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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
3章 ニバン王国紛争

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03-03 オーモリの酒場

「なあ、ナイフ持ってるか? よく切れる? ちょっと見せてよ。おっ切れそうだね。じゃあちょっとそのナイフで俺の手のひらを刺してみてよ」

 男性の手にはよく切れそうなナイフが握られている。ケンは話を遮ってきた男性に手の平を向けた。


「正気か?」「あぶないぞ」「あいつの手、肉球無いな?」「いやそれより毛が少ないぞ」

 周りが心配してざわつく。


「阿呆か刺すわけねーだろ。お前もそんなサギっぽい事は…」


「あっ!」

 遮ってきた男性が断ろうとしたところに、ケンは声を上げた後、目線で男性の斜め後ろを眺めた。その視線につられて男性の気が他に向いた瞬間、ケンは片方の手でナイフを握っている手を固定し、もう片方の手のひらをナイフに押し付け、ナイフを奥まで突き刺した。ずぶっと刃が手の平を突き抜けて甲から刃の先端が出ていた。驚いた男性は固まってしまったが、ゆっくりと手を抜くとケンの手の平と甲から血がだらだらと流れおちる。


「おっお前馬鹿じゃないのか!?」

 遮った男性は狼狽(うろた)えながら、ケンを非難する。


「ほら切れているのが見えるか?」

 傷口をわざともう片方の手で広げて見せる。


「絶対阿呆だろ!」


 ケンは先ほどのポーションの残りを手の平と甲に掛けると、傷口があっという間に塞がっていく。アリスが差し出した手ぬぐいで手を拭くと傷口が目立たない状態になっていた。


「まじか!」「おいその薬を売ってくれよ!」「ああ俺も欲しい!」「いくらだ!」「お前等押すなよ!」


「静かに! 静かにしてくれ! 落ち着いてくれ! 在庫がほとんど無いんだ。ちなみにこの一瓶で中金貨一枚だ」

 静かになるのを待ってケンは価格を告げた。


「高い!」「いやでもそれだけの価値があるだろ」「中金貨なんて持ってねーよ」「買う! 今は手持ちがないから取ってくるから売ってくれ!」「俺も買う!」 

 戦争の危機、命の危機が差し迫っている中、信じ難い効果がある傷薬は、誰もが欲しがった。


「落ち着いて欲しい。俺はこの薬をこの国に納品したい。そして戦争で怪我をした者を治すのに役立てて欲しいんだ」


「おおぉぅ」「ああぁあ」「そうか」「そうだな」「じゃあ俺らが怪我した時に使われる可能性があるってことか?」

 ケンが国への貢献を口に出したことで、流石にそれを割り込んで買おうと表立って口に出せる者は居なかった。


「そこでお願いなんだが、この薬を沢山作りたいし、国に売りたいんだ。ここの領主ニーヨンロク様に紹介していただけないだろうか」

 酒場がざわつく、誰もがどうやって紹介しようかと考えている中、先ほどナイフで突き刺した男性の同僚がケンに話しかけた。


「俺はこの街の守備隊に所属している。守備隊隊長に紹介するから守備隊長から領主に相談するといのはどうだろうか?」


「良いね。ぜひお願いしたい。俺はケン、ケン・サンフラワーだ」


「え!? お前がケンなのか!」

 話しかけた男が驚いたが、周りの客も全員驚いた。

「うそ! ケンって本物なのか?」

「本当だ体毛が少ない!」

「強者ケン! 本当に居たんだ」

「ケン! ケン!」


「俺はシュビッツだ。よろしく」

 話しかけた男は平静さを取り戻し、ケンとシュビッツは握手する。


「じゃあ早速だが今から良いか?」

 もう既に夜だがケン達は快諾して一緒に守備隊隊長宅に向かう。隊長宅で酒場で同席していた守備隊隊員達による説得と実際の効能を身をもって確認してもらった。


「なんじゃこりゃ! 凄いなんてもんじゃないぞ!」

