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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
1章 王都編

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01-03 退却

 救助隊がゴブリンの群れをせん滅したが、魔石の取り出しをせず直ぐに第七砦に向かって退却する。千を遥かに超えるゴブリンの群れが確認されたためだ。重症者がいるため移動速度は通常よりも遅い。先行しているパーティーが遭遇した小さなゴブリンの群れを倒しながら進んでいるため、重傷者が移動にだけ集中出来るのは不幸中の幸いであった。


「砦が見えた!」

 森を横断している道までたどり着き、砦が遠くに見え安堵する一行。速度を上げながら砦に向かうが、砦の反対方向にゴブリンが見えた。


「後ろ!! ゴブリンの群れ! 群れ? 大群だぁ!」

 物凄い数のゴブリンが見える。距離にしては数百mは離れているが、先頭の集団がこっちに向かって走りだしているのが分かる。怪我人に合わせた移動速度では砦に着くまでに追い付かれる。


「足止めする! 先に行ってくれ。いや戦闘ではなく、少し罠を張るだけだ」

 ケンはパーティーメンバーに先に行くように伝えるが、全員が残った。最後尾になったケンとカニーナは五mほどの道幅いっぱいに、高さ二十cm、幅十cm程度の石の出っ張りを作った。


「穴」

 ケンが唱えると出っ張りの後ろに、幅十五cm程の穴が一気に二十個、空いている場所が交互になるように三列出来上がった。道の両脇に幅一m、長さ十m位の溝をゴブリン側の方向に見せつけるように開けておいた。


「よし。下がるよ!」

 ケンは撤退を促す。ゴブリン達が百m位先に迫っている。数が多いため物凄く怖い。一匹当たりの足音は小さいが、無数の足音が轟音となり、振動が地震のように揺れて伝わってくる。

 全速力で砦に向かって走る。しばらく走っているとさっきとは異なる音が響いた。軽く振り返ると、ゴブリンが罠に掛かり激しく転倒している。後続が避けようと思い立ち止まるが、さらに後ろから押し込まれて混乱が起きていた。


「今のうちに下がろう。あっちょっと待って」

 しばらく走るとケンは重症者を運ぶ最後尾に追いついたので、同様の罠をカニーナと手分けして作る。再び走り砦まであと二百m位まで近づいた。砦の前方百m位には横に六列、縦に数列の陣形で整列している兵士の姿が見える。道の中央だけ開いており、そこを救助隊のメンバーが通り過ぎ砦に向かって走っていく。

 先ほどと比較してゴブリンの群れの進行速度は落ちている、罠を警戒しているためであろう。次の障害物は通らずに避けて森の中を進んでいる。しかし、今度はそれた先で混乱が起きていた。ケンが道の脇に小さな棘のような氷を多数作っており、それを踏んで足を怪我したのであろう。


「急げこっちだ!」

 砦の前方で隊列を組んでいる兵士が手招きして急ぐように促す。隊列まであと五十m位まで近づいたところで、弓を一斉に構えて斜め上に放ち始めた。矢は孤を描いてケン達の頭上を通り過ぎ、ゴブリンの群れに降り注ぐ。


「良くやった! このまま砦まで進め」

 ケン達が隊列の横を通り過ぎるところで先ほどの兵士が労をねぎらいつつ、避難を指示した。砦まで五十mのところにも同様の隊列が組まれており、皆弓を斜め上に向けて矢を放ち始めていた。その後しばらくすると、ゴブリンの前面で矢を放っていた部隊も退却してくる。

 砦の上を見上げると弓や連弩を構えている人が多数並んでおり、備え付けのバリスタも見える。ゴブリンに向かって矢を射始めた。装備がバラバラなため兵士ではなく樵や狩人、傭兵が多くいると思われる。砦の前に居た部隊も砦の中に退却し門が閉じられる。


