表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/112

02-14 買い物

 ケン達は銀貨三十枚ずつを得ていた。数か月毎、砂糖販売のタイミングで余剰分を村全体で配分を行っている。余剰分となるため支給額は変動制だが大人は一人頭銀貨三十枚、労働している子供は一人頭銀貨五枚がここ何年かの配分額であった。どんな職業でも働いた成果に関係なく平等に支給される。


「うーん。特に欲しいものが無いな。強いて言えば食べ物くらいだね」

 ケンは村で唯一の売店で商品を眺めながら呟いた。品ぞろえは多くなく、食器、食品、生活雑貨、毛皮などであり、ケンであれば食器や小物は作成できるため買う必要がなかった。村人も大半は食品購入に使われている事が多い。家や物に執着していないためであろう。


「ケン。小麦粉と砂糖買うからお菓子を作ってよ」

 砂糖は隣町での販売価格よりも僅かに安いが小さな小瓶で銀貨五枚となっている。固い黒パンが銅貨五枚、乾燥トウモロコシ十本で大銅貨貨五枚と比較するともの凄く高い。


「いいけど、それくらい自分で作れるようになれよアリス。それと卵も必要かな」


「了解。私が作るよりも上手だしお願い。後ろで見て覚えるから」

 アリスも料理は出来るがお菓子作りは覚えていなかった。それよりも野営食だったり、狩猟した物を調理する技術に特化して鍛えていた、狩人や騎士になったときに役立つからだ。王都では幾らでも料理やお菓子が買えたが、現在の状況では料理は自分たちで行う必要性があった。なお、アリスはお菓子作りにかこつけて、ケンと一緒に居たいという思惑もあった。


「じゃあ私は猪肉と胡椒(こしょう)と塩を買いますね」


「よろしくリル。俺はどうすっかな、小麦粉と乾燥トウモロコシかなあ」

 収入を得たことで食糧配布量が若干減り、不足分は自身で購入する必要がある。仮にお金が尽きてしまい、かつ食料が不足した場合には食料配布はされる。ただそんなことを繰り返していれば村での居場所がなくなってしまう恐れがあるとケン達は感じていた。

 ケンが主導して開墾した畑で収穫したものの一部はケン達の物となるが大半は村に納入される。畑の所有権は村にあり、そこで得たものは村の物である。今回は実験的に新しい農法を試しているが、利益が出れば村に還元されるし、損が出れば村がその分損害(作付面積に応じた税金)を払うことになる。

 これがこの村、この国の基本的な考えである。例外として家庭菜園で収穫するもの、休みの日に自身で自生しているものを採集したり、獲物をとった場合は、自分のものとして良いことになっている。



 ケンは家でクッキーを作りながら思っていた、ここではお金稼ぎが出来ないと。生活が出来るだけありがたいし、支援をしてもらった恩もあるが、畑で収穫した大半が村に持っていかれる事は面白くなかった。

 植林で森の整備をしたり、ほかの畑よりも収穫量が多かったり、またそれを横展開すれば村全体の収穫量が上がるはずである。自分は頑張っている方だと思うが、どれだけ働いても固定給というのは納得するのが難しかった。自分の夢のためにもお金が欲しかったのである。


「甘い! 美味しい! やっぱりケンは器用だよねえ。いいお嫁さんになるよ。結婚しよ」


「却下。なんで俺が嫁になるんだよ」

 ケンに速攻で否定されて、アリスはその場でがっくりと項垂(うなだ)れた。


「でも本当に美味しい。王都で売り出したら大儲けだったのに」


「大げさだよリル。…本当に売り物になりそう? 村長に相談してみるかな」


  :

  :


『お金欲しい。売りたい。食べ物』

 ケンはたどたどしい話方ではあるが、村長(タヌソン)村長の息子(タヌムス)に要望を伝える。


『今まで村人と同じように接してきたつもりじゃったが…考え方が違うのかもしれん、そうなると紙の売り上げも支払うべきだったか』


『おやじ仕方がないよ。村人と同じだと思って接してきたんだからそれが当たり前だって』

 タヌソンとタヌムスは、紙の売り上げをケンに払っていないことに対して焦りを感じていた。


『紙のお金は要らない。助けてくれたお礼。別途お金が欲しい』


  :

  :


 ケンは販売許可を得た。お菓子や料理は作ってから時間が経過すると劣化するため作り置きは出来ないため売店での取り扱えない。なのでその場で調理して販売する、村で初めての食堂を開業することとなった。利益の半分は村に収める事、儲けすぎない事が条件である。現状では村人に支払った金の大半は村で消費され村の売店でしか使われないため最終的に村の収益になる。ケンにお金が集中してしまうと経済がおかしくなってしまう危険性があるため、そのような約束事を結ぶことになった。


 販売する商品はふかし芋、クッキー、固くないパンのまずは3つのみ。ジャガイモを普及させるためには食べ慣れてもらう必要がある。しかしながら火を使った料理が面倒である事、虎系獣人は手先が不器用であるため、芽を取り除いたり、皮を剝いだりするがのが面倒であるため消費量はいまいちであった。

 また、この村にはお菓子といえるような物はないため試験的に販売する。パンも日持ちさせるために固く焼いた物しかなかった。ケン達は柔らかいパンも食べたかったのである。

 村人が利用している加熱調理器具といえばパン用の窯が一つあるだけ。あとは焚火のようなものしかない。調理といえば火で炙る、煮る、生で食べるしかない。細かい火加減は出来ず大雑把な料理しかない。その点ケン達は魔道コンロを利用することで一定温度を時間指定する事が可能であり、今後店が繁盛すれば別の料理を提供するつもりであった。


 魔石が無料で手に入るため燃料費が抑えられ、その分販売価格を低くする事が出来た。村では火を使う料理は面倒であるため、意外とふかし芋の需要が高く、だんだんと販売量が多くなり、調理が追い付かなくなっていく。そこで狸系獣人の方にも店を手伝ってもらう事になった。初めての村の仕事以外からの収入源が出来たことになる。

 胡椒は自生しているが、収穫時期の関係とかもあるから、買ったほうが楽。どこになにがいつ、収穫できるかは慣れていないアリスやリルだと収穫は難しい。ケンなら倹約のために物凄い熱意で覚えるので、しばらくしたら買わないでも済むようになると思われます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