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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-44 商売20

 ケンの宿屋ではニバン王国の戦争の話題が多くのぼっていた。大抵は憶測の話ではあった、本当の話も混ざってるがそれを正しく分析出来るものはこの場には居ない。ニバン王国は五つの国と国境を面していて、一つは南に位置するイーチバン共和国であり友好国だ。

 今回はニバン王国の右側に位置するライト王国、右斜め上のウエライト王国が同盟を組んで攻め入った。

 ニバン王国の上に位置するオオキナウエーノ国と左に位置するレフート国が戦争中であり、そちらには戦力を割く必要がなくなるだろうから戦力を集中出来るため、勝てる、負けたとしても大敗は無いとニバン王国の国民には思われている。


 イーチバン共和国からも援軍を出す旨の御触れがヨコハの街にも出された。近隣の村や街からも兵を募るし、常設軍も派兵される。イーチバンの国民にも話は伝わっているが、ニバン王国やイーチバン共和国が負けるとは思っていない。今までも勝ってきたし、これからも勝つと信じている。

 イーチバン共和国の国力を一とするなら、ニバン王国は五、その他の国は二から三。それぞれの国はニバン王国以外にも国境を接しているため全軍を出すことはなく、いつもであれば、国境の村の幾つかの所有権が変わる程度で終わるはずである。


 ケンの宿屋にはイーチバンからニバンに向かう傭兵や商人の宿泊が多くなっていた。宿は満室であるため空き地への野営も許可している。


 ケンは戦争に備えた今後の方針について、アリス達に相談する。


「戦争が始まった。国境の周辺の村や町が襲われて難民がカマータまで避難してきている。ライト、ウエライト二か国が相手で、戦力的にはこっちが上だから負けるとは思わないけど。

 俺たちも強くなってきたし、戦争の被害が拡大すると治安が悪化するかもしれないし、難民が増えて孤児が出るかも知れない。物があっても買う余裕がなくなるかもしれない。状況が悪化する前に何かしらの形でこの戦争に協力したい」


「戦争に行くなら私も行くよ。戦いがあれば活躍出来ると思う。戦闘でも治癒魔法使いとしてもね」

 アリスはどちらかといえば脳筋なので戦うことに躊躇(ためら)いは無かったし、ポンポ様の教えにも”必要なら戦え”とあるので、戦争に忌避感(きひかん)も無かった。


「私はどちらでも良いですが、戦争があるならストックしていた武器が売れるかも」

 リルは商売のチャンスとみている。想定している納品先は国であった。


「師匠、私は師匠の方針に従います。戦闘になれば虎系獣人としての本領を発揮します! あとポーションが売れるかも…」

 ソララは元々戦う事が得意な種族であり、戦うことに躊躇いがなかった。戦いによって治癒ポーションの実績が出来るかもと期待もしている。


「反対は無しか。戦争によるメリットを感じているようだし、行くか! ニバン王国優勢みたいだし。サンフラワーここにあり! と言えるような戦果を挙げて見せるぜ!

 戦争終了後の敗戦国(ライト、ウエライト)や戦争状態の国(オオキナウエーノ、レフート)には物が売れないだろうから、しばらくは不景気が続くかもなあ。魔道具以外の売り物を考えないとな」

 ケン達は大分楽観視していた。国全体がそんな雰囲気だったので、ケン達だけが悪いわけではなかった。

 ケンは食料や酒、ポーションの原料となるもの等ヨコハで買い付けを行った。食糧事情悪化に備えて、新たに五ヘクタールほど二千五百木程伐採した。後日ケンが不在な時でも農地が使えるようにするため、耕してからその上に伐採した木材を積んでおく。


「ガイ達はこの宿の守りを頼む。サラ、帳簿や給与の支払い、必要なものがあれば自身の判断で買って良いから経営を任せたから」

 ガイ達はみな任せろと即答し、ケンを安心させた。


「ケン、戦争なんて危ないよ」

 サラは心配そうな顔でケンを見つめる。マルレはアリスの腰に抱き着いて泣いていた。


「大丈夫、俺達も強者だ! 簡単には死なないし怪我しても治癒魔法とポーションがあるから。それに難民も増えてきて、いずれ食糧難になるかも知れない。戦争を早く終わらせて安全に暮らせるようにしたい。戦争が拡大して孤児が増えるかも知れないし、全員は救えないから原因から取り除かないとな。それに見てれば分かるだろ? 俺たちは凄いって」


「うん分かった! 必ず生きて帰ってきてね。宿は頑張るから!」

 そしてサラは泣きながらケンに抱き着いた。ケンはサラの頭を優しくなでる。


 ケン達はカマータに向かった。多くの商人や兵隊が同様にニバン国を目指している。魔物が襲ってきても、ケン達が戦うよりも前に他の者たちが倒してしまい、いつも以上に安全に移動出来た。

 国境の関所は、殆ど確認らしい確認はせずに通過させている。戦争中であり援軍や物資の搬入が遅れると致命的なことになりかねない。ほぼ止められることなく関所を通過した。


 そしてニバン王国の国境の街カマータに到着する。宿は戦争の影響か軒並み埋まっており、広場にはテントが多く並び空きスペースは殆どない状態になっていた。ケン達は城壁の外側にある野宿スペースにテントを張るつもりであった。

 商品の品ぞろえや価格を確認した結果、食料品は通常時と比較して若干高いが暴騰はしていなかった。状況が分からないので様子を見ながら価格を上げている性だろう、戦争は遠く離れた国の反対側で行われているので、情報が届くのに物凄く時間が掛かる。国や軍隊でもなければ、正確な情報など知りようも無い。


「情報収集してから向かう先を決めよう」

 ケン達は酒場で話を聞くことにした。

頻繁に戦争しているから、戦争が当たり前にある世界だよ。

アリスは騎士団に入っているくらいなので、戦争に忌避感ないよ。

ケンも初代国王に憧れているので、戦争で成り上がりたいと思ってるよ。

リルも武器が売れる商機と思ってる。

ソララは数年前に父親が戦争で亡くなっているけど(初情報だね)、

そんなものだと受け入れてる。


二章終わったし、評価やブックマークしてくれると嬉しい。

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