 ゴブリンの先頭集団が砦に取り付いた、そのまま砦を左右に分かれて進んでいく。その数はどんどんと膨れ上がっていく。ゴブリンの群れの中にも弓兵が居るが数が少なく、まとまっていないため、散発的な反撃であまり脅威にならない。それよりも普通のゴブリン達が投げる投石の方が数が多いため、少しずつ砦の守備隊にも怪我人が増えていく。


 既に五百は倒したと思われるが、そんな数は意味が無いと思えるほどの砦の周りを埋め尽くすゴブリンの群れ。第七砦を囲む壁、城壁はおおよそ縦百m、横百mで、壁の高さは八mと九m。上は歩廊となっており、狭間を備えているため城壁の高さに差がある。その低い場所から外部に対して矢を射ることが可能になっている。


 その砦の周りを十周くらい取り囲むゴブリンの群れ。概算で六千以上はいると思われる。道にも数えきれないゴブリンが迫ってきているのが見えるため、万を超えるのは間違いないだろう。

 木の板が何十枚も城壁に掛けられ、それを押し返そうとする守備隊。木の板を倒しても倒しても、何度でも立てかけてくる。木の板には切り込みが付けられており、簡易的な梯子として利用された。

 立てかけた瞬間にゴブリン達が登てっくる。それを押し返すことで木の板の下敷きになったり、転げ落ちることで少なくない被害を与えているが、一向に攻撃が衰える気配がしない。


「なんで木の板なんて砦の横に置いてるんよ! ばっかじゃねぇの! くそが!」

「知るかよ馬鹿! 良いから落とせって!」

 傭兵の一人が悪態を()くが、仲間が応えるとも突き放すとも取れるような反応を返していた。この砦は伐採材を一時的に保管する中継拠点となっていた。砦の横には乾燥中や乾燥を終えた後の伐採木の集積所があり、加工済みの木の板をゴブリン達に利用されていた。当然この二人もその事を理解していたが、愚痴らずにはいられなかった。


 人対人の戦争であれば当然事前に片付けるべきものだ。今回は事前に準備する時間がなかった事と、王都周辺ではここ三百年は大規模な戦闘がなく、砦というよりも伐採木の中継拠点という役割にシフトされていてこの様な事態に備えがされていなかった。万を超えるゴブリンが砦を囲むなどは想定外であり、木材をゴブリンが悪用するなどは思いついていなかった。

 また人対人の戦闘の場合は、魔法で城壁や門を壊すのが常套手段であるため、わざわざ梯子などを利用して登ってくるという発想もなかった。 


「折るならもっと下を折れよ!」

 傭兵の一人が板を城壁ギリギリの高さの部分で破壊したため、立てかけらた板を押し返し難くなった。それに気づきを得たゴブリン達が、板の長さを城壁ギリギリの高さまでに加工した上で立てかけるようになった。


「どうすんだよこれ!」

 城壁から下を覗きながら槍で板を押して倒そうとする傭兵。そのような状況が増え、そこに投石が集中し怪我を負っていく。またゴブリンナイトは数本の矢では倒すことが出来ず、城壁の上まで登り、斬りあいになる場面も散見され始めた。

 砦には三百を超える人が立て籠もり、城壁には二百程の人員が配置されて対応しているが、敵の数が多く対処が厳しい。この大きさの砦で立て籠もるのであれば、もっと多くの人員が必要であった。

 はい、どうも言い訳タイムです。地球の常識や現代の常識、それがこの世界の常識ではないです。王都周辺の砦守備隊は、ここにほぼ常駐です。主に魔物からの被害を防止するためだけに居ます。大きな戦いや人間同士の戦争に参加していない人が多い、脳内設定です。

 細かく本文中に言い訳がましく書くとテンポが落ちるので、脳内設定の多くは書きません。なんだよそんな事書いてないじゃん、って思うかもだけど、細かく書きすぎると言い訳ぽくなるから、嫌なんだよねぇ。これでも細かく書きすぎている気がしてる。

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