 隊長も効能に驚き、直ぐに領主に紹介することを決めた。この日は安全確保の意味も兼ねて隊長宅に泊まることになった。翌日隊長と一緒に領主の館に向かう。


 突然の訪問ではあったが、隊長が態々突然訪ねて来るにはそれなりの理由があるはずであり、ニーヨンロクは直ぐに会うことを決めた。


「至急の話とは何だ。それとその連れは?」


「彼はケンです、名前を聞いたことは無いですか?」


「おお! あのケンか、確かに毛が少ないな。うちにも照明の魔道具があるぞ、あれは便利でしかも臭わない! それでいて火事になる危険性も低いし、とても重宝しているぞ」


 ニーヨンロクの話が長くなりそうだったので、隊長が会話を進める。


「ケンの作る傷薬、ポーションというのですが凄い効果なのです。怪我をした者を一瞬で治したのです。それを国に納めたいということなので是非ご協力のほど」


「おい! お前が理由もなく、このような事を言い出すとは思えないが流石に…」

 普段の信頼関係から隊長の話を一方的に打ち切ることはしなかったが、その話をそのまま信じるほどお人好しでも無かった。ここでも効果をデモンストレーションを行う。その効果を確認した後、領主自ら自分の腕に切り傷を作って本当に治ることを確認し、効果を信じることにした。


 現在避難民が寄せてきており、街に空いている場所が無いので領主の館の庭に工房を建てることになった。販売価格などの細かい条件もその場で行い、作成に必要な材料の確保も街全体で協力体制を構築、その分価格は安く設定された。今回デモンストレーションで利用したポーションは品質としては中級である。少し効果が落ちる低級ポーションは更に安い値段で提供する。低級であっても効く速度と効能は若干劣るものの、既存の傷薬と比較すれば効能は高く有用であった。


「でも、ここに炉を作るといっても職人の手配をしないと、誰が良いか…」


「あっ大丈夫です。すぐに作っちゃうんで。家」

 ケンはニーヨンロクの話を途中で遮り、二階建ての石造りの家が一瞬で作成された。


「…。はっ!? ええーー!!」

 あまりの出来事にニーヨンロクは声を出せず、その後思いっきり叫んだ。そんなことを気にすることなく、ケンは家の中でガラス瓶作成用の炉や、石造りの家具をどんどんと作成していく。その光景をニーヨンロクと隊長は、ただただ呆然と眺めていた。


「…ケンよ。これは一体?」

 作業がひとしきり終わったところで、少し正気を取り戻したニーヨンロクが質問した。


「あー安心してください。作業が終わったら全部無くすので」


「「いやそこじゃねーよ!」」

 ニーヨンロクと隊長が声を合わせてツッコミを入れていた。

シュビッツはモブキャラなので、名前を覚える必要は無いと思う。

後から出るかも知れんけど。

登場人物多すぎるとさ、覚えきれないから増やしたくないんだよね。


ケンとアリスは、普段からワザと怪我をして治療する練習をしているので、

怪我を負うことをためらわないです。

強者でも自ら怪我をしようと思えば怪我出来ます。ご都合主義かな。

万が一ポーションの効きが悪くてダメだったらアリスやケンが自分で治癒魔法で治すから

自傷行為はしても大丈夫です。


酒場で阿呆といったり、馬鹿といったりしてたけど、多分本人は混乱していて、

咄嗟に出た言葉だと思う。混乱しているなかでも声に出せるって結構凄いよな。


この国とイーチバンでは、貨幣の体系はほぼ同じ。10進で次のものになる。

銅貨→大銅貨→銀貨→大銀貨→金貨→中金貨→大金貨

今まで書いてきたつもりだけど、同じような商品でも買う場所や条件によって価格は変動するから。


最終的にお金持ちになって欲しいから、この世界全体の金の含有量はある程度高く設定。

地球の数十倍以上、下手したら百倍以上で。とはいえ、貴重な物だから価値はある感じで。

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