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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-33 商売08

 サラとマルレが来て二か月が経過した。サラは客室の仕事を一通り覚えて自分一人で出来るようになっていた。マルレは洗濯や食器洗い、ウェイトレスとして働いている。ただ、そのままだと仕事がしづらいので色々と工夫を重ねた。洗濯物を干す専用の場所を用意し、一階の天井部分に物干し竿が複数用意されて、二階から洗濯物を下げて干すようにしたり、室内では台所の各所に踏み台を設けたりした。

 また給仕をする際に周囲に気が付かれずにぶつかってしまう事を避けるため、頭に背の高い帽子をかぶせた。それを初めて見る客は一瞬何かと驚くが、その帽子の下に小さな女の子が一生懸命給仕する姿を見つけて、ほっこりしている。


「はい。おまた、せ?」

 マルレはたどたどしい言葉で料理を提供していく。みんなにこやかに調理を受け取り、今では看板娘としての地位を確立しつつあった。一方サラは言葉を話せないため無言で給仕を行う。愛想が無いと思う客も少なからずいた。



「今日、(お客に)ほめら、れた」

 二人に与えられた寝室でマルレはサラに仕事を誉められた事を伝えた。サラはマルレの頭を優しくなでる。マルレはサラにも認められたと思いにこやかに笑うが、サラは少し悲しかった。マルレは人との関りが増えて言葉を覚えてだんだんと話せるようになっている。一方自分は話せない。

 ケンに声を出しても良い、話しても良いとは聞いている。でも、なぜか声が出ない。話したくても声が出ないのだ。話そうとしても口をパクパクするだけで声が出ない。うめき声すら出ない。


 マルレが寝た後、サラは寝付けずにいた。ベランダに出て外から玄関の方を向くと灯りが見える。ぼんやりと灯りを見ていると、小さな者が近づいてきた。夜勤で周囲の警戒をしていたピイーナであった。


『どうしたの、眠れないの?』

 ピイーナがベランダの欄干に座って、サラに話しかけた。

 話さずにサラと意思疎通が出来るのは。ケンとピイーナの二人しかいない。


『うん…』


『何か悩んでるの?』


『あのね。話せないの』


『? 話しているよ』


『口を使って話せないの』


『私も口を使って話せないよ』


『だけど、こうやって会話出来る。私から他の人に話したい』


『そっか…』

 ピイーナもどうすればいいか答えられなかった。サラの肩に乗って顔に抱き着く。


『サラ元気出して』

 ピイーナの励ましに対して、サラは軽くピイーナに頬を擦り付けた。


  :

  :


 空いた時間では誰かしらがサラとマルレに教育を行う。一番重視しているのは算数だ、お金の計算をさせる。通貨の単位や種類を覚えて、足し算引き算を行う。併せて文字や数字を書く練習も行う。石板にチョークで書いてはぼろ切れで拭いて消す。文字や数字を書くことで視覚的な効果で理解度が増していく。

 サラは空いた時間は一人で勉強をした。夜もマルレが寝た後に勉強をする。自分は話せない。だから他に何か無いと駄目だと思ったからだ。


 ガシャーン、台所から食器が割れる音が響く。サラは熱いスープが入った容器を落として、自身に熱いスープが掛かってしまった。ケンは直ぐに駆けつけて水をかける。そしてすぐに治癒を唱えた。


『大丈夫か?』

 ケンは以心伝心でサラに話しかける。


『ごめんなさい。大丈夫です』

 サラは落ちた容器をお盆の上に拾い始めていた。リルやマルレに後を任せて、ケンはサラを連れてケン達の寝室に連れて行った。


『最近眠そうにしていたけどどうした? 何か問題があるのか? 俺は怒っていないぞ』


『…』


『大丈夫だから、言ってごらん』


『私話せない』


『うん知っている』


『マルレはだんだん上手に話せるようになっている。でも私は話せない。だから他で頑張ろうと思ってる』


『うん』


『勉強をしてる。夜寝る前に』


『偉いな』


『偉くない。そして失敗した、食べ物を無駄にして! 器を壊してしまった!』

 サラはボロボロと涙をこぼして泣き始めた。ケンは直ぐに引き寄せて頭を軽く抱きしめて、自分の胸に引き寄せた。


『大丈夫だよ。大した失敗じゃない。器はいくらでもただで作れるから』


『でも食べ物は大事なのに!』

 サラは顔をあげてケンを見上げる。


『確かに食べ物は勿体なかった。それよりもサラが怪我が無くて良かった』


『やけどしたけど、それだってケンが治した。自分は何も出来ていない』


『サラ、俺はお前が話せない事を理解した上で買ったんだ。だからそのことで自分を責めなくていいんだ。マルレが成長して良かったじゃないか。マルレが立派になるのは嫌なのかい』


『そんな事ない! マルレは偉い! 私の誇り!』


『じゃあ良いじゃないか。サラ、他の誰かと比較しなくていい。サラはサラだから』


『話せなくていいの?』


『うん』


『…でも話したい、私も他の人と話したい。自分の考えを言葉で伝えたい』


『じゃあ、練習しよう』


『でも、今までも話せなかった。ずっと話そうとしたけど、何にも口から出てこない』


『大丈夫話せるようになるよ。サラは頑張り屋さんだからきっと出来る。信じてる』

 ケンはサラから少し離れて、手を差し出すと小さな花を石で作った、花びらが白で真ん中が少し黄色の色がついている。そしてそれに留め具を付けてブローチに作り替えて服の襟につけてあげた。


『これはナツツバキという花で咲くと一日で花が落ちてしまうんだ。花言葉は愛らしさ、はかない美しさ。そしてシャラ(サラっぽく発音した)ともいうんだ』


『私の名前に似てる! 綺麗! ありがとうケン』

 サラは襟をめくってブローチを見て喜び、直ぐにケンに抱き着く。


『何を始めるにしても最初から完璧に出来る人は居ない。だから一緒に練習しよう』


『うん。でもケンはなんでも出来るように見えるけど』


『それはサラよりも長く生きているからな。サラの二倍生きてるからな』


『えっうそ! ケンっていくつなの? 十九なの!! 嘘でしょ十四くらいかと思ってた』

「うぉー! うぉそおおーー」

 サラは驚いて大きな声が出た。そして聞きなれない声を聴いてあわててアリスが寝室に入ってきた。濡れた服のままサラが目に入り、サラが悲鳴を上げたと思って思わずケンを殴ろうした。


「ちがうぞ! 誤解だ! 誤解!」

 声が出たことに歓喜したサラがケンに抱き着いた。ケンはさらに言い訳をする。

ピイーナも長い間、人と意思疎通を取っているし、

ケン達に色々なことを教えてもらったので成長してます。


ピイーナは力仕事が出来ないので、最近は夜勤で周囲の警戒をしてます。

働かざる者食うべからずですよ。


ナツツバキはシャラみたいだけど、まあ別に良いだろサラで。

作者が良いと言ったら良いんだ。


一話でケンが十六です。

別大陸についたのも十六です。

三年経過してトラタヌ村を出たので十九です。

そろそろ二十です。


はあ、PCのデータが損失したのは痛かったなあ。

第三章の終わりくらいまで、第一話から何日後とか書いていたデータがなくなったし。

その際にどんなことあったとか書いている部分が結構消えたから。

一部は復活出来たんだけどね。でも最新のデータじゃないからなあ、だいぶ欠けている。

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