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遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

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02-15 アリスとケン

 ケン達は岩場が多い海岸で木や植物に付着した塩を採集している。売店で買うのにもお金がかかるし海水を組むのも面倒であった。ゆでジャガイモに塩を使っており、消費量が増えているためだ。


「ケン、売店で買った方が楽かも」


「確かに。販売価格に含めれば良いし、そうするかな」

 倹約家のケンでも、費用対効果で考えると、この時間を別の作業に割り振った方が良いと考えていた。


「もっと一度に同じ場所で一気に取れれば楽なんだけどね」


「ははは。それなら苦労しないね。は? リル! いま何て言った!?」


「え? もっと一度に一気に取れれば良いねって」


「それだ!」


 ケンはすぐに魔法で長細い棒状の石を何十本も作って、海水の飛沫(しぶき)が沢山飛んでくる場所に横並びに設置した。固定する際に棒の真ん中あたりに板状の受け皿も用意する。しばらく設置して様子をみていたが、棒には海水の飛沫が付着していることが確認出来た。


「これでしばらく様子を見よう。上手くいけば楽に塩が採れるかもしれない」


「ケン流石ね」

 アリスはケンに関心し、惚れ直していた。


「結構魚がいるな。何とかして獲りたいけど」

 ケンは岩場に多くの魚がいることに気が付いた。この辺の獣人は魚を食べないため、魚もそれほど警戒していない。ケン達を見ても逃げ出さずに岩にこびりついた苔のようなものを食べたりしている。


「そうだ! 海から離れて。よし! 雷撃」

 ケンは海に向かって電撃魔法を打ち込むと何十匹もの魚が海面に浮いてきた。


「凄いです!」「ケンやるわね! 流石(私の惚れた相手)」

 リルとアリスは、浮いている魚を見て興奮していた。


「よし回収しよう」

 海に入って魚を回収する三人。ずぶぬれになると服が少し透けてボディーラインが明らかになる。リルの胸の膨らみにケンは思わず目線が動いてしまった。そしてそれに直ぐに気が付くアリス。


「あーーべたべたして気持ち悪い! えい! 冷たくて気持ちいいわ」

 上着を脱いで上半身が露わになったアリス。ケンの視線がアリスに移動する。


「おい馬鹿! こんなとこで脱ぐなよ!」

 目線を反らすが、また視線を戻してしまうケン。思春期の男の(さが)である。


「恥ずかしがらなくても良いのに。昔は一緒にお風呂に入ってたじゃない」


「小さい時の話だろ、良いから着ろって」

 ケンは一人海から上がり、アリス達に背を向けている。アリスとリルも海から上がり、リルがアリスの全身に水をかける。そしてリル自身も服を脱いで自身に水をかけて海水を落としていた。

 ケンはちらちらとリルを覗き込もうとするが、アリスの視線に気が付き、また背を向けて洗い終わるのを待っていた。


 服も水洗いしたうえで再度着込み、焚火にあたりながら魚を焼いている。先ほどとった塩を付けた魚の塩焼きはとても美味しかった。骨が若干面倒ではあるが、丸かじり出来るし獣人たちにも受け入れられる可能性がありそうであった。



『魚の塩焼き上手いな!』『こっちにも一つくれ!』『俺も』

 用意した魚の塩焼きも瞬く間に売れていく。大半の虎系獣人は料理が面倒であり、そのまま食べることが多かった。生肉の配給がない時は、干し肉、乾燥トウモロコシ、家庭菜園でとれた野菜、固いパンをそのまま食べている。美味しい料理が手間をかけずに食べられるなら、買った方が良いと考える人が多数存在していた。


 塩の採集も順調に進んでおり、受け皿にたまった濃い海水を煮立たせることで塩が採れる。同様の仕掛けを多数設置したので塩に困ることもなくなった。


「安定して稼げているし、村人にも受け入れて貰えている。当初の目標は達成出来たかな」

 そんなケンの発言を聞いたアリスは、少し考えていた。被害妄想にも近いが、余裕が出来たのでリルに対して何らかの、例えばリルとケンが付き合うとか、そんな事になってしまうのではないかと。出遅れると取り返しがつかなくなるのではないかと。


 いつも通りアリスの特訓にケンが手伝いをしている時、アリスは意を決して切り出した。


「ケン、大事な話があるんだけど」


「うん、聞くよ何?」

 真剣な顔つきでアリスに目を見て話しだすのを待つ。アリスは切羽詰まったような顔をしながら、そして両手をぐっと握ったまま、時間が少し流れる。


「あのね。ケン、私ケンが好き。ケンといつまでも一緒に居たい。ずっと一緒に居たい。正妻じゃなくても良いから…」

 話しながら、アリス目から涙が溢れて出していた。戸惑いながらも、ケンはアリスの両手を軽く包み込むように握った。そしてアリスの握りこぶしが緩くなったところで互いに手を握り合う。

 ケンはアリスの気持ちには気が付いていた。ただ、やっぱり家族、妹という思いもあって応えないでいたのだが、流石にこれだけ真剣に思っているアリスを無視する訳にはいかないと腹を決めた。


「ありがとうアリス。俺で良ければ一生一緒に居よう。結婚してくれアリス」

 うわんうわんと泣き出したアリス、顔は笑顔になっているが、それでも涙が止まらなかった。長い間思い続けていた気持ちが実った瞬間であった。ケンはアリスをそっと抱きしめる。ケンの顔がアリスの胸のそばに近づく、アリスの鼓動が伝わってきた。

 ケンは顔を上にあげ、アリスとケンは互いの顔をしっかりと見つめあう。そしてアリスが若干かがみ口づけをする。

書きながら涙出てた。アリスの恋が実ってよかった。俺の匙加減一つだろ?と思うかもしれないけど、まあそれはそれこれはこれだよ。自分でもよくわからない。


十何年一緒に居るんだから、恋人期間を経ずに結婚しても可笑しくない。

と思ってます。

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