や砦を経由するたびにお祭り騒ぎのように歓迎された。ニバン国民は奴隷や厳しい税金が課されると諦めていたところに朗報が伝わったのだ。


「聞いたか? 五か国連合軍が敗れたって」


「聞いた聞いた。三千対十万で戦って被害ゼロだって」


「俺は三千対十五万って聞いたけど?」


「被害ゼロって凄すぎだろ、どうなってんだ?」


「分からないけど指揮官が凄かったらしいぞ。ケン様だって」


「俺はアリス様が凄いって聞いたぞ。どんな怪我でも治しちゃうって」


「俺も聞いた、ゴブリン肉も美味しく食べてるって」


「不味いのにな。ゴブリン肉」

 一部変な話も含まれているがケン達の話はニバン国内で広まっていく。



「美味い!」「冷たい!」「ありがとうございます」

 行軍中の水はリルとケンが手分けして手配している。空の水差しや樽に水を入れ、それを各国の兵士が自国の兵士に配布していった。最初はいきなり水が出てくることに戸惑っていたが、暑い気温の中で冷たくて美味しい水が行軍中に飲めるのはとてつもない幸せであった。冷たい水依存症に成りかけている兵士も多く、自国に帰りたくないとぼやくものがチラホラ出てきている。ただ留まったとしても飲めるわけではないのだが。


「何がどうなってるんだ?」


「分かる訳が無い。ただケン様だからな」


「そうだな」

 街道は凹凸があったり泥でぬかるんでいたり、馬車や荷車が通りにくい場所も多数あった。ただそんな場所もケンが魔法で整地して行く。通るのは難しいと思われた道が信じられない速度で整地されるのを見て誰もが驚きを隠せなかった。


「はい。じゃあこれ飲んでね、お大事に」


「ありがとうございます」

 移動中にも軽い怪我人が出るがソララが作った低級治癒ポーションを与えていた。治癒魔法ほどの効果は無いがそれでも怪我の治りは早くなっており、その効果に感謝していた。五か国では奴隷にするためある程度怪我を治すことはあったが完治するまで治療を続けることは無かった。

 捕虜として扱われているが虐待も拘束もなく、食事も適切な量が割与えられておりニバン軍との差も無かった。投降した兵士達は厚遇に感謝しながら王都に向かっていた。

ケン達の故郷の国では奴隷制は無いよ。ひどい虐待も無い。

魔法使えるから相手を怒らせて魔法を唱えられて反撃されると危ないので。

捕虜として期間限定労働させられることはあるけど、最大で二年程度だよ。

その間も安いけど給料出るし。


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