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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-39 商売15

「ケン相談がある。街道沿い側の森は視界が通らないから少し伐採したい」

 エドは夜の見回りをして気付いた問題点をケンに相談した。


「なるほど。じゃあ、伐採に合わせて柵も作っておくか。客が噂していたんだけど最近山賊がカマータ周辺で活動しているらしい」


「ケン。他にも何か対策ないの? もっと備えておこうよ」

 アリスはスラムの子供達を守りたかった。


「うーん。あんまり派手にやると目立つからな」


「もう大分おかしな噂が出回っているから、自重しないで良いんじゃない?」

 アリスは心配だったので、深く考えずに全力を出せと言っていた。ただ、ケンに対しては色々な噂が出回っている。


「何かあってからじゃ遅いか。じゃあ全力でやるか!」


 ガイは自重って意味を勘違いしていたと思った。

 ダルはやっぱり神様なんじゃないかと思った。

 エドは今までが全力じゃないってどういう事だ? 全力出したらどうなるんだ思った。

 シュンレイはケンの全力を楽しみにしていた。

 ザンギはケンが今まで目立っている認識がなかったのに驚いていた。


 ケンはひと目を気にせず、全力で魔法を使い始めた。街道沿いの木をある程度伐採し見通しを良くした。街道から宿屋の間には堀と柵を作り、宿屋の敷地は石の壁で囲った。石畳以外の場所からの侵入は難しくなり、壁の上は歩廊になっており胸壁も備えた。

 また狭間も用意し建屋の中からも弩や弓を射れるようにした。建物の上にも塔を設置し、万が一壁を占拠されても、さらに上から攻撃が出来るようにした。他にも多数の備えを行い守備力を高くした。


  :

  :


「なあ、おい、宿屋じゃなくて砦じゃねーか。お前等何を偵察していたんだ!」


「いや、一週間前は確かに宿屋でした。俺らも驚いてるっす」


「驚いてるっす。じゃねーよ。どうすんだこれ」

 ベガは手下を怒鳴りつけたが、怒鳴ったところで解決するはずもなかった。ただ、もう目の前まで来ているし、この件に投資したリソースが無駄になってしまう。ここで金貨数枚でも稼いでおきたかった。既に四人が宿に泊まっており、騒ぎに乗じて内部から攻撃する手はずになっていた。


「まあ石畳を進めば他よりは進みやすそうだ。宿屋の外壁に繋がっている門の前で待機して、門が開いたら一斉に雪崩れ込むぞ。宿を囲んだら内部に笛で合図だ。入り口が開いてなければ扉をぶっ壊す。内部からも玄関に向かって降りてくるはず。内部から開けられるかも知れん」

 ベガの指示に従い、空を飛べる獣人が最初の門を開けようとする。


「あれ? (かんぬき)が動かないぞ。鍵が掛かっている」

「おい、早く開けろよ」 

 閂は鎖と南京錠のようなもので固定されており開けられなかった。


「もう荷物を足場にして乗り越えちゃえよ、次の門を開けろ」

 持ってきた荷物を使って足場を作り最初の門を乗り越える。

 宿屋の敷地内全体を囲っている壁と一体になっている門を開けるため、獣人が飛んで敷地内に入る。門を開けようとするが宿屋の方から矢が飛んできて、何本かが侵入者に刺さった。少しでも攻撃を避けようと壁の内側に張り付く。エドとザンギが連弩を使って侵入者に攻撃していた。


「開けられない! 矢で攻撃されてる!」

 侵入者が大声で助けを呼ぶと宿屋全体が明るくなった。宿屋の三階部分から、ケンやアリス他数人が出てきて、弓や連弩を使って攻撃をしはじめる。宿屋近くに怪しい集団が近づいている事のを見つけて、迎撃の準備を行っていた。大きな音が宿屋全体に響く。


「この宿屋のケンだ! 山賊だ! 部屋から出るな! 同士討ちを避けたい! 俺らが対応する! 繰り返す、部屋から出るな! 外に居るのは山賊とみなす!」

 宿屋内に設置された音響の魔道具によって宿屋全体にケンの声が行き渡った。宿屋内に宿泊していたベガ一味四人は、宿屋の入口を開けて外から人が入れるようにした。その後最上階に向かって階段を上るが、最上階にあがる階段は施錠されており進めなかった。突然赤色が着いた粘着性のある液体が壁から大量に噴射され、目から涙が流れて、咳き込み戦闘どころではなくなった。液体は体や服に染みついており、簡単には落とせない状態となった。


 一方ベガは門が開かないと分かった瞬間、近くの残っていた木を伐採し壁にたてかけた。そして鉄製の棍棒を敷地内に放り投げ、直ぐに木を登って壁の中に侵入した。棍棒を拾い上げると門を力任せに殴りつける。

