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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-16 五か国連合4

「おい、昼飯だ」


「おお、今行く」

 ウエライトの兵は干し肉と固いパンを渡していく。受けとった兵士は近くの地面に座り昼食を取る。前には進めないし、後ろに戻るにしても他の国の兵士が邪魔で戻れない。休憩出来るときに休憩を取った方がいい。休憩をしつつも、重装歩兵は馬車に預けていた大型の盾をそれぞれが持ち、戦闘に備えていた。


 この道を戻って森を迂回して進む場合、もう一泊以上する必要が出てくる。夜を迎えるのは怖く、出来ればこのまま先に進みたい。壁があるのは約五百m位であり、氷の後ろに人がいる気配もない。オーモリの間には敵も見当たらない。大部隊が襲ってくるとしてもこの近くには居ないはずだから脅威はないはずである。このまま前に進むことで合意した。

 敵が接近したときに直ぐに分かるように森の中にも複数人の偵察部隊を配置して、問題が無いことを確認してから前に進み始める。


 南側の森で氷の壁のオーモリ側端辺りで警戒していた兵の頭が落ちる。ボトリという音に気が付き、その方向を見た兵士の頭と周辺の枝が同様に落ちた。更に遠くから見ていた兵は慌てて街道に向かって走り出す。


「敵襲! 首が落ちた! 首が!」

 慌てて敵襲を伝えるが起きたことを他の者に伝えるのは難しかった。そこに南北から矢が撃ち込まれ皆慌てふためく。両方向から飛んでくるため逃げ道が無く凄い勢いで死傷者が出て行く。突然前方のオーモリへの道には大きな石が置かれた。高さは三m、横は道幅いっぱいの七mはあり、急にそんなものが目の前に出るはずがない。


「なんだ! どっからあんな物が!」


「知るかよ、がっ」


「ひいぃい。すまない」

 巨大な石が急に表れて驚く者、悪態を吐いている最中に口の中に矢が刺さりそのまま息絶える者、その死体を盾にして矢を防ごうとする者。

 この攻撃は氷の柱の更に奥、巧妙に偽装された大きな塹壕の中に潜んでいたイーチバンとニバンの混成軍からの攻撃であった。南北から攻撃を避けるには東西に行くしかないが、東側の道はほぼ塞がっており、西側に下がるしかない。


 重装歩兵は密集し、盾を駆使することで上下左右をほぼ隙間なく盾や防具で身を守りながら、ゆっくりと後退していく。通常の兵士は身を守り切ることは出来ないため、背後を重装歩兵、正面を森側にむく事で回避しようとする者もいた。


「伏兵だ! 下がれ!」

 東のオーモリ方面に走って逃げる者もいたが、林の中にも石の壁が出来ておりそれ以上進むことが出来なかった。進むことが出来なくなって固まった兵は、矢の攻撃でその場で息絶えていく。

 東は駄目だと西に逃げるも西にはレフートの軍が居る。レフートの兵も下がろうとしているが、後ろが詰まっていて退却の速度が遅くなっている。そこにウエライトの兵が集中して密集した状態になる。

 敵が固まるため矢の命中率があがり被害が拡大していく。逃げるために前にいる者を押しのけ、無理やり進もうとして、逆に足が取られてまともに進めない者も出ていた。森の中に矢を射って反撃をするものも居るが、反対側から飛んできた矢が背中に刺さって倒れる。


 北の森のが飛んでくる方に向かって進む者も居た。非常に危険ではある、ただし反対側から飛んでくる矢は少なくなるため、一方向に集中すれば良いので生き残る可能性は若干上がった。しかし氷の柱で構成された壁に阻害されてそれ以上は先に進めず、西向かって逃げる際に背を向けることになり、後ろから矢を射られて死傷者が増えていった。南の森に向かったものは落とし穴に落ちる者も出てきて、やはり氷の壁に阻害されてそれ以上南下が出来ず、西側に向かって兎に角走り続ける。


 一時間程の戦闘でウエライトの兵は千近い兵を失い二万八千まで減っていた。レフートの兵も五百程減って二万九千となった。負傷者は置き去りにしたため後から合流してくる可能性もあるが合流するよりもそのまま逃げ落ちる可能性の方が高かった。


 ライト軍は森に挟まれた街道を抜け出して少し離れた場所で陣形を整える。森から敵が出てきた場合には弓や騎兵と戦象で攻撃するつもりであった。ただ戦象は既に四頭にまで減っており、対策を取られた場合、高い攻撃力を発揮することが出来ない可能性はある。それでも大木を利用した杭のような物を使わなければ、防ぐことが出来ないほどの破壊力があるため、一定の効果は得られると考えられていた。

 ヒダリオークも森から抜け出しライトのすぐ隣に陣を引き直す。幸い追撃がなかったので、残りの国の兵士も無事に森を抜け出すことが出来た。


 五か国連合軍は再度作戦会議を行う。森を大きく北側に迂回してオーモリに向かうべきか、それともオーモリには行かず南下してから東に向かってカマータに向かうか、そのまま南下し続けて直接イーチバンに向かうか、ただ道が無いため移動速度は遅くなるし、馬車や荷車での移動は困難になる。あるいはこれ以上進まずに引き返すか。

 オオキナウエーノはイーチバンを確保しないと利益が減ってしまうため、どうしても攻め落としたかった。しかし他の国はイーチバンを攻め落としても直接の利益は無い。ただイーチバンを攻め落とせなかった場合はニバン国の配分を見直すことなっているため、滅ぼせるのであれば滅ぼしたかった。


 ウエライトは自国の兵が他国と比較して減り過ぎているため、他の国の兵を減らしたかった。特にレフートは無傷の兵五万を配下におさめているのでここで少しでも減らしておきたかった。ヒダリオークもこの後発生するレフートの戦いのためにもレフートの兵を減らしておきたかった。レフートの領地を見込んでいたから戦いに参加したのであり、このままではそれが困難になる可能性が出てきた。


 レフートは一旦退却し五万の兵を指揮下に加えたかった。五万の兵を今回の戦いに参加させなかったのは裏切られた場合致命的な結果になるためだ。イーチバンの戦闘中や行軍途中に妨害活動などされたら目も当てられない状況になる。しかし戦の相手がイーチバンではなく、オオキナウエーノやウエライトであれば、国を滅ぼした相手になるので裏切る確率は低くなるはずだと考えていた。

 またここで一旦戦が終わってしまうとライトとの連携作戦はほぼ不可能になり、次の戦では確実に苦戦することになる。そのためライトとレフートはまだ戦を続け、適切なタイミングで裏切る必要があった。


 それぞれの国の思惑から最終的にイーチバンへの侵攻は継続することとなった。森を大きく迂回し北側を通るルートが選択された。

捕らぬ狸の皮算用。

まあ、欲の塊だよねぇ。侵略してきた五か国。

ニバンやイーチバンは防衛戦闘はするけど、侵略戦争はしたくなかったようです。

経済的に豊かだとゆとりでもでるのかね。

国民性や王様の性格なんかもあるんだろうな。

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