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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
1章 王都編

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01-07 夜明け

 朝日が昇り、周囲が照らされていく。まだ森からは出てこないが、森の中で休んでいたゴブリン達が動き出す気配を感じる。物砦の周りには死体が放置されていた。地面が見えなくなるほどの死体の数、少なく見積もっても五千から六千はあるように見える。先ほどから砦の中では食事の準備が行われており、ゴブリンの血の匂いに交じって良い匂いも一緒に漂ってきている。


「腹減ったなあ」

「ゴブリンでも食うか?」

「食う訳ねーだろ。そこまで腹減ってねぇーよ」

 ケンはお腹が空いていたため、朝食の匂いに思わず呟かずにはいられなかった。何かあるたびにアーロはふざけて、それにツッコムのはお約束であった。


「ゴブリン食うと筋肉つくんだし食べようぜ」

「迷信だろ信じるなよ。大して旨くねーし、そもそもこんな状況で良くゴブリンを食べる気になれんだよ」

「ほら見ろよ、ついてんだろ」

「おい馬鹿」

 アリスが筋肉第一の発言をし、あきれてケンがツッコム。ゴブリンの死体に囲まれており、これからもゴブリンと戦うのに、それを食べようなんて気にはケンはなれなかった。

 アリスは着ていた上着を脱いた。胸元はさらしで隠されてはいるが、人前でする格好ではない。筋肉が際立つようなポーズをして筋肉をアピールする。周囲の目がアリスに集中するため、なんとか止めさせて服を着させる。


 大きな鍋を持った兵士が城壁の上に上がってきた。ケン達や周囲の者も行列を作り、野菜たっぷりのお味噌汁とおにぎりを受け取る。冷えた体に温かい食べ物は籠城している者たちの気持ちを安心させるのに十分な効果を与えた。


「聞いてくれ! 第六砦周辺での戦いでゴブリンを四万以上倒した。第十砦周辺でも一万以上倒している。まだ森の中に隠れたゴブリンが多数いると思われるため、こちらへの救援は直ぐには行えないが、着実にせん滅を続けられている。救援が来るまでここで戦い続けるのが俺たちの役目だ。引き続き諦めずに頑張って欲しい」

「「「「「おおおーー」」」」」

 守備隊の隊長らしき人が拡声器を使って、砦全体に聞こえるように戦況と今後の見通しを伝えた。それを聞いた者は自然と大きな声で応え、戦意が向上していく。皆それぞれがやる気を声に出して、これから起こる戦闘に備えた。


 しばらくしてゴブリンとの戦闘が再開したが数が思ったよりも少ない。昨日は王都と反対側の道から増援が来ていたがそれが無い。王都側に続く道に進むゴブリンが遠くに見えるが、砦の周辺は千も居なかった。


「敵が居ない。どうしたんだろ?」

「戦っているのに隠れる何てしないだろうから、全部王都か王都と反対側に移動したんじゃないの?」

 第六砦の者たちも困惑していた。あれだけ居たゴブリンが減っている。今日も厳しい戦いを覚悟していたので肩透かしをくらっていた。とはいえ倒すのに越したことは無いので、城壁から狙い撃ちし着実に数を減らしていく。


 まともに立っているゴブリンが居なくなったことから、門の一つを開け、守備隊の一部が偵察に出る。槍を死体や重症を負っているゴブリンに突き立てて、確実に死んでいることを確認しながら砦の周囲を確認する。抵抗がほぼ無いことから他の門からも出撃し止めを刺していく。

 砦の周囲には脅威が無くなったため、少し偵察範囲を広げながら、死体や木材の片づけや、まだ使えそうな矢の回収、魔石の回収などを行っていった。


 第六砦側では今朝も大規模な戦闘があったものの敵の増援は無く、倒した後は森への進軍が始まっている。第十砦も敵の増援はなく、片付けと森への進軍が開始された。


「ねぇねぇ、これって助かったのかな? 良かったー!」

「多分、終ったんじゃない。あとはファームの発見と破壊だね」

 アキナが跳ねて喜びカニーナに抱き着き、カニーナがよしよしと宥めながら応えた。しかしアーロが水を差すような一言を告げた。


「うーん、なんか居ないんだけど居るような。全部出し切った感じもするんだけど、うーん。うまく表現できない。ウンコしたけどまだ腸に残っているような、残便感みたいな感じ?」

