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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-14 五か国連合2

 各国とも野営の見張りを多くして襲撃に備えた。何も起きないまま夜中になり、明け方まであと三時間といったところで異変が起きた。いち早く気が付いたのはオオキナウエーノで、近くの林に火の明かりが見えた。


「おい! あれ火じゃないか?」


「本当だ! 敵襲! 敵襲!」

 あっという間に敵襲の情報は伝わり、寝ていた兵も飛び起きて態勢を整える。その時、その火が二つ飛んできた。一つは地面に刺さり、もう一つはテントに刺さったがそれはただの火矢であり、直ぐに消された。その後追加の攻撃が無いまま数分が過ぎた。


「ただの火矢だ! 落ち着け! 森に向かって矢を放て! 射るのを止めろ! 突撃! 突撃しろ!」

 指揮官は攻撃を指示し、兵士達を怪しい場所に突撃させた。兵は大声を出し勇気を振り絞りながら林に向かって全力で走り出した。


「うわっ、ぐげぇ!」「うぉ!」「ああー」

 林に入った先頭の兵から変な声が聞こえた。そして後続の兵は先頭の兵が一瞬にしていなくなる様子を見ていた。慌てて突撃の速度を落として、兵士が消えた辺りに松明を翳して状況を確認する。地面に大きな穴が幾つも開いており、そこに落ちた兵が何人も見えた。穴の中には尖った串が何本も出ており、落ちた兵の大半は死亡していた。


「落とし穴だ! 気を付けて進め」

 しばらく警戒して進むが追加の落とし穴はなく、敵の気配は感じらなくなっていた。襲撃した者は逃げたと判断した。しかし、明け方まで気持ちを緩めることは出来ず、多くの兵が寝不足のまま朝を迎えた。明け方になり落とし穴を調査したが、深さが二m、縦横一mから三m位のものが二十個も掘ってあった。

 木と木の間に穴を作っているため、落ちやすくなるのは間違いないが、いつそれだけの穴を掘ったのかが分からない。掘ったと思われる土も周囲には存在していなかった。野営地を決めてから穴を掘ったとしても、直ぐ近くにいる兵に気が付かれずにこれだけの数の穴を掘ることなど出来ない。となると野営をする前から穴を掘っておき、そこに誘導したと考えるのが自然であった。

 しかし、どこで野営するのかは確定していないなのにこれほど多数の穴を掘るだろうか? 各国の参謀はこの状況を正確に判断出来ず、非常に困惑していた。


 五か国連合は皆疲れており、進軍速度が更に遅くなった。開けた場所があったため、少し早いが野営をすることにした。森からも離れており、見通しが良く近づいてきても直ぐに気が付ける。不安は残るものの睡眠不足から早めに休憩を取ることにした。明日になればオーモリに到着出来る予定であるため、無理に急ぐ必要もない。


 兵士は寝不足であったため早くから寝れる者もいたが、不安や恐怖から眠くても寝れない者も多かった。いち早く発見できるように本隊よりも少し離れたところに分散して見張りが配置されたため、見張りの者はストレスが非常に高まっていた。何気ない変化であっても過剰に反応するものが出てきて、それに釣られるように周りにも緊張が走る。その後問題ないことが分かり、どっと疲れたようにその場で尻もちをついたり、座り込む。


「こんなんじゃ、寝れないよ」


「もう帰ろうぜ。十分成果はあっただろ」


「イーチバンは今度で良いよな? もうやだ」

 兵士達は何かを話さないと不安でたまらなかった。しかし互いに話すことでより一層不安や不満が高まっていく。


 カタカタ、カタカタ、そんな中、変な音が近づいてくる。見張りは異常に気が付き音がする方向に目を向ける。月明りで若干何かが近づいてくるのは見えるが、良く分からない。側にいた夜目がきく兵士に問いかける。


「なんだ? 何が来ているんだ? おい!」


「分からない。何かは分からない。案山子? 人じゃない、人間じゃないものが四つん這いで歩いてくる」


「訳が分からない事をいうなよ! 敵襲! 敵襲だ!」

 襲撃の警告に松明の数が増え、皆緊張した面持ちで、敵が来る方向を見つめる。敵が来る方向に複数の火矢が打たれた。敵がその火矢の側を通り過ぎると一瞬姿が露わになった。木製の箱に顔や手足がついたようなものが、四足歩行でこちらに歩いてくるのだ。しかも一体ではなく、その後ろにも二体同様なものが歩いてくる。


「なんだよあれ! 人じゃないぞ」


「知るかよ!」


「矢を射よ! 矢で攻撃するんだ!」

 指揮官は混乱する兵士に向かって攻撃をするように指示を出した。多数の矢が得体の知れないものに向かって飛んでいく。得体の知れないないものには数えきれないほどの矢が刺さるが、移動速度は落ちることなく着実に近寄ってくる。かがり火により、全身が照らされた姿が見えた時、不気味さはより一層高くなった。全身は矢が刺さっており。全身は返り血でも浴びたかのように黒ずんだような跡が沢山ついていた。矢はどんどんと刺さるがお構いなしに近づいてくる。


「化け物だ!」「死なないぞ!」「いやあああー」


「落ち着け! 槍だ槍で刺すんだ! ほら! いけー! 突撃しろ!」

 理解を超えるものに対して怯えるなか、指揮官は次の手を打った。しかし、近づいた瞬間、得体のしれないものから、霧状の何かが噴霧された。それが目に入った兵士は刺激により目が開けない状態になった。


「目がー! 目がー!」「痛い! 痛い!」

 得体のしれないもの、ケンが作成したゴーレムは、刺激物をまき散らしながら野営地を進んでいった。

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