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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-07 決戦3

「お前等逃げるな! 止まれ!」

 現場指揮官の制止に従う者はおらず、ニバン国の兵は一目散に逃げ始める。最初は左翼だけであったが、その動揺や恐怖は軍全体に侵食し、全体で陣形が瓦解した。


「もういい無理だ! 本隊に合流するぞ」


「全軍本隊に合流だ! 急げ!」

 徴兵で集めた兵が逃げるのを押し止めるのは難しく、残った正規兵や指揮官は国王がいる本隊への合流を優先した。


 右翼も戦象によって大きな被害が出ていた。既に勝敗は決しており、掃討戦または追撃戦に移行する段階になった。逃げた兵は奴隷や支配後に税を納める貴重な財産であるため、態々追って殺すような事はしない。それよりも残っているニバン国の正規兵の残存部隊を倒すのが先である。まだ中央の本陣は瓦解しておらず、必死の抵抗を続けていた。


「お逃げ下さい。王都に籠城して再起を図りましょう」


「いや駄目だ! 我はここに残り、敗者としての責めを負う」

 国王は部下の説得を断り、最後まで戦う道を選択した。そこに騎乗したまま第一王子が駆け込んできて馬上から声を掛ける。


「父上! 撤退しましょう! ここは私が殿(しんがり)を務めます」


「駄目だ! お前は城に戻って籠城しろ、残存兵力をかき集めるのだ! ここに残り最後まで戦う、ここで王家の人間だけが生き残って、誰がこの後命を賭けて戦うのか! 時間がない早く逃げろ!」

 第一王子は苦虫を嚙みつぶしたような表情になった後、撤退を決意する。


「父上! ご武運を! 退くぞ!」

 第一王子と護衛の数騎が一緒に戦場から離脱を開始する。五か国連合軍は残っていたニバン軍本隊に対しての攻撃を強める。真後ろ以外は敵という状況で数が瞬く間に減っていった。しかしその間、戦場に残っていた兵は逃げ出すことが出来た。



「攻撃中止! 攻撃中止だ!」

「攻撃中止!」

 八千程いた本隊が半減したところで五か国連合軍の攻撃が止まった。ニバン軍側もその停戦命令に応じて戦うのをやめる。


「降伏せよ! 降伏すれば命は助ける」

 投降の呼びかけに、王は降伏を受け入れるよう指示を出した。そして持っていた短剣を首筋に当てて一気に振り下ろす。真っ赤な血がばっと周囲に飛び散る、護衛が近寄って首筋を押さえるが血は止まることはなく、そのまま息絶えた。

 武装解除したニバン軍は捕虜として捕まり五か国に分配された。戦場では負傷兵の治療と助からない兵への止めを刺していく、苦痛を和らげるのは慈悲であった。


 五か国連合軍は十三万中一万、ニバン王国軍は二十万中五万がこの戦いで命を落とした。ニバン王国ではヒーダリ砦を除き、まとまった戦力らしい戦力が無いため、これ以上戦うのは非常に困難な状況であった。

 ヒーダリから王都まで五万の兵士を移動させたいが必要な物資が確保出来ない可能性が有る。途中の街や村、兵站基地はほぼ放棄されており、補給計画が立てられなかった。もし援軍を出すのであれば、派遣出来るのは五千と算出された。その兵を送るかどうするかを検討した結果、ヒーダリ砦の指揮官は王都に援軍を送らない判断を下した。


 運が悪いことに、第一王子は野盗に襲われて命を落としていた。王妃は戦場に出た王と王子が戻らないため引き続き全軍の指揮と国政を担っている。

 五か国連合軍は進軍を再開しており、王都まで後一日というところまで近づいていた。先の戦いで残された物資の多くが五か国連合軍に渡っており、食料が補給できたことで進軍速度があがり、想定よりも早く進軍することが可能になっていた。


 先の決戦に多くの兵を割いたためこの王都全体を守るには兵が足りない。一番外側の五か国連合の進行方向の壁の上に大半の兵士を集中しして配置した。ただ、破られるのは時間の問題であるため、一番外側の壁と二番目の壁の間にある住宅は放棄せざるを得ない状況となった。


 厳しい籠城戦になることが予想された。一番外側の門を突破されてしまったら二番目の門では周囲に建物が複数あり、敵兵が容易に接近出来てしまう。


 援軍が到着するまで死守することは難しく、落城する可能性が高いと将軍は判断したため王女に少ない護衛を着けてイーチバンへ向かわせることになった。王家の血筋を残すことと、さらなる援軍を要請するためだ。


  :

  :


「なんだ、この効果は信じられん! 奇跡の薬だ!」


「これが大量にあれば、勝利が確証されたのに!」

 ケンのポーションは王城に届いたが決戦の戦場には間に合わなかった。戦場から帰ってきた負傷兵に対しては、ポーションを使い治療に役立てることが出来たのは大きな恩恵であった。王城内広場の仮設病床に千人を超える負傷者が集められており、明らかに今までの治療とは異なる効果が確認出来た。


「この薬を作成した者を王都に呼べれば、籠城しても勝機があるのでは?」


「無理だ! 到底間に合わない。それよりも敵側に捕まらないようにイーチバンに逃がした方が良いのではないか」

 王城内の戦略兼執務室では議論が行われていたが、既にケン達一行は王都に向けて出立していた。離れている場所に対して素早く連絡する手段が無いため、このような行き違いは良くあることであった。

王は、捕虜となったら人質として使われる可能性があることを危惧してました。

死ぬことが大事で、生き残ってしまうと、開城を迫る道具になる、

この後戦争に参加する者がいなくなる可能性も危惧してました。


戦意がなくなって、人が逃げ出したら、それにつられて逃げ出した人が多かった。

そしてそれを見てさらに逃げ出す。

奴隷にはなりたくないけど、死にたくも無いんだと思う。

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