「汚ねーよ!」

「わかる」

「わかんのかよ!」

「落ち着け、そうじゃない。アーロの言うことも分からないでもない。なんかまだある感じがするんだよ。ただ、どっちかと言えば尿かな」

「おめーも黙れよ!」

 アーロがくだらないことをいうのはいつもの事だが、ダンダが乗ってくるのはたまにしかない。よっぽど安心して嬉しいんだろう。それを聞いたメンバーは皆笑っている。下ネタは誰もが大好きな鉄板ネタであったし、無事に生き残れたことに安堵していた。ケンもツッコミを入れながらもツッコめる事を喜んでいる。


「しかしあれだよあな。ケン面白いから芸人として食っていけるんじゃないの?」

「無理だろ。こんなの身内だから面白いんだって。芸人って芝居か歌か輪っかをたくさん回すような芸しかないじゃん。一体どういうジャンルになるんだよ」

「そうかなぁ。面白いと思うんだけど、些細な事でも指摘しないと済まないって芸」

「それ只の悪口だろ」

 アーロとケンのいつものやり取りが続く。この辺りではボケとツッコミという文化は無く、ケンのツッコミは状況次第では人気芸人になる可能性を秘めている。


  :

  :


 王都側から騎馬隊が到着し馬を砦内で休ませていた。多少の戦闘はあったものの、大規模な集団は見つからず、騎士団が森の中を探索しながら進んでいる。掃討戦に移行したと考えて良いだろう。


「ケン! ケン・サンフラワー!」

 ケンを呼びつける声が聞こえた。他にもケンが所属するパーティメンバーや救助活動に参加した人など約五十人が砦の中央に呼ばれた。


「皆聞いてくれ。現在大規模なゴブリンの群れは確認されていない。大半のゴブリンは退治された」

 守備隊隊長の宣言に、砦が歓声に沸く。


「皆良くやってくれた。本当に感謝する。全員素晴らしい活躍をしてくれた当然全員に感謝しているが、特に活躍したと私が判断したものを此処で紹介させてもらう。ケンサンフラワー! ここに」

「はい!」

「彼を含むパーティはゴブリンに襲われたパーティを救出し、救助活動の際に迫りくるゴブリンの追撃を防ぐための罠を張って撤退を着実なものとし、砦の侵入を防ぐための壁作成を最初に行い、城壁上の補給作業手伝いなど、複数の活躍をしてくれた。彼の活躍が守備に役立ったことは間違いない。私から直接だせる恩賞は無いが、上には一番活躍したと報告させてもらう。良くやったケンサンフラワー!」

 ケンの手を取り上にあげる。砦の中は歓声で満ち溢れる。残りのメンバー達も優秀な活躍を行ったと表彰されている。実際の報奨は後日あるだろうが、戦いが終わった後にこのような表彰することが習慣として行われている。


「本当に助かった。この後は残りのゴブリンを倒す作業だ。現在ファームの場所を特定するために、東西から森の中に探索を行っている。調査に協力が出来るものは、東門の方に向かってくれ。報酬は…」

 大半の狩人、樵、傭兵などが、参加を表明し、ケン達のパーティも参加することを決めた。

下ネタが鉄板ネタで、ボケとツッコミが無い世界観です。

とはいえ、これからは下ネタは避ける方向です。

ただ脳の中の世界観では、そうなっているんだよねぇ。

読者の好みに寄り添いたいと思うけど、バランスが難しいねぇ。


活躍した人の紹介は、そういう文化だからとしか、言いようがないな。

多分、後日褒賞が貰えなかったらおかしいから、手柄が奪われないように

そこで宣言して揺るぎないものにするとか、

そんな意味でもあったんじゃないだろうか。しらんけど。

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