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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-09 王女襲撃2

「待ってください!」

 王女はガスペンの交渉を遮った。馬車から出てきたのはニバン国王女のカステラ・デンワ・ニバンであった。


「この度は助けていただき大変ありがとうございます。あなたはケンなのですか? ポーションの製作者でもある? では護衛の怪我は貴重なポーションを使用していただいたのでしょうか?」


「いえ、治癒魔法です。治癒ポーションと同じ効果がポーション無しで使えると思ってください」


「はい? え? え?」

 治癒ポーション自体が奇跡のようなものなのに、何も使わずに同じ効果があると言われて、王女は理解が追い付かなかった。


「それで馬ですが、王都への救援に向かうために必要なのですが」

 ケンは相手が王女であるとは思っておらず、普通に交渉を再開する。


「ちょっと待って下さい。今頃王都は敵に囲まれていると思われます。城の中の兵と合流するのは困難であり危険です。貴方様のような貴重な人材を失う訳には行かないのです」

 王女とガスペンから王都の状況について説明があった。それを聞く限りでは、この人数で援軍に向かうのはとても危険であることが分かった。


「なのでイーチバンに更なる援軍を要請しに行きたいのです。ニバンが滅べば次はイーチバンなのは間違いありません」


「うーん」

 ケンは少し考えてから、アリス達に意見を求めた。


「騎兵なら幾らでも対処出来るし、歩兵なら百や二百なら余裕だと思うし、矢が雨のように来たらちょっと困りそうだな」


「はいぃ?」「へぇっ!」

 王女とガスペンはアリスの発言を聞いて理解が追い付かず、おかしな声が出てしまった。


「じゃあ装甲車で行く? ケンなら作れるでしょ、それなら矢が沢山来ても大丈夫」


「いや単独では厳しい、接近されて車輪壊されたら積む。視界も悪いしそれは駄目だな」

 リルの提案をケンは却下した。


「敵にとてつもなく強い人、強者は居ないのかな? 剣で切られても傷つかない人とか?」


「居ますね、将軍クラスだと数人いると思われます」

 アリスの質問にガスペンが答える。ケン達の故郷でも経験を積んだ人は物凄く強くなっており、普通の人が剣で切り付けても傷がつけることが出来ない。ある程度経験を積んだものが攻撃するなら傷を負わせることは可能である。


「となると、魔法が通じにくいかもね。過信は良くないかも」

 アリスは魔法にだけ頼るのは良くないと注意を促した。実際常人とは異なるほどの強さを持つ者は魔法抵抗力も高くなっていることが多かった。


「戦争で毒を使うのは禁止事項ですか?」

 ケンの質問にガスペンが答える。


「毒は非道な行為で戦争に勝っても他の国からの評価が下がり、今後他の国とも交渉が出来なくなる可能性が高まります」


「じゃあ、目つぶし程度だったら? 目を洗ったら多分大丈夫なくらい」


「それくらいなら。問題ないかと」


「じゃあ、目つぶしの粉を風魔法で散布する? それで隙が出来た際に突破するとか」


「矢の射程より短いから無理でしょ」

 ケンの案はアリスに却下された。


「夜のうちにこっそり侵入するのは?」


「うーん、それなら行けそうな気がするな。そこの死体の鎧を奪って仲間のフリをすれば気が付かれにくいだろ」

 ソララの提案にケンは賛成した。


「いやでも、城に近づけても壁があるため中には入れないのでは? それに敵の格好をしていたら、味方から攻撃されるかと」

 ガスペンはケン達の提案に抜けがあると思い懸念点を伝えた。


「あーそれなら問題無い。石壁、穴」

 ケンは魔法を唱えると自分の身長を超える位の石の壁が地面から生えた。そして石の壁に家の扉くらいの穴が開いた。


「はいぃ?」「はぁえぇ」

 王女とガスペンは、やはり理解が追い付かず変な声で反応してしまう。


「あの石はどこから現れたのですか? あと石に穴が開いた?」


「石は魔法で作った。その後同じく魔法で隙間を開けた。なので城壁まで辿り着けば中に入れるし、入った後はまた隙間を埋めれる」


「魔法って何? え?」

 王女はケンの説明を聞いても理解が出来なかった。


「冷たい!」

 護衛の一人が氷で出来た柱を興味本位で触り驚きの声を上げた。ニバン国周辺は温暖で氷を見ることは無く、氷が何かが分からなかった。


「それは水が固まったものだ。水は温度が低くなると固まるんだよ」


「それは分かりますがこんなに暑いのに氷が出来る訳がないです。そもそも寒くて凍ったとしてもこんな形になる訳が」

 ケンの説明に王女は納得が出来なかった。


「氷壁」


「「「「ええ!?」」」」

 ケンは見せた方が早いと思い魔法で氷を出現させると王女や護衛が驚愕し、護衛の一人は思考が追い付かず口をパクパクさせていた。


「ケン落ち着いて貰った方が良いのでは? 水でもご馳走したら?」

 リルに言われて、良い案だと思ったケンは魔法でテーブルを作り、空間収納から陶器製のジョッキを取り出してテーブルの上に置いた。空間収納から水差しを出しに、リルが蓋を開けて手から水を出し水差しに注いでから、ジョッキに水を注いだ。

 皆あんぐりと口を開けながら、ジョッキを受け取った。匂いを嗅いだりしながら飲んでいいだろうかと悩んでいたが、ケン達が普通に飲んでいるのを見て、護衛の一人が意を決して口をつけて水を飲み始める。そしてそのままゴクゴクと最後まで飲み干した。


「ぷはー。美味い! それに冷たい! お代わり貰えますか」


「ええ? 冷たいの?」

 周りもジョッキに口を付けて飲み始めるが、そのまま一気に飲み干してしまう。


「美味しい!」「冷たい!」「はぁー生きてて良かった」「私もお代わりください」「俺も」

 王女、護衛、シュビッツ達含めて水分補給をし、冷たい水に喜んでいた。


「ケン、貴方は物凄いお方ですね。力が計り知れない、王都に行っても大丈夫かも知れませんね」

 王女は想像のはるか上の力を見せつけられて、判断が出来なくなっていた。


「ケン殿。皆さまのお力は分かりました。ただ、オーモリまで護衛をしていただけないでしょうか。我々はどうしてもイーチバンに援軍を求めなければなりません。オーモリに着けば、そこからはニーヨンロク様に支援を要請するので、何卒王女をオーモリまでお願いします」

「「「「王女!」」」

 ガスペンから王女と言われて、今度はケン達が驚く番になった。

この章で出てきた国の王族は、そんなに洗練されていないよ。

食事も手づかみでいっちゃう感じ。

社交ダンスとか舞踏会なんてのも無いよ。

ケン達の大陸だともっと文化が発達してる。初代国王が結構時代を先どってた。

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