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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-23 イーチバン国境の街ヨコハ2

「まぁそうだろうな、今までは信用があったから利用されたけど。信用が無ければ売れないだろう」


「ちょっとケン、肯定してどうするのよ? 想定通りなら案があるんじゃなくて?」

 アリスは落ち込んでいるソララの背中に手をまわしてやさしく撫でながら、ケンに対策を聞いた。


「この街に長居するつもりは無いし、拠点を構えるような街についてから考えれば良いと思う。最初に信用を得てから商売するだけさ。多数の人に信用を得なくても需要が多い相手、騎士団のようなところに売り込んでまとめ買いしてもらうとかかな」


「でもそれだとソララが…」


「大丈夫です。まだ路銀はあります」


「ソララ、お金が必要になったら言うんだよ。お前の面倒をみれる位に金はある。うーん、そうだな明日は金策でも考えるか、ここで少し金でも稼いでおこう。とりあえず今は食事だ食事」


 :

 :


 翌朝、ケン達は街の中を観察する。大きな街であるため全部を見て回るには時間が足りないが、出国側の門や主要道路の近辺や街の中心地の広場などは確認出来た。ついでに安い宿が見つかったので、今日の宿はそちらに変えた。四人一部屋で銀貨四枚、ベットの質や部屋の広さなどは前の宿と比べると劣るが、野宿に比べたらそれでも全然マシである。


「門の側の外壁工事現場に石を売る契約を取りつけた。石を十個ほど持っていく。一個銀貨二十枚だから銀貨二百枚だな。それとそこでリル冷たい水を売って。暑いし十分売れるだろう。コップ一杯銅貨二、三枚くらいで、三、四十人は居たから銅貨六十枚から銅貨百二十枚かな」


「確かに売れるだろうけど、そんな微々たるお金稼いで意味あるの?」

 リルは売ることは否定しないが、石に比べて額が全然違いすぎるため、ケンに理由を確認する。


「エールやワインの売り子を結構見かけた。多分需要がある。王都(ケンの故郷)だって売ってただろ。住民が多いところだと井戸や沸き水をくむ場所は限られている。ぬるいエールを飲むよりも冷たい水を飲める方が喜ばれるさ。小銭が少し不足してきているから補充しようかと、両替商で換金すると手数料取られるからな。それに工事現場で肉体労働する人たちにアルコールよりは水の方が安全だろう、稼ぎをくれた相手にはちょっと気を遣うだけだよ」


「師匠、露店許可証が必要なのでは?」


「えーと、広場で売るなら露店許可証がいるけど、広場で場所を取って売るわけではないから大丈夫。ちょっと売るくらいなら露店許可証なんて不要だよ。お小遣い稼ぎのようなもんだ」

 実際に許可証を持たずに販売している人は多い、許可証を買うのは広場で販売している他の街から来た行商人か、将来店を持とうと思っている商人などくらいだ。


「ケン、なんで石を十個しか売らないの? 百個でも二百個でも売ればいいじゃない」


「アリス、何で俺たちはそんな大量の石を持っているんだ? 発注された訳でもないのに怪しすぎるだろう。問題なさそうな数として十個にした。石を目の前で出したら怪しまれるから、宿から荷車を()いてくぞ」


「怪しまれるかも知れないけど、でもその場で出した方が楽じゃないの?」


「持ってくるのが大変だから高い値段で売れる。簡単に手に入るとなったら価値が下がるだろ。その場で石が沢山出せるとしたら、監禁されて一生石を作り出させようとしてくるかも知れない」


 翌朝、宿を出たら馬小屋や馬車置き場の方に向かい、誰もいないことを確認してから空間収納から走行機能付きの荷車を出す。そしてその上に石を作成していく。ソララが前で引っ張り、後ろからケンとアリスが押しているふりをしながら移動する。


「どもー。約束の石を持ってきました」


「おーありがたい、石の在庫が不足気味になってたから。どれどれ、うんうん、全然問題無いな、強度も形も申し分無い。約束通り銀貨二百枚だけど支払いは大銀貨二十枚にするか?」


「そうですね。大銀貨二十枚でお願いします。ちなみにニバンの貨幣で支払えたりしますか?」


「うーん。ニバン貨幣で支払う事もあるからなあ。ニバンの大銀貨十七枚なら?」


「いやいや、それなら両替商に頼みますよ。イーチバンの貨幣大銀貨二十枚でお願いします」

 ケンは現場監督から大銀貨二十枚を支払ってもらう、大銀貨の手持ちが少なかったので都合も良かった。大きな買い物するときは銀貨で支払うと嫌がられてしまう可能性がある。この街ではニバンの貨幣が使える店もあるが、露店のような小さな店では断られることが多い。どちらの国の貨幣に替えるにしても手数料を取られるため、ニバンの両替手数料を計算して価格に転嫁するのが面倒だからだ。


 ソララは黙々と荷車から石材置き場に積んでいった。ケンは取引が終わったところで水の販売について現場監督に提案した。


「ところで、くみたての冷たい水があるんですが一杯銅貨二枚でどうですか?」


「くみたての冷たい水? 井戸が付いてる宿屋に泊ったのかい? 知恵が回るじゃないか、本当に冷たければ払うぞ」

 リルは荷車の上に置いてある大きめの水差しを持ち、ケンはカバンから陶器のジョッキを取り出し水差しの前に並べると、リルはジョッキに水を注いだ。ある程度減ったらこっそり水を増やす。


「どうぞ」


「これは冷たいな、ありがたい、しかも美味い! 井戸水もなかなかくむのが大変だからな助かる。おいお前等冷たい水があるぞ」

 現場監督が声を掛けると、作業員がぞろぞろ集まってくる。


「これは冷たい、久しぶりだよ現場でこんな冷たい水を飲むのは! うまい!」

「俺も飲むぞ」「こっちもお願い」「お前等ちゃんと並べよ」

 普段はエールやワインを常温で保管しているものを飲むことが多かったため、冷たい水は作業員達に喜ばれ、全員が買ってくれて銅貨百枚以上の稼ぎとなった。荷車を人気の少ない通りの方まで移動して空間収納にしまい、ケンは大銀貨二枚をソララの手の上に置いた。


「師匠、こんなに貰えせん」


「良いんだよ俺たちじゃ重くて運ぶのが大変だったんだから、ソララが運んでくれたから楽に稼げたんだよ。だからもっときな、な」


「ありがとうございます」


「良いって、どうせ元手はタダなんだから気にすんな。さて、ちょっと遅くなったけど朝飯食うぞ」

 大通りに出て露店で遅めの朝食を食べる。

獣人はおなかが強いので、多少汚れた水でもいけます。

井戸は多数ありますが、井戸の水くみは待ち行列が出来るため、仕事をしているとなかなか汲みにいけない。

雨水を溜めて飲用したり、外なら水たまりの水を飲めるくらい、それくらいお腹は強い。

ただ大きな町では全然足りないので、エールやワインを樽で買ってます。

冷たい水は都心部では貴重品なんです。

もっと吹っ掛けられるけど、どちらかと言えば親切心みたいな感じ。

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