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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-06 決戦2

 五か国連合軍はニバン軍に向けて前進を開始した。ニバン軍側も左右に配置した部隊が外に広がるように前進する。相手よりも数が多いため包み込むような鶴翼の陣にしたいが、両端だけが進んで他の前進が若干遅れ気味になっている。


「五十番から六十番隊は右斜めに前進、前進しろ前進だ! 右斜めだ!」


「遅れているぞ!」


「よし一旦止まれ!」「止まれ!」

 徴兵された兵が多いところは現場の指揮官達が声を荒げて動かす。何とか陣形を整えて、相手が近づいてくるのを待つ。お互いの距離は一kmくらいまで接近している。


「敵が見えるぞ」

「こえーよ」

「手が振るえる。なんでこんなところに、俺農家なのに」

「そこ! 黙れ! 弱音を吐くな! ここで負けたら奴隷落ちだぞ! 家族が殺されるんだ! 奮い立たせろ! 敵に向けて罵声を浴びせろ! 声を出せ! もっとだ! 相手を声でビビらせろ!」

 動揺して浮足立って弱音を吐いている徴兵に対して、現場の指揮官は声を発するように指示を出す。大声を出すことで自分自身を騙し、周りも騙す。


 五か国連合軍も若干外に広がりながら前進しており、各国毎の間は若干の空いている空間が出来た。最悪の場合は軍同士の連携が取れず孤立する可能性があったが、ニバン側に高度な用兵が出来るとも思えず、逆に広がれば広がるほど、ニバンの陣形が乱れると考えていた。ニバン軍も更に外側に広がり、相変わらず五か国連合軍を包み込むような形は維持出来ていた。互いの距離は五百mを切った。

 ニバン軍側は左右と中央に配置した部隊から弓兵(きゅうへい)が一番前に出て、弓を斜め上に構える。互いの距離が三百m位まで近づいたところで、ニバン軍側からの攻撃が始まる。


「放て! 構え! 放て! 構え! 放て!」

 それぞれ数百の矢が飛んで行く、三回弓を射ったところで、相手側からも矢が降り注ぐ。弓を構えている兵は無防備であり、何人も弓兵がその場で倒れこむ。怪我をした者はその十倍にも及ぶ。


「怯むな! 構え! 放て! 構え! 放て!」

 お互いに兵が消耗していくなか、最も近いところで百五十mを切った。


「弓兵後退! 後退だ! 急げ!」

 弓兵が一番前から後方に向かってから走り出す。大けがをしている者はその場でうずくまったり、少しでも後ろに下がろうと這いつくばりながら必死で移動する。


「おい、味方の兵が引いているぞ」

「大丈夫なのか」

「集中しろ! あれは戦術的な後退だ! もうすぐ敵がくるぞ覚悟を決めろ! 相手の方が多く死んでる このまま戦えば勝てるぞ! 声を出せ! 声で殺せ!」

 弓兵が倒され後退するのを見て浮足立つが、現場の指揮官が声を荒げて、逃げ出さないように鼓舞する。徴兵された者はとにかく大声を出しまくった。


 最も西側に配置されたニバン軍左翼に向けて、ヒダリオーク軍が迫る。一番先頭は約六mにもなる長い槍を構えて全身を鎧で固めている重装歩兵だ。矢が鎧や腕に刺さるがそのまま突き進む、致命傷を負ったものはその場で倒れこむが後続の兵はそれを乗り越え、穴を埋めるように前進し陣形を維持しながら進む。

 ニバン軍左翼もヒダリオーク軍に向けて同じような長い槍を構えて待ち受ける。五か国連合を包み込むよう形になっており、ヒダリオーク軍は正面と斜め左からも攻撃を受ける形になる。ヒダリオーク軍は正面方向に槍を構えている。


 互いの距離が百mを切るくらいのところで、デカサイ騎兵隊が弧を描くように一旦外に大きく膨らんだ後、ニバン軍左翼の横腹を突く形で突撃してくる。九頭の楔形陣形で、すぐその後ろも更に九頭が続く。更にその後ろには千を超える騎兵が続いた。

 ニバン軍左翼の一番外側、側面を守っていた兵は向きを北側に変えて騎兵の突進に備える。三列目や四列目に控えていた一部の兵も側面守備にまわった。構えるのは槍ではなく丸太。先端を尖らせた三m程の丸太を何十本も構える。

 丸太を持っていないものは自身の槍を騎兵に向けて構えた。一番先頭のデカサイに複数の丸太や槍が刺さる、しかし突撃した勢いは減らすことが出来ず、槍を構えた兵を吹き飛ばし三十程の兵がその突進に巻き込まれた。先頭のデカサイの三頭は倒されたものの、すぐに残りのデカサイも突撃してくる。

 最初の突撃で槍衾が維持できなくなっており、後続のデカサイに吹き飛ばされ、踏みつぶされていく。ニバン軍も騎兵を出して、突進してきたデカサイの側面及び後方から襲い掛かる。更にその後ろをヒダリオーク軍の騎兵が後ろから襲い掛かる。

 ヒダリオークデカサイ騎兵は更に前進しニバン弓兵がいるところに突っ込んでニバン軍側に被害が拡大していく。そんななか、ニバン左翼とヒダリオーク側の重装歩兵も激突し互いに数が減り始める。


「突撃! 突撃! 殺せ!」

「うぉおおお」「殺せ!」「やってやる!」

 徴兵された兵達が指揮官の指示で突撃を開始する。ニバンは相手の重装歩兵の正面と斜め横から接近していく。斜め横から突撃する部隊は少し得物の長さが短いものを装備している。相手は正面の敵と戦っており側面からの攻撃には弱い。剣や短い槍を横から何度も刺しこむ。少しずつ相手の横に取りつき、少しずつヒダリオーク側の兵を削り始める。


「第二隊前進!」

 ヒダリオークの側面を攻撃している敵に対して、今度はヒダリオーク側から追加のファランクスがニバンの側面攻撃をしている部隊に対して側面攻撃を仕掛ける。長い槍が徴兵された兵士の弱い防具を貫き、ものすごい勢いで死傷者の数が増えていく。


「百から百二十隊突撃! 側面を攻撃しろ!」

 ニバン左翼軍の別動隊に指示が飛ぶ。


「うぁああ」「うわーん」「殺せ!」

 徴兵された兵士は、声を腹から出し、中には泣きながらも槍を構えてヒダリオークの第二隊の側面に対して襲い掛かる。やはり側面攻撃には弱いが、ヒダリオーク側からも軽装歩兵が出て側面攻撃を阻止しようと乱戦になっていく。


 左翼に突撃したデカサイや通常の騎兵は隊列を組みなおした後、ニバン国の左翼歩兵に対して、後ろから突撃していく。異変に気が付いた兵たちは右往左往しはじめる。恐怖のあまりその場を離れて逃げ出す者が出始めた。

 一度逃亡が始まると瞬く間にそれが全軍に伝わっていく。残っていれば死ぬ可能性が高くなる。武器や防具を投げ捨てて一目散に逃げ始めた。

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