表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証  作者: ぐわじん
2章 新大陸

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/113

02-11 トラタヌ村5

「これから服を作ろうと思う。と言ってもまずは生地からだけど」


「「本当!? お願い!!」」

 ケンは生地作りを宣言した。こちらに来てから既に二か月が経過している。二人は着替えも無く、身一つでこの地に流れ着いた。村からもらった毛皮とケンが所有していた上着二着をアリスとリルに渡していた。下着を洗う時には替えが無く、女性陣はちょっと恥ずかしい思いをしていた。


 王都では浮浪者でもない限り、替えの服を最低一着は持っているし臭くなれば洗濯もする。アリスも今回の護衛任務に際して替えの下着を一着持って来ていた、船に置きっぱなしだったけど。


苧麻(ちょま)が結構な量が有ったので、それを使おう」

 ケン達は村の溜池に注ぐ川をさかのぼり、苧麻の群生地に向かった。トラタヌ村では利用しないため、伸び放題で草なのに二mを超えるくらいまで育っている。根元に近い個所で伐採していくが、根が残っていれば数か月でまた生えてくる生命力が強い植物である。道中にカカオの実があったのでついでに収穫しておいた。滋養強壮や精神昂揚、疲労回復の効果があり、トラタヌ村では薬として使われている。

 

 集めた苧麻の茎は同じ長さになるようにしたのち一晩水に浸す。その後茎から皮を剥ぎ、更に剥いだ皮から緑色の表皮を取り除く。出来たものを水洗いしてから乾燥させ、()り合わせる。つぎ足しながら強度を上げつつ長い糸にしていく。ケンが作成した簡易的な織機を使い、縦糸と横糸を交互に組み合わせて布になる。糸を作ったり布を織る作業はとても時間がかかるため、農作業の合間や夜寝る前に少しずつ進めていった。


 :

 :


「もう良さそうだな。この辺のトウモロコシは収穫しよう」

 ケン達は自分達が割り当てられた畑で育成状況を確認しており、一部のトウモロコシは実が十分に実っていた。


『なんだ!? 何でこんなに早く収穫出来るんだ! しかも実がパンパンだ』


『本当だ! 何て綺麗な実だ。う…うまい。甘いぞ!』


『三番目も実がちゃんとついてるぞ。ケン凄いな。一体何者なんだ』

 収穫に立ち会った獣人達がみな驚いたり、感心している。地球では約九十日の育成期間が必要だが、この世界では約六十日、ケンが育てた物は約四十日で収穫出来るようになった。この世界のトウモロコシは一本の茎から二個収穫出来れば良い方で、三番目に実った物はほぼ実がつかず、食べられるようなものではなかった。

 サトウキビも順調に育っており、この世界では通常一年かかるところが、この調子であれば十か月を切るくらいまで短くなる可能性がある。


『しかしあの動く木の人形は気持ちが悪いな』


『いやでも、生きていない物に命を与えるとかケンは本当に凄いな』

 今は稼働していないが、周囲に人が居なくなると四本足の木製ゴーレムが畑の周りや中を動き出す。農作物にマイクロ波を当てて成長を促す魔道具がセットされている。一日一分程度当てるだけで成長速度が更に早くなる。これも初代国王が開発した物である、ただし注意点があり、マイクロ波を強くし過ぎると生命に影響が出るため、人が居るときには利用するなと厳命されていた。


 収穫が終わったトウモロコシの茎は切断してそのまま畑に撒いて、土をかぶせておく。これはこの村で行っている農法である。肥料として役に立つという事が分かっているので、そこはその方針に従った。ケンが検討しているのは農作物を増やしつつ休耕期間の短縮である。

 この村では五年間でサトウキビとトウモロコシを二回ずつ収穫している。それをサトウキビ、ジャガイモ、トウモロコシを五年で二回ずつ収穫出来るようにしたいと考えていた。


「ジャガイモも良さそうだな。この列だけ収穫しちゃおう」

 ジャガイモの茎が垂れ下がり、一部の葉が黄色く変色して枯れ始めている。土を掘り、実が肥えていることが確認出来た。とりあえず成長が速いと思われる列の収穫を行う。


『これどうやって食べるんだろう? 土っぽいから洗わないと駄目か?』


『とりあえず、食ってみるか』


『駄目! 食べる駄目! 毒ある!』

 手伝いに来てくれた獣人の一人が土まみれのジャガイモそのまま食べようとしたので、ケンは慌てて食べないように注意した。


『毒が有るものを作ったの?』


『毒を除く。その後食べる』

 毒が有るものを育てるという事は理解出来ないが、ケンが言うならきっと何かしら理由があるのだろうと思い、それ以上詮索することなく農作業の手伝いを再開した。



 収穫したばかりのジャガイモを村の広場に運び込む。最初にカニ料理をふるまった時に利用した魔道コンロを空間収納から出して、その上に石で出来た鍋を設置する。獣人の人達も手伝いながら支度を進めていく。リルが水を出してジャガイモを洗い、アリスが調理方法(芽を取り除く、適当に切る)を教えて、鍋に放り込んでいく。

 鍋に塩と水を入れて煮込んで火が通ったら一旦ゆで汁を捨てる。ゆで汁が無くなって粉ふきいものようになったら、塩やコショウを振りかけて食べる。


『旨いぞ! 何だろうこの触感、今まで食ったことがない』


『あっっつ、ホフホフ。でも旨いな』


『暗い所。保管。長持ち。二ケ月。日干し不要』

 たどたどしい言葉でジャガイモの特性を説明していく。


『干さないでそんなに長持ちするのか。凄いな』

 収穫後長い間保管出来るのは重要な要素であり、トラタヌ村でジャガイモが受け入れられるようになった。

アリスの防具はあるけど、防具は着替えとは言わんだろうな。


一年を通してあったかい。トラタヌ村では自前の体毛と狩猟で得た毛皮で

問題なく過ごせるため、織物の必要性がなかった。

手先が少し器用な狸系住人であっても面倒な作業であるため優先度は低い。


この村では種まきから収穫までの期間でざっくり五年を以下のローテーションで回してる。

トウモロコシ三ケ月、休耕期間七ケ月、サトウキビ十五ケ月、休耕期間七ケ月、

トウモロコシ三ケ月、休耕期間六ケ月、サトウキビ十二ケ月、休耕期間七ケ月。

サトウキビは植える時期によって、収穫時期が異なる。

畑を大きく四つの時期に分けて、作業や収穫時期が集中しすぎないように工夫してる。

休耕期間中は家畜の糞尿や、獣人の肥溜に貯めて発酵した物を散布してます。


繰り返しになるけど、地球と異なる世界で作物の育成期間違うから。

早く育つ分、土から養分が抜けるのも早い。なので休耕期間が長くなる。

それを肥料で補い、休耕期間を短く出来る。そういう世界なの割り切って。


連作障害で作物が取れなくなったら税金払えなくなるから、

安全マージンを確保して休耕期間を取るのと

種まきに最適な時期もあるから、その辺を考慮するとどうしても休耕期間が長くなっちゃうんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