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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-11 略奪の略奪

「何だ!」「どうなっている?」「えっえっ」

 壁に側いた兵士が動揺し、その声が前の方にどんどんと伝わり、後ろを振り返っては驚きの連鎖が續いていく。前を進んでいた騎兵も壁の方に集まってくる。後ろからアリスとリルを乗せた馬が壁の横を走って前に向かって行く。ケンも合流したところで、アリスが大声で叫んだ!


「閃光!」

 ケン達は目を反らし、ライト兵は何事かとアリスに視線を集中させた。そこにアリスから物凄い光が発せられる。


「目があ!」「うぁあ!」「何があった!」「見えない!」「ヒヒーン」

 ライト兵や馬は程度の差はあれど、視力を奪われ混乱していた。


「風切り、風切り」

 ケンが魔法を唱えると、一度に十数人の首や顔、目を押さえていた腕や手ごと切断され、その場でライト兵は崩れ落ちた。騒いでいた声が一気に聞こえなくなっていく。代わりにドサドサと倒れる音と振動が響いた。また近くにいた兵は血しぶきを浴びて、生暖かい感覚に一瞬戸惑った後、それが血だと気が付いて悲鳴を上げた。

 ソララとリルも腰に下げていた連弩を使って少し離れた敵を打ち、アリスは馬上から槍で兵士たちを突き殺していった。


「敵襲! 矢で撃たれた! 後ろからだ!」

 矢で射抜かれて即死しなかった兵が声を上げる。


「敵襲だ!」「構えろ!」

 まだ完全には視力が回復していないが、それぞれが敵襲に警戒をし始めた。


「なんじゃこりゃ!」

 先頭の方に居た兵士達の視力が回復し始めた時、後方にいた兵士の半数は地面に横たわっていた。ライト兵は前後左右を慌ただしく確認する。敵は後ろから来ているだけとは限らないからだ。


「敵は後ろだ。迎え撃つぞ!」

 後方に被害が出ている事、先ほどの発言から後ろから攻撃を受けたと判断して指揮官は迎撃の指示を出す。


「火の矢、火の矢」

 リルは魔法攻撃に切り替えて火の矢を連射する。ライト兵は飛んでくる火の矢を剣で落とそうとするが、火は切れずにそのまま兵士の体に刺さってから燃えた。火を消そうと手でバタバタと払っていると直ぐに火は消えたが、ソララが打つ連弩の矢が喉に刺さってその場に倒れこんだ。


「風切り、風切り」

 隊列の後ろにいた兵士がどんどんと首や顔が切断されて倒れていく。誰かに攻撃された訳でもなく、いきなり、複数人の首や顔が切断されるので、それを見たライト兵は理解が追い付かず、大声で泣き叫んだり、呆然として立ちすくんだり、一目散で逃げ始める者もいた。アリスは逃げ出した兵士を追撃し、馬上から槍で突き殺していく。動きが止まった者、泣いて混乱している者は、ケンやリルの魔法やソララの連弩で倒されていった。


 戦闘が開始されて十分も掛からずライト兵は全滅した。生き残っている兵も確実に殺しておく、戦闘方法が漏れないように、またアーダチの住民を逃がしたことでアーダチが敵の標的にならないようにするためだ。


「一体に何が起きているの?」


「悲鳴が聞こえなくなった…」

 住民達は異変に恐怖し、その場で固まるように身を寄せ合っていた。


「シュビッツ! こっちに来てくれ」

 ケンはシュビッツ達を呼び寄せてから、住民に話しかけた。


「俺たちは味方だ! ライト兵は倒した! これからお前たちを逃がす。この石壁を無くすが落ち着いて行動するように、わかったか?」


「ああ、わかった! おい皆、落ち着け」

 住民の一人が代表して返事をし皆をなだめた。しばらくすると石が細かい破片に変わってその場で小さな山となった。完全に消滅させることも可能だが、それよりも細かい破片に変えた方が魔力消費量が少なくて済むからだ。


「うぉお」「壁がくずれた!」「ひいぃい」


「落ち着いてくれ、私たちはオーモリから来た兵士だ。これから開放するので決して暴れたりしないように」


「ひい」「ライト兵がいるぞ!」「兵士後ろ!後ろ!」

 助け出された住民はシュビッツ達の後ろにいるケン達を見て、ライトの兵士がいると勘違いし、怯えたり、シュビッツ達に注意喚起するなど再び混乱しはじめた。


「あれは味方だ! 敵を欺いて貴方たちを守るために出来るだけ近づく必要があったからだ。落ち着いてくれ」

 シュビッツ達は何とか宥めて、住民を開放していく。怪我をしている人はアリスとケンが治癒魔法で治していく。


「怪我治った!」「奇跡だ!」「ありがとうございます!」「神様!」

 住民達に物凄く感謝され、信仰に近い視線を受けることになった。アーダチで提供した物資を頂いたあと、馬車や荷車、ライトが持っていた武器なども住民に持たせた。ライト兵の鎧や死体は空間収納に格納し、生き残ったライト軍の馬は予備として連れて行く。

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