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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-38 商売14

「ニバン側の貨幣で約金貨十枚。イーチバン貨幣で約金貨三十九枚、税金がニバン貨幣で金貨五十枚だから、両替すると一割減るし、約金貨五枚足らないな。まだ二週間あるから、魔道具でも売ればなんとかなるか。

 それに何本あったかなんて分からないし、払える金額を先に払って、あとから分納すれば良いだろ。まさか一か月以内に五百本伐った思わないだろうしな」

 とケンは話していたが、翌日、カマータの役人が訪ねてきた。


「伐採済の木が六百本確認出来ました。納税済の本数が百本なので、五百本分が新規伐採だと仮定しました。忘れずにカマータの役所または商業ギルドまで来て納税してくださいね」

「はい」

 伐採が進んでいることが噂になっており役人が派遣された。森の中で乾燥中の木を確認した上で、納税するように念を押される。人はうわさ話を好んでいるため、面白そうな話、不思議な話は、直ぐに出回ってしまう。

 ケンは納税分のお金を稼いでから、伐採作業に着手すると心に決めた。その後魔道具が売れて問題なく納税は完了した。


  :

  :


「おい、異常あるか?」


「ないよ。特に問題なし。夜目が利かないから見張りは向いてないんだけどな」

 虎系獣人のダルとカラス系獣人のエドが夜の見回りをしている。宿屋には複数の照明が設置されており周囲から誰かが近づけば見張りに見つかるはずだ。宿泊者の荷車も専用の鍵付き小屋に格納しているのでバレずに盗みを働くのは難しい。


「なあ、ケンの事なんだけど」


「ダル、またかよ。ガイが本人に聞いて違うって否定されただろ」


「いやだってさ。何も無いところから水やお湯や石を生み出したり、大きなものでも一瞬でなくなって、それを直ぐに出せるんだぜ」


「魔法だっていってただろ」


「でもさあ。納得できないんだよなあ。俺たちみたいなスラムの人間に親切にしてくれて、お腹いっぱい食べれて、安心して過ごせるとかさ」


「…」


「アリスだってさ、訓練でケガしても一瞬で治してくれるし、理解出来ないんだよな」


「別大陸から来て、そこの人なら皆魔法使えるって言ってただろ。リムだって水やお湯出せるし」


「まあ、そうなんだけどさ。やっぱり人間じゃないと思うんだよな」


「ケンも否定していただろ、神様じゃないって。人だって」


「まあ、そう言っているけどさ。でも不思議なんだよなあ」


「不満があるのか?」


「ある訳ないだろ! ただ、こんな生活を送れるなんて思っていなかったし、ケン達には感謝しているんだ。だからこそ、やっぱり人とは思えないんだよな」

 スラムから来た全員がケン達に感謝していた。そして理解出来ない力は人間じゃないと思ってしまう。最底辺の自分たちに支援をしてくれるのは、人以上の存在じゃないかと。なので今のところ変なことをするものは居なかった。


 宿を暗闇から覗いている者が居た、ベガの手下達だ。一度はカマータの街から離れていたが、ケンの噂を聞いて略奪を検討していた。ここなら沢山の金があるだろうと。カマータを出た後は小さな村を襲ったり、商人を襲うなどの山賊のような活動をしていた。

 そんな事をしていればカマータ周辺での警戒は高まるため、カマータから離れた場所に拠点を移そうとしていた。そしてその前にここで一稼ぎしようと企んでいた。何人かは宿泊客に成りすまして、実際に泊まって建物の内部構造の確認もしていた。


  :

  :


「宿泊客が多いな。最大で九十人位は宿泊出来そうだ。半分が戦闘が出来る者だとするとキツイな」


「ケンと呼ばれる、金を産み出す奴はどうなんだ?」


「あれは非力そうだぞ。毛の無い種族は一発ぶん殴ればいけるだろ」


「毛の無いやつらは皆捕らえて、金を産み出させるか、難しいなら奴隷として売っちまおう。珍しいから高値で売れるかも知れない」


「宿屋が石造りだから燃やすことが出来ないのは面倒だな。宿屋を燃やせれば何人か始末出来るんだけどなあ。宿泊客がじゃまだな」


「そういえば小さな子供が居たから、そいつらを人質に取れば有利に戦えるんじゃないか?」


「でもあれスラムの子供だろ。切り捨てるだろ普通」


「それもそうか、俺も気にせず殺すわ。フハハハ」

 カマータから少し離れた山の中で、ベガ一味は計画を練っていた。

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