 ベガに向かって連弩の矢が降り注ぐが、当たっても弾かれていた。リムが火の矢を唱えるが、ベガに当たると消えてしまった。強者は一定以下の攻撃を受け付けない。


 ベガが棍棒を二度、三度と殴りつけると門の閂は壊れた。そしてベガは門を押し開く。ベガ一味が敷地内に侵入してくる。門に集中したタイミングを見計らって、刺激物が周囲に散布された。門や石畳一帯に散布され、全員が目を押さえたり、咳き込んでいる。バランスを崩して転倒したり、目が見えずに他の者にぶつかって転倒するなど混乱を極めた。

「痛い! 痛い!」

「くそっなんだ!」

「目が! 目が!」

「ゴッホ、ゴッホ」


『今だ撃て』

 ケンがシュンレイに以心伝心で命令する。宿屋の一階に設置してある仕込みバリスタのカバーが外れて、そこから大きな杭ほどの矢が射出された。門、石畳の正面にあるため、射線上に居た複数人に当たり、手がちぎれ、腹に刺さり、人が刺さったまま矢は飛び続け、人が別の人にぶつかって被害が拡大する。街道手前の門に当たって矢の先端は割れて門も破損した。周囲に爆音が響いた。


「手がー手がー!」

「こんなん聞いてねえよ!」

「死ぬ! 助けてくれ!」

「もうだめだ!」

 石畳にいた数人は門を乗り越えて街道側に逃げて行く。ベガも太ももの一部が欠損するようなダメージを受けていた。アリスが三階から飛び降りてベガを切りつけると腕が少し切れた。ベガは目を殆ど開けられず、滅茶苦茶に棍棒を振り回していた。アリスは慎重にそれらを躱して、足や腕を切りつけていく。


「アリスどけ!」

 ケンの一声でアリスは遠ざかり、ケンは強酸が入ったガラス瓶をベガに投げつけた。


「ぐあわああ」

 ベガは悲鳴を上げ激しく暴れまわる、ジュウジュウと肉を溶かす音が聞こえる。ソララが槍を投げつけると背中に刺さり、その衝撃で地面に倒れる。アリスは少し離れたところから真空切りを行い、ベガに傷を増やしていく。

 うめき声が聞こえなくなるまで攻撃を加えていき、声が聞こえなくなったところで、念押しでソララが槍で胸を貫いた。衝撃で槍が折れたがベガは確実に死亡した。


「ケンだ! まだ部屋を出るな! 残党がいる! 部屋を出るな!」

 音響の魔道具で宿内に部屋から出ないように伝えた。ベガの一味で宿泊していた四人は、部屋に戻って目や体についた液体をぬぐっていた。少量の水では落ちきれず、まだ涙を流していた。

 ケンはベガ一味についた液体の痕跡を追い、二〇三号室に入っていると確信した。壁の一部を消して中をのぞくと苦悶している様子が見えたためこの部屋だと確信した。


 部屋の扉を消して、剣と盾で武装したアリスが先頭に乗り込む。


「降参する!」

「まて、降参だ! ごほ」

「死ぬ!助けてくれ」

 全員武装を解除し、両手足を縛った後に治療を行った。


「山賊は倒した! これから安全のため全部部屋を確認する。協力よろしく」

 ケン達は全部屋を確認し赤い付着物がついている人は確認出来なかったので安全を宣言した。


 翌朝宿から出た宿泊客は、玄関横に置かれているベガ一味の死体を見て驚いていた。


「これベガなのか? 顔が焼けただれているけど。強者を倒すなんて」

「全身ただれているぞ。何をしたんだ」

「強者にけがを負わせるとか、いや倒すなんて凄いな。この宿は」

 強者と呼ばれるような強い者は、簡単には傷つかないし死なない。こちらも強者を当てないと攻撃が通らない。この宿はそんな強者を撃退出来るというとんでもない存在だと思われた。

歩廊、壁の上が歩けるようになってます。

胸壁、壁に高い部分と低い部分があって、低い部分から矢を打ったり出来る。

狭間、壁や塀に穴が開いており、そこから内側から外側に攻撃する。

閂、門や扉を閉じるために、門や扉が動かないように固定する仕組み。


悪い奴に情けはいらない。捕まっても死刑か、強制労働になる。

刑務所なんてないし。

自分達の命最優先です。


石や土を消せるように。魔法で出した水なども消せます。

最初部屋に隠れていた四人を水攻めにしようかと思ったけど、

水の重さがトンでもない(十数トン、とんあるじゃん)重さになりそうだから止めた。


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