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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-32 サラ02

 見たこともない容姿の人が私たちを買おうとしていた。顔や手の毛が少ない、初めて見る人種だった。そして金貨二枚で買われた。金貨ってなんだろう? 

 サラは金貨を知らなかった。


「俺はケン、こっちはアリス。俺の奥さんだ。うちは宿屋なんだ、それを二人に手伝ってほしい。言っていることがわかるか?」

 優しそうな人に見えた。そして働くことになった。ご飯を食べるためには働く必要がある。働いたことなんてないけど、私が働かないと、マルレを食べさせないと。


『ねえ。聞こえるかな。ケンだけど。聞こえてる?』

 え!? 口を開いてないのに声が聞こえる。どうして?


『聞こえる。口開いてないよ。なんで喋れるの?』

『特別な力があってね。説明すると長くなるので後でね。君は喋れないのに言葉は分かるんだ』

『父にうるさいって、口を焼かれて…そしたら声が出なくなっちゃった』

 聞かれるままに答えたけど、あれ? 私話しているの? 話しちゃダメだったのに。


『俺たちは酷いことはしない。絶対にしない。約束するよ。ご飯も食べれるようにするし、勉強も教える、だからうちの宿屋を手伝って欲しい。いいかな?』

 働かないとマルレにご飯が食べれなくなっちゃう。働くって伝えないと。


『うん、お願い』

『二人の名前はなんていうの?』

『サラ、妹はマルレ』

「サラ、マルレ、今日からよろしくね」

 ケンはとてもやさしそうな人に見えた。少し歩いたところで体中にあった痛みが減った。完全ではないけど、明らかにさっきまで痛かったのに、突然のことに驚いた。


「今のは治癒の”魔法”さ。怪我や傷を治せるんだ。アリスは得意なんだ」

 何を言っているのか分からなかった。しばらくサラとマルレは茫然としていた。


『サラ食べれないものとか、食べたいものはある?』

 食べれないもの? 食べたいもの? 何を言っているんだろうか、与えられたもの、食べられるものを食べるしかないのに。


『よくわからない』

『えーと、串焼きの肉食べられる?』

『うん! えっでも、お金ないけど…』

 肉なんてご馳走だよ。だけどお金が無いから食べることは出来ない。そしたら、ケンが肉の串焼きをくれた。マルレにもくれた。食べていいのだろうか?


「食べて。いいよ食べて」

 久しぶりの肉、本当に貰って食べていいのだろうか。ケンの顔をみて食べてといっているので、一口かじる。あっつい! 久しぶりに食べたので熱いことを忘れていた。そしてらアリスが再び不思議な力で痛みを和らげてくれた。そしてケンの手から涼しい風が送られてきて、串焼きの温度が下がったのがわかった。おいしい、凄く美味しい! 口が止まらなくなったら、食べたものが変なところに入ってむせてしまった。

 コップが差し出されたので、水を飲んで一息つくことが出来た。あれ? このコップと水はどこから来たのだろうか? さっきまで誰かコップ持っていたっけ? 

 サラは分からないこと、不思議なことが多くて、混乱していた。


「マルレ、抱っこしても良いかな?」

 マルレがこっちを見ている。抱っこされても良いかと聞きたいのだろう? 私が頷くとマルレも頷いた。そしてマルレはケンに肩車されて喜んでいる。久しぶりにマルレの喜んだ顔が見れた。そしたらアリスが私にも肩車してくれた。高い! 楽しい! こんな景色初めて見た。こんなに遠くまで見通せるんだ。


 大通りから小道に入ったところで、何もないところから荷車が出た。意味が分からなかった。さっきから不思議なことが起こり続けている。そしてその荷車を押しながら広場に向かった。ケンはお金をいっぱい使って色々な物を買っていた。凄いと思った。難しい計算は出来ないけど、多分一生掛かっても稼げないようなお金を使っているように見えた。


 ケンは大きな鶏肉を焼いたものを買っていた。一つ銀貨一枚、銀貨一枚? 訳が分からなかった。食べ物は銅貨あるいは大銅貨じゃないの? 銀貨で買う食べ物なんてあるの? 銀貨って銅貨何枚なの?


 そして宿屋に入ったら、また何も無いところから、色々な物が出てきた。そしてケンが手をかざすと水、いやお湯が出てきた。水って水婆さんから買うんじゃないの? お湯って水を火で温めて作るんじゃないの? なんで何にもないところからお湯が出てくるの? 混乱している間に、アリスに服を脱がされて、体を綺麗に拭いてもらった。お湯で体を拭いてもらうなんて、昔お母さんにしてもらったような、本当に覚えてないくらい久しぶりだった。ものすごく気持ちがよかった。


「はい。これ食べて。遠慮しないでいいよ」

 絶対一人分じゃない、大きなお肉が目の前にあった。マルレにも同じものが用意されていた。銀貨一枚?という理解出来ない、とんでもない金額のお肉を食べた。お肉も柔らかくて、味が濃くて美味しかった。


「食べれなかったら明日食べればいいし、明日もご飯は用意するから無理しないで」

 何を言っているんだろう、あるものは残さずに食べておかないと寝ている間に取られてしまうのに。とにかく食べ切らないと。

 満腹になったら眠くなってきた。アリスに促されてマルレと同じベットに入った、久しぶりにベッドは柔らかくて快適だった。そしてアリスが優しく包み込んでくれて物凄く安心した。


 翌日買ってもらった新しい服に着替えた凄く嬉しかった。街を出て街道を進む。まだ少ししか経ってないけど、ケンとアリスは優しかった。でも街から離れて森の中を進むのは不安だった。移動の途中、お昼の食事が用意された。また、どこからともなく、ケンが色々と物を出したり、お湯を出したりしていた。全然意味がわからない。


 アリスが作ったスープは物凄く豪華で、こんなに豪華なスープは初めて見た。しかも熱くならないようにケンが風を送っている。本当に訳が分からない。ただアリスの作ったスープは塩が効いており、具材も多くて、とても美味しかった。


 しばらく進んだ後、街道の横に石畳の立派な道路があって、その先に進むと見たこともない立派な建物が建っていた。


「ここが新しい家だよ。ここで働いてもらうから」

 これが家? どう見ても家の大きさではなく、やっぱり意味が分からなかった。

一人称視点って、久しぶりすぎて、書き方忘れた。


水婆さんは、スラムで水を専門に売ってるお婆さんのこと。通称みたいなものかな。